校外研修編8

校外研修編八

 ホテルに到着した。

「各部屋一人鍵を取りに来てください!」

 ホテルのスタッフが部屋の鍵を渡すと声をかける。


「行ってくるわ!」「行って来ますね!」

 あきらと恵美香が部屋の鍵を取りに行く。

 部屋は二人部屋でツインの部屋だった。


「この後どうする?」

 あかりが昴に部屋に荷物置いたらどうするか聞いて来た。


「うーん。どうする?」

 昴はまだ決めてないと答える。


「…温泉行かない?」

 あかりは少し頬を赤らめ言う。


「いいね!僕も行こうかな」「ねー、それって混浴?」

 昴も温泉行こうと答えると後ろから恵美香が声をかける。


「ち、違うわよ!」

 あかりが顔を真っ赤にして否定する。


「え、混浴あるんか?!」

 あきらは混浴に声を荒げる。


「ないわよ!」「あるよね?」「えっ!」

 あかりは首をブンブンふり、恵美香があるところもあると答え、あきらが喜ぶ。


「家族風呂とか、場所によっては混浴もあるみたいだけど…」

 恵美香が少し頬を赤くして答える。


「へー!」「そーなんた!」

 昴とあかりが知らなかったと言う。


「恵美香ちゃん、意外とませてるな!」

 あきらは頷きながら言う。


「ふ、普通だよ!」

 恵美香はあきらをギロっと睨んで答える。


「お、おう」

 あきらはビクッとするのだった。


 昴とあきら、あかりと恵美香は各部屋に荷物を運んだ。

「昴どうするよ?」

 あきらは昴に予定を聞く。


「温泉いこうかな」

 昴はやっぱり温泉行くと話す。


「温泉だから混む前にのんびりしたいなー!」

 あきらも温泉に行くと同意する。


 昴とあきらは一階の温泉に向かった。一階はロビーと土産店と温泉があった。

「昴!」「昴君!」

 あかりと恵美香は昴とあきらを見つけ駆け寄って来た。


「あかり達も温泉?」

 一階でバッタリあったあかり達に昴は声をかける。


「うん。これから!…楽しみにしててね!」「行こ!」

 あかりが浴衣を手に持って言い、恵美香があかりを引いて温泉に入っていった。


「おいおい、俺無視かよ!」

 あきらはガックシとなるのだった。


 昴とあきらは温泉に入った。何組かの生徒が居たがまだ混んでいなかった。

 昴とあきらも浴衣に着替えた。


「なー昴!あれやろうぜ!負けた方がジュースを奢りで!」

 あきらは卓球台を見て勝負しようと言う。

 卓球台は三台あった。ちょうど一台空いている。


「いいよ」

 昴はあきらの勝負に乗りラケットを手に持つ。


「能力使うの無しだからな!」

 あきらは魔法使うのは無しと言いピンポン玉とラケットを手に持った。


「もちろん!何点にする?」

 昴は頷き何点先取かと聞く。


「十店でいくぞ!」

 あきらは十点先取と言いサーブした。


 あかりと恵美香はというと、

「ねーあかりちゃん…」

 恵美香が浴槽に入っているあかりに声をかける。


「なに?」

 あかりは恵美香の顔を見て答える。


「……」

 恵美香は頬を膨らませあかりの全身を見る。

 天然温泉で透明な浴槽だった為、あかりのスタイルが分かる。


「…恵美香ちゃんも羨ましいよ」

 あかりは恵美香の胸が羨ましいと答える。

 あかりより恵美香の方が胸が大きかった。


「わ私は脂肪ばっかりだよ!」「それ他の人に言ったら怒られるよ?!」

 恵美香は私は太ってるからとあかりに言う。あかりは全然太っていない恵美香に、太ってる人には言わないようにと笑い答える。


「敵わないなー」

 恵美香はあかりのスタイルをもう一度見て呟く。


「あんまり見ないでよ、恥ずかしい!」

 あかりは少し頬を赤くして抗議する。


「どうしたら昴君意識してくれるかな?……やっは無し!聞かなかったことにして!」

 恵美香はあかりに聞き、しまったと言う顔になりスルーしてと話す。


「無理!もっと素直に話したらどうかな?あきら君と普通に話しているみたいにさ!」

 あかりは聞かなかったことに出来ないよときっぱり言い、話し方を変えてみたら?と提案する。


「えっ?」

 恵美香は心当たりがないと驚く。


「うーん。恵美香ちゃんは昴と話してる時、私たちより一歩引いて話してるような感じがするのよね?」

 あかりは思ったことを話す。


「そうかな?」

 恵美香は首を傾げる。


「うん。他の生徒と同じ感じだよ!……皆んなよりはフレンドリーではあるけどね!」

 あかりは他の生徒は昴と距離をとって話していて、同じに見える時があると話す。


「……」「昴が怖いわけじゃないんでしょ?」

 恵美香が下を向く。あかりが他の生徒と同じ感情とは違うんでしょと聞く。


「……うん」

 恵美香は頬を赤くして頷く。


「もしかして、私のせい?」

 あかりは恵美香の反応を見て聞く。


「ち違うよ!」

 恵美香はブンブン首を振る。


「良かった。恵美香ちゃんもどんどんアピールしていいんだよ?…でも負けないからね!」

 あかりは恵美香に攻めでもいいと言う。


「なんで……」

 恵美香はボソッと言う。


「うーん。好きだからかな?」「へ?」

 恵美香の声が聞こえあかりは答える。恵美香は頭がクエッションになる。


「もちろん昴のことは好きだよ!でもね、独り占めしたいとは思わないの!……少ししか。逆に昴のこと好きな子が居て嬉しの!もちろん一番は私だけど!」

 あかりは自身の気持ちを話す。


「で、出よっか!」

 顔が真っ赤?全身真っ赤なあかりが浴槽から出よっと声をかける。


「う、うん」

 恵美香も頷き浴槽からでる。もちろん恵美香も顔が?全身真っ赤だった。


 温泉から出たあかり、恵美香は浴衣に着替えた。

 お風呂場から出て昴達を探す。

 二人の顔は元に戻っていたが、湯あがりな顔になっていた。

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