19
朽ちているとはいえ、壁に囲まれた街。建物の半分は崩れずに残っているため、雨風をしのぐのには充分すぎるほどである。
家や寝具もあり、工場や倉庫には、水も保存食も残っていたのだ。
二人はここに居座る事にした。一週間ほどかけて
お風呂は使えなかったが、ペットボトルの水や、比較的綺麗な水溜まりで布をしぼり体を拭き、新しい下着や服を着て、柔らかいベッドで眠る。
今までの普通のことが、こんなにも幸せなことなのかと、二人は現状を噛みしめる。
「ねえ、レイちゃん。 ここまで連れてきてくれてありがとう」
「なんだよ。
ベッドに潜り込み、向かい合って会話していると
レイラが泣くことが、滅多にないため、どうしてよいものかわからない。
レイラの両親が、よくしてくれていた口付けを、おでこや頬にたくさんして、強く抱き締めた。
二人とも、久しぶりに熟睡でき、とても気分が良いようだ。
まだまだ周りきれていない
そして、他にも人が住み着いているのに気がつき、レイラは警戒していた。見た感じ
しばらく距離を取り、物陰から観察していたけれど、ボロ布を巻き付けた人たちも、二人に気付いてはいたけれど、関わる気はないようで、何人かで集まり、食料や水を大量に確保し
関わる気はない素振りを見せていたが、一人の大人が途中まで近づいてきた。
警戒されているのを察知したのか、途中で歩みを止めて、話しかけた。
二人が子供だったからか、集団に入りなさいと、安全だと言った。
レイラは、フードから覗く目が異様に怖かったのと、
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