第二章 幸運集めのフォークローバー 3

「幸運集めのフォークローバー、か」

 声に出してつぶやくと、その名前は不思議としっくりきた。

 良い名前だと思う、和歌子のことになぞらえてるんだ、僕と孝慈がそれぞれ頷くと、松野はやや恥ずかしそうに言った。

「本当に、この名前で大丈夫? 変じゃない?」

「ううん、そんなこと無いよ、ピッタリだ」

「ああ、ばっちり良いネーミングだぜ、松野!」

 僕たちのやり取りを聞いていた稲田先生が、首をかしげながらフォークローバー、とつぶやく。

「ん? でもお前たち、三人だけだよな」

 孝慈が笑って返す。

「ええ。もう一人、幻のメンバーが加わる予定なんで大丈夫っす」

「はぁ?」

 チョークを持ったまま首をかしげた稲田先生。

 こうして、僕たち三人(プラス一人)は歌扇野グループワーク、その発表班のメンバー同士となった。


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