校外研修編7
校外研修編七
食事が食べ終わる、あかりは可児少将の話を振った。
しかし少将としての印象しか聞けなかった。
「……」「……」「羽島隊員は階級あるんですか?」
昴、あかり、あきら、恵美香が無言になってしまう。すると桃坂先輩が次の質問をする。
「私?私は少尉を賜っているよ」
羽島隊員は隊員証を見せてくれる。
「すごいですね!」「すごい!」
桃坂先輩と高木先輩が驚く。
「生徒についている隊員は全員少尉以上でね、小隊を任されている隊員もいるんだよ」
羽島隊員は少し自慢気に話す。
平隊員、少尉、中尉、大尉、少佐、中佐、大佐……大将
の順に偉くなる。
給料も比例して上がる。
「羽島隊員って何歳なんですか?!」
椎名先輩がさらに踏み込んだ質問をする。
「何歳に見えるかな?」
羽島隊員は満更でもと聞く。桃坂先輩、椎名先輩、高木先輩は女子で羽島隊員は男性だった。嬉しくないわけがない。
栗山先輩は興味ない顔をしていた。
「大学で出れば二十三?」「二十五かな?」「少尉って平均何歳だっけ?」「高卒だと二十とか?」
昴、あかり、恵美香、あきらも話に加わる。
「なるほど、しっかりと調べているね!」
羽島隊員は感心する。
魔法大学に卒業していた場合、スタートが少尉になる。高卒の場合三年ので少尉試験を受けれる。
「降格もあるぞ!」
栗山先輩は誰しもが少尉ではないと言う。
「えー!」
あきらは分からんと漏らす。
「ふふ、はは、流石に降格した隊員を見学の隊員に付けないよ」
羽島隊員は栗山先輩の意見を否定する。
「年に何人かは居ますよね?」
栗山先輩は降格する隊員も居るよね?と聞く。
「居ないと言わないな。しかし理由がいくつもあってな!例えば、悪さ、失敗したから降格ってのもあるし、小隊長に任命されたからその階級に落とされる事もある。その場合は給料は据え置きだかな!……おっとここまで細かく話す事ではないな!忘れてくれ!」
羽島隊員は素直に答え、隊員でもないのに難しい話をしたなと苦笑いする。
「いえ、面白かったです」
昴はニコッと答える。
他の生徒も頷くのだった。
食事後は、広いホールに案内され中等部、高等部の生徒全員に、可児少将や大佐クラスの隊員からの話があった。
少将達の話をまとめると最近門が動きが活発になっていて、隊員を募集していると遠回しに言われた感じだった。
最後に録画ではあるが、戦闘の映像が流れた。隊の連携などを解説された。魔物は中型も出てきて少し盛り上がった。
「ありがとうございました。勉強になりました」「ありがとうございました」
栗山先輩が守衛の外に出ると代表して羽島隊員にお礼を言い、昴達と桃坂先輩達もお礼を言う。
「これからも頑張って勉強していってくれ、たまには羽目をはずしてもいいと思うよ」
羽島隊員は一同を見回し話す。最後の一言は栗山先輩に言ったような気がした。昴の印象は堅物と思ったからだった。
昴達はお辞儀しバスに戻った。その後から栗山先輩達もバスに戻った。
「点呼するぞ!」
少し経つと熊田先輩が点呼を取り始めた。
他の生徒は、基地での話に盛り上がったり、観光の話しで盛り上がったりしていた。
「確かホテル行って明日は自由行動だったね?」
昴があきら、あかり、恵美香に聞く。
「そーそー!ビーチ行こうぜ!」
あきらは七月に入ったから海行こうと話す。
「えー買い物しようよ!」
恵美香は却下する。ビーチは指定されている場所以外は禁止されていた。太平洋側のビーチは魔物の観点から指定場所以外は禁止されている。その為すごく混むのだった。
「しかもまだ海には少し早いような?」
あかりも恵美香に賛成し泳げないと言う。
「いやいや泳げるし!」
あきらは諦めずに入れると答える。
「またこの話し?!」
昴はやれやれと肩をすくめる。
計画を立てている時から話が食い違い、平行線だった。その為どっちでも行けるように準備し、当日決めようとなっていた。
泳げる温度なら海だし、無理なら観光だった。
「昴はどっちなのさ!」「多数決で決めましょ?」「いやいやそれだと不公平だし!」
あきらは昴に決めてもらおうとし、あかりが多数決と答える。恵美香も頷くが、女子は協力してるから不公平とあきらが訴える。
「あきら君は水着見たいだけでしょ?」
あかりはあきらの本心をズバッと言う。
「な、!違うしー!泳ぎたいんだしー!」
あきらは動揺しながらも泳ぎたいと言う。
「はーい!全員揃ったから出発するわよ。席についてシートベルトしてね!」
熊田先生が生徒揃ったから出発すると話す。
席順が少し変わり、昴その隣にあかり、昴の後ろに恵美香その隣にあきらとなった。
「ねーどうするの?」
あかりは小さな声で昴に聞く。
「うーん。明日の天気次第かな?」
昴は明日の天気を見てから決めると話す。
「確か明日は晴れて最高気温二十八度って話だよ?」
あかりはニュースの事を話す。
「う、うん。少しね、嫌な感じがするの!」
昴は小さく言い太平洋の方を見るのだった。
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