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眼鏡の男は裏口の扉を見てから、またレイラに視線を戻し、小さく頷いた。レイラも裏口を一瞥して頷いた。『あそこからなら逃げられる』眼鏡の男はそう伝えたかったと、幼いながらに解釈したからだ。
運良く倒れてきた棚に、大人達が気を取られいる隙に、レイラは
何がなんでも捕まるのは避けなければならない。追っ手が通り過ぎてから、人の流れとは逆の方向に走り出し、保護区を囲うように
二人は、
日は暮れ、荒れた外の世界は、住んでいた白の巨塔とは比べ物にならない程に、酷く凄惨でなにもない世界。稀に存在するのは、
人っ子一人居ない、灯りのない視界の悪い、道無き道。空気の淀みが酷く、夜空の星明かりも届かない暗闇。恐怖で足はすくんだが、身を隠すには最適だった。
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