校外研修編5

校外研修編五

 今後の予定を熊田先生が話した。

 魔法師団館山基地に到着後各班一人の隊員が着き見学。その後基地の食堂にて昼ご飯を食べ、隊員からの話がある。

 夕方にホテルに入り、二日目は観光となっている。


「そろそろ到着だな!」

 あきらがそろそろ着くよと起こしてくれる。昴はバスに揺られ眠ってしまっていた。


「あかりちゃん着くって」

 あかりも恵美香に起こされていた。


「整列して」

 バスから降りたら熊田先生が声をかけてここに整列してと話す。基地の守衛の横に集合した。


「揃ったな!」

 熊田先生が辺りを見て答える。一組一班から六班が揃った。


「揃いましたか?」

 一人の隊員が熊田先生に声をかけた。


「はい。中等部一組は揃いました」「高等部も揃いです」

 熊田先生と足立先生が揃ったと答える。


「魔法師団館山基地少将、可児です。これより各班毎に隊員一名が着きます。決して離れないように!」

 館山基地の可児少将が話す。


「可児少将、三組、四組揃いました」

 隊員が三組と四組も揃ったと話す。


「あれが…」「だね…」

 恵美香とあかりが可児少将を見て智樹の父親と話す。


「お、おい!」

 昴が可児少将を追いかけようとして、あきらが腕を掴む。


「……ハー、悪い」

 昴は少し息を吐き早まったと話す。


「昴も怒ることあるんやな!」

 あきらは苦笑いする。


「もちろんあるよ」

 昴も苦笑いで答える。

 あかりと恵美香は昴と可児少将を隠すように昴の前に立つ。


「おい!」

 すると昴達に声をかけて来た生徒が居た。


「なんすか!」

 あきらが嫌々そうに返事をする。


「なんだその態度は!」

 声をかけて来た生徒はあきらを睨んだ。


「なんですか?栗山先輩?」

 昴は確かと聞く。


「お前達が一班だろ?行くぞ!」

 栗山先輩が同じ一班同士合同するぞと言う。

 中等部、高等部班ごとに一緒に合同することになる。


「隊員の羽島はしまです。よろしく」

 羽島隊員が挨拶してくる。


「よろしくお願いします」

 昴、あきら、あかり、恵美香は揃って挨拶する。


 守衛を通って羽島隊員、翔達一班、栗山先輩達の一班が歩き出す。


「歩きながらだけど自己紹介いいかな?」

 羽島隊員が生徒の自己紹介を提案する。


「分かりました。高等部一年栗山です。一年主席です」

 栗山先輩が初めに自己紹介する。


「次席の桃坂です」「三位の椎名しいなです」「四位の高木たかぎです」

 続いて一班が自己紹介する。


「一班は学年上位がそろってるのね!」

 羽島隊員が頷き昴の方を見る。


「中等部一年、竹中です」「美濃です」「結城です」「阿倍野です」

 昴達も軽く自己紹介する。

 

「君達もトップってことだよね?」

 羽島隊員は主席とか言わなかった昴達に聞く。


「そうですね。気になりしますか?」

 昴は首を傾げる。


「大丈夫よ!」

 羽島隊員は首を振る。


「一応ですけど紹介した順が今の成績です」

 あきらは次は負けないと意気込む。


「一夜漬けなのに?」

 昴はクスッと言う。


「グッ、次こそは頑張る!」

 あきらは勉強頑張ると言うのだった。


「ふん!」

 栗山先輩は鼻で笑った。


「りつー!」

 桃坂先輩があきらの代わりに律を睨んだ。


「ははは、ライバルかな?ライバルはいいよ!」

 羽島隊員が生徒の会話を聞き笑う。


「ここが管制室。門を監視する為の施設だ。各基地毎に管制室があり門を監視している。その為向かってくる方角が分かる仕組みだ」

 羽島隊員は説明してくれる。


「ならなぜ?……」

 あきらは口を滑らす。


「…この前の侵攻は急に進路を変えたと話に聞いている。混乱を避ける為報道はされていないが、今回君達には説明しても良いと言われている!」

 先の侵攻で功績を立てた学園には話していいと許可が出た。疑問に思う生徒もいると見学前の打ち合わせで議題に上がったからである。


「栗山先輩は倒せたんですかー?」

 あきらは栗山先輩を挑発する。


「当たり前だろ!」

 栗山先輩は撃退したと吐き捨てる。そして昴をギロっと見る。


「あきら、あまり挑発しないでよ」

 昴はあきらに面倒事は勘弁してと言う。


「そうか君達も参加してくれたのか。隊員としてお礼を」

羽島は歩きを止め、振り返り頭を下げる。


「頭を上げてください!」「そうですよ!」

 桃坂先輩とあかりが羽島隊員に言う。


「疑問に思ったけど、あの爆破君達だよね?」

 羽島隊員が頭を上げ、再び歩き出し、桃坂先輩が口を開いた。


「そうなんですか?」

 昴は首を傾げ惚ける。


「あれ?違った?噂では中等部の一年の生徒って聞いてたから!」

 桃坂先輩は一年の生徒なら上位の成績の学生と思ってと答える。

 昴が使った事は内密になっていた。近くにいた生徒や先生には言いふらさないよう言われている。

 生徒はプライドにかけて言いふらさなかった。


「皆さんは近くに居なかったんですか?」

 あかりが桃坂達に聞く。


「うん。ちょうどその時、前の方に居て後ろから撃たれたからね、見てないのよ!」

 桃坂先輩は残念そうに答え、椎名、高木先輩も頷く。


「助けられたんですねー」

 あきらは栗山先輩を再び挑発する。


「なにー!」

 栗山先輩はあきらに怒鳴り詰め寄ろうとする。


「あきら君?君は一匹も倒せてないよね?」

 恵美香はあきらを睨み、これ以上ややこしくしないでと圧をかける。


「フン。口だけか四位君」

 栗山先輩の怒りは収まりあきらを鼻で笑った。


「ぐぬぬ!」

 あきらは歯軋りするのだった。


 その後基地の訓練所に案内され、食堂に向かった。食堂は広く丸々一つの建物が食堂だった。

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