第7話 腐敗
さて、実際
まずは筋力面での話だが、ここ一ヶ月────つまり、越してきてからの期間で随分と変わった。剣を振り回す際に体が振り回されなくなったことはもちろん、魔族の頭蓋骨をこう、良い感じに握り潰したりだとかもできるようになった。後者に関しては周囲から怪しまれる上、手が非常に汚くなるのでお勧めはしないけど。
いや本当に止めた方が良いからね。血液以外にも色々と溢れ出してくるから。汚いから。マジで。
で、脚力やら膂力も随分と変わったと思う。魔族と力で押し合うなんてことはないから分かんないけどね。一匹一匹にかけられる時間もないから、大体ずっと戦い方変わらないし。
足が若干速くなった感覚があるのと、跳ねた時に想像以上に高く跳べることが増えたから、足の力が増えたのは間違いないと思ってる。
加えて、体が丈夫になったような気もする。丈夫に、とは、風邪に強いだとかそう言った意味ではなく、純粋に硬くなったという意味で。わざわざ魔族の攻撃を食らいたいとも思わないから試したことはないが、以前より少し打たれ強くなったのではなかろうか。
ただ、これも何となくの感覚でしかない。何せ肌自体が固くなっているなどではないらしく、日常生活で困っているなどと言うことはないんで。
後は、魔力量が増えた。これはまぁ、想像に容易いのではないかと。
魔力というのは基本的に二つのパラメータがあって、一つが魔力の全体容量、もう一つが魔力の回復量だ。で、今回増加していっているのは、魔力の全体量。
というのも、死体から吸収したステータスの一部は魔力として吸収される。…………厳密に言えば、魔力として吸収したものの一部がステータスに変換されているらしいけど。ともかく、
魔力が不足している状態だと普通に魔力が回復するだけなんだけどね。もう満杯の状態でそこに魔力を詰め込もうとすると魔力量が増える。
そうはいっても、
ということで
以前の魔法陣を用意する方式に比べて格段に魔法が使いやすいことに加え、人目を気にせずに使用できるようになったことがかなり大きい。なんなら使わない方が怪しまれるんじゃないかって位の頻度で使ってるし。
多くないとはいえ一応魔力が必要な魔法ではあるが、そもそも
にしても、やっぱり
魔法陣を書くのは嫌いではないけど、やっぱ面倒だし。普通に時間かかるし。精密さに気を遣って絵を描くのと、ただ一言呟くだけ、どっちが良いかって後者に決まっているよねという話であって。
ただ、魔法と言って基準になるのはやはり
魔法の変遷というのは基本的に
ということで、もう少し本腰入れて書物の読解に取り掛かろうかと。こっちの言語は使い慣れてないし、文章を読むのは死ぬ程時間が掛かるけどもが、出来ないわけでもない。結局いつかはしなきゃいけないことだし、いつまでも逃げ続けてるってのもね。
並行して、自分が使える魔法の改造とかも色々としていきたいところ。魔法を使える人は誰もが大体は自分に合わせた使いやすい魔法を使ってるらしいし、自分の使ってる魔法も色々と組み替えていきたいよねということで。
……………流石に魔族相手に戦って遅れを取ることはもうないと思うけど、人間相手だと分からないしね。魔法とか言う意味わからん要素があるこの世界だし、魔族を倒しまくるとレベルが上がるなんて噂も聞いたことがある。流石ファンタジーってことで、戦場にいる人間の強さもピンキリだし、明らかに関わっちゃいけない人種の者も居たりする。
自分のクラスメート達だってその部類に入るのだろう。王城で良い教育を受けて、良い訓練を受けるらしいし。少なくともそこらの戦場入りびたりオジサンよりは強くなるのだと思う。知らんけど。
彼らに自分の命が狙われるかもしれん状況にある今、対策するに越したことはないだろうからねぇ。気は進まないけど、読書しますか。
最初の頃は王城の魔法使いの人がなんか意思疎通できる魔法を持ってたから何とか話せたけど、飛び出してきたときは完全に言葉が分からなかったしね。通行人に話しかけたら突然殴られるなんつーこともしょっちゅうあったし、マジで辛かった。
まぁ、色々あって話せるようにはなったものの、まだ文字を読み書きするには知識が足りないので。
ということで、頑張りまっす。
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