【詩】男の遺体



居場所を無くし

男は一人、夜の街を歩く

すれ違う人たちは夜の人

寂しさを紛らわすため酒を飲み

楽しい、と偽証した

私は酒の誘惑に負け

アルコールは

大脳を支配し始めた

浮かぶような感覚に

楽しい、と錯覚した


自分自身を

裁けずに

気付けば

路地裏に倒れていた


朝になると

つまらない、と証言した

男は夜を待たずに

新たな酒を飲み始めた

思考は絡み合い

ほどこうとすると

かえって解けない


男の遺体が見つかったのは

その数日後のことだった



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【詩集】sign とろり。 @towanosakura

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