精霊編6

精霊編六

 次の日、昴が朝起きテレビをつけると突然魔物が転移したと報道されていた。

 小型魔物はいまだ関東目指して進行しているとも報道された。


「おはよう」「あかりおはよう」

 あかりが制服に着替えてリビングにやってきた。昴は朝ごはんを準備していた。


「運ぶね」「ありがとう」

 あかりは出来上がったものから机に並べる。


 朝食が並び終わると昴とあかりは朝食をとった。

「あれ?鈴ちゃんは?」

 あかりは精霊の鈴はと昴に聞く。


「声はかけたんだけど、まだ眠いってさ」

 昴は鈴は朝弱いみたいと話す。


「そうなんだね、意外だね!」

 あかりは意外といい笑う。


「そうだね」

 昴も笑い答える。


「まだ魔物向かっているんだね」

 あかりはこの前来たばかりなのにと言う。


「そうだね。この前のは転移してきただけで、今からが本番って感じだよね」

 昴は前回のは異例でこれから来るのが普通と言う。


「……無茶しないでね」

 あかりは昴の顔を心配そうに見て言う。


「ふふ。大丈夫だよ」

 昴が笑い答えるがその後すごく真剣な顔になる。


 学園に向かうと周りを歩いている生徒が昴の噂をしていた。


「おはよう昴君、あかりちゃん!」

 恵美香が後ろから声をかけてきて、昴の隣に並ぶ。


「おはよう。恵美香ちゃん。なんでそっちなんかな?」

 あかりは恵美香が私の反対側に並んだのに不満を漏らす。


「なんでかな?」

 恵美香は惚けて昴の腕に手を絡ませる。


「あっ!なっ!……私のだよ!」

 あかりは顔を真っ赤にして、昴のもう一つの腕を絡ませ託し寄せる。


「ザワザワ」

 周りがよりザワザワしだす。


 学園に到着しクラスに入って行く。

「おおう、おはようさん」

 あきらが昴達を見て挨拶する。


「おはよう、あきら」

 昴は助けを求めるかのようにあきらに挨拶する。


「あー……」

 あきらはあかりと恵美香を交互に見て、昴のその腕を見る。


「なによ!」「なにかな?」

 あかりと恵美香があきらを睨んで言う。


「なんでもありません」

 あきらはブンブン首を振る。


「……」

 昴は助けに失敗するのだった。


「おはよう。今日も頑張るわよ!」

 熊田先生が元気よく入ってきた。


「さてみんなも知ってると思うけど、また魔物がやって来ています。どうやら今回もここが目標みたいです。今回は前回と近い魔法師団から応援がある為心配いらないと思うけど、学園も予備戦力として声がかかっています」

 熊田先生が魔法師団からの応援要請があると話す。


「えー!」「マジかよ!」

 クラスメイトが声を上げる。


「決して強制ではないわ。今回は学園の判断で一班に声がかかっているわ」

 熊田先生は昴、あかり、あきら、恵美香を見回す。


「今回もじゃね!」

 ボソッと生徒から声が漏れる。


「少なくとも小型の魔物を効率よく倒せないと参加はさせれないわ」

 熊田先生は声がした方角を見て答える。


「…分かりました。到着予想とかは?」

 昴が返事をして聞く。


「この後説明があるわ。授業は公欠になるから大丈夫よ」

 熊田先生がこの後の授業中に説明があると言う。


「分かりました」「参加します」「わかったよ」

 あかり、恵美香、あきらも返事をする。


 熊田先生からの連絡事項が終わると昴達は授業の準備ではなく、会議室に向かった。熊田先生も一緒だった。


「集まってくれてありがとう」

 時間になると数人の隊員と学園長、校長が入ってきた。隊員一人が代表しお礼を言う。


 昴がパッと周りを見ると前回と同じ程の生徒が集まっていた。

「よろしくね」

 後ろの席からゆいかがボソッと声をかけてきた。


「…」「お姉ちゃんシッ!」

 昴が後ろ振り向くとあかりがゆいかに叱責した。


「初めに魔物の進路はこのようになっている。中型の魔物が突如ロストしたのがこの場所で、アクアライン近郊に出現した。現在小型魔物が八十、中型魔物が一確認されている」

 隊員が説明してくれる。

 前回より少ないとされているが、中型魔物が現在は一体だが、二体存在していた事になる。


「はい」

 昴が手を開け発言を求める。

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