校外研修編4

校外研修編四

 日にちは流れ七月上旬、校外研修当日。

「おはよう」「おはよう」

 昴とあかりは目を覚まして挨拶する。

 昴はリビング、あかりは寝室で着替えを済ませる。


 まだ慣れないが少しずつ慣れて来た。

「準備できた?」「うん」

「昴は着替えどうするの?」「僕はこの前買ったのを持って行くつもり!あかりは?」

 「私は恵美香ちゃんと買ったのを持ってく」「そーなんだ!」

 あかりと昴は朝食をとりながら準備万端と話す。


「ピンポン」「…誰だろう?」

 チャイムがなり昴が首を傾げる。ゆいかちゃんは昨日から大阪に校外研修行ってるしなー?と思うのだった。


「恵美香ちゃんかな?……はい?」

 あかりは恵美香かな?とモニターで出る。


「お、おはよう」

 恵美香がモニター越しに挨拶して来た。

「今開けるわ!」「ピッ」

 あかりは恵美香に答えドアのロックを開ける。


「ガヂャ」「おはようあかりちゃん、昴君」

 恵美香が部屋の中に入って来た。


「…うん。おはよう?」

 昴は首を傾げて挨拶する。


「私と昴が一緒に向かうと怪しまれるでしょ?」

 あかりはいつもは時間をズラして登校してるが、今日はバスの前に集合の為時間が重なってしまう。流石に何人かと一緒になってしまい、怪しまれると話す。


「あー、うん。そうだね?」

 昴はそこまで気にされるかな?と思いながらも頷く。


「ねー、昴君。もしかして、昴君がどれだけ注目されてるか知らない?」

 昴の反応に恵美香が首を下げ聞いて来た。


「僕?」

 昴は首を傾げる。


「えーっと、学年主席なんだよ?!」

 恵美香は昴の成績を言う。


「そうだね?」

 昴はまだピンとこない。


「恵美香ちゃん。ずっと主席だとわかんない見たい」

 あかりは少し不満気に、恵美香に言っても無駄と答える。


「なにさ!僕がおかしいみたいに!」

 昴は拗ねるのだった。


 昴、あかり、恵美香は三人揃って待ち合わせ場所に向かった。学園の駐車場に大型バスが四台止まっていた。


「えーっと一号車は?」

 昴が一号車のバスを探す。

 一号車は高等部、中等部一年一組が乗り、二号車には二組、三号車には三組が乗る。四号車には各組の六班が乗る。


「あったわよ」「ここです!」

 あかりと恵美香が一号車を見つけ乗る。


「待ってよ!」

 昴も後から乗り込んだ。


「おーい!遅いぞ!」

 あかり、恵美香、昴がバスに乗るとあきらが席から手を振り声をかけて来た。


「おはよう早いね」「おはよう」「おう!」「早いな!楽しみすぎやろ!」

 あかり、恵美香があきらに挨拶して席に着く。

 あきらが返事すると昴があきらの席を見て言う。


「楽しんでなんぼでしょ!」

 あきらはニカっと笑う。あきらの席のシートテーブルにはお菓子と飲み物が既にあった。


「ガキだな!」

 反対側の席から声が聞こえる。

「なんですか先輩?お菓子早々食べたらいけないって書いてませんけど?」

 あきらはしおりを見て答える。


 その後反応は無かった。

 バスが出発した。

「えー、これより館山に向かいます!くれぐれも席を立たないようにしてください!」

 熊田先生が出発しバスが動いている時は立ち上がらないようにと注意する。


「今回は高等部、中等部一年次合同で向かいます。自己紹介頼む」

 高等部一年一組担任の足立あだち先生がマイクを後ろの席の生徒に回す。


「一班栗山です。いい研修にしましょう」

 栗山先輩が挨拶しあきらをジロッとみる。


「はいはーい。同じく、桃坂でーす。よろしくね」

 栗山先輩からマイク取り上げ桃坂先輩が挨拶する。

 そして後ろにマイク回される。


 順番に挨拶して中等部の五班に回って前に返ってくる。


「一班の美濃です。お願いします」

 あかりが軽く挨拶し恵美香にマイクを渡す。


「同じく結城です。お願いします」

 恵美香も軽く挨拶する。そしてマイクを前に渡す。


「ありがとう」

 昴がマイクを受け取り恵美香にお礼を言う。


「一班竹中です。お願いします」「ちょ!」

 昴も軽く挨拶し締めをあきらに譲る。あきらはそれは無いと言う。


「……一班阿倍野です。えー、いい研修にしていきましょう!」

 あきらは考えたが言葉が出てこなくて無難に締める。

 マイクを熊田先生に渡す。


「よーし、一通り自己紹介したな?今後の予定話すぞ!」

 熊田先生がこの後の予定を話す。あきらと栗山先輩が睨み合っていて、桃坂先輩が栗山先輩を抑えていた。


「あきら?」

 昴もあきらに声をかける。


「いやー悪い」

 あきらは昴のかけ声に少し頭を冷やした。


「栗山先輩?と知り合いなの?」

 昴はあきらの反応を見て聞いてみる。


「あー、実はな!」

 あきらは知り合いと認める。


「そうなんだ」

 昴はあきらと栗山先輩、桃坂先輩を軽く見るのだった。

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