校外研修編1

校外研修編一

 昴とあかりがダブルクラスで暮らす事になった。


「おはよう」「おはよう」

 昴とあかりが目を覚まし挨拶した。


「…慣れないね!」「…慣れないね」

 あかりが照れながら答え、昴も答える。二人が一緒の空間で寝るのは、二回目ではあったがまだ慣れないと話す。


「プルルプルル」「はい。……おはよう。…うん。元気だよ。」

 朝食の準備をあかりとしていると、母親から電話がかかって来て昴が電話に出た。


「はっ!えっ!……ちょ、母さん!!」

 会話してたら、あかりちゃんと付き合ってるんでしょ?なら同じ部屋でいいわよね?ファミリークラスいらないわね!一緒に暮らしなさいと電話を切られた。


「プルル」「はい?」

 今度はあかりの方に電話がかかってきて、あかりが一度昴を見てから電話に出た。


「……えっ!」

 あかりは昴の母親から言われるだけ言われ電話切られた。


「どうしたの?」

 昴があかりに聞く。


「えーっと、ひなたさんから同居頑張ってね、子供はまだ早いから高校卒業した頃にって」

 あかりは少し照れながら言われた事を話す。


「そんで切られたと」

 昴が用件言ったら電話切られたかと聞き、あかりは頷く。


「……ご飯食べようか!」

 とりあえず朝食とろうとゆいかに声をかけるのだった。


「おはよう」「おはよう!昴災難だったな!」

 昴が登校し教室に入るとあきらが昴に背中を叩き話す。


「おはよう」

 あかりが少し遅れて教室に入ってくる。


「おはようあかりちゃん」

 恵美香が声をかける。


「う、うん。おはよう」

 あかりは恵美香に目を合わせずに挨拶し席に着いた。


「なんかあったんか?」

 あきらはあかりの反応を見て、昴に聞いてきた。


「うーん」

 昴は目線を逸らす。


「そう言えば、昴二日間どこで泊まったんだよ?!」

 あきらは部屋があんなんでどうしたのかと心配して聞いてきた。


「あ、うん。学園が空き部屋を貸してくれて、仮に住んでるよ!昨日はその買い出しに行ってたよ」

 昴はキョロキョロしながら答える。


「……ふーん」

 あきらは昴をジッと見るがそうかと返答した。


「おはよう皆んな!」

 熊田先生が教室に入ってきた。朝礼前で生徒達があれ?となっていた。


「すまないが席に着いてくれ!」

 熊田先生が朝礼前だが少し時間をくれと話す。


 クラスの皆が席に着く。智樹の席だけ空いていた。

「可児君だが当分休む事になった」

 熊田先生は初めに智樹の休みの説明をする。


「ザワザワ」

 教室が騒めく。


「何人かは知ってると思うがあまり大きくしないように!数人には事情を聞くかもしれんがよろしく頼む!」

 熊田先生は言いふらさないようにと注意する。


「次に少し早いが、校外研修についてだ」「キンコンカンコン」

 熊田先生が次の話をしようとして、朝礼のチャイムが鳴る。


「どこ行くんですか?」「どこかな?」

 クラスメイトが騒ぎ始める。楽しみで周りは浮き立ちだす。


「オホン。今年は高等部の一年生と合同で館山に行く」

 熊田先生が高等部と館山にある魔法師団の駐屯地と観光と話す。


「えー!」「なんだ、すぐそこじゃん」「初等部でも行ったじゃん!」

 不満の声が生徒から聞こえる。


「文句があるなら学園長、校長に言うように」

 熊田先生は私に言わないでと答えるのだった。


 智樹は皆頭からすっぽ抜けたかのように、校外研修の話に盛り上がった。一限目は班決め、部屋決め、時間割等が話された。


 昼ご飯を食べ昼休み、

「竹中少しいいか?」

 熊田先生が昴、あかり、あきら、恵美香のグループに来て声をかける。


「……」「なんですか?」

 一瞬で教室が静かになる。昴は首を傾げ聞く。


「教科書を渡そうと思ってな!あと色々必要な物の申請に着いてな…」

 熊田先生が燃えた教科書を新しく渡そうと思って声をかけたと話、小さく付け足す。


「分かりました。ちょっと取ってくるね」

 昴はあかり達に声をかけ教室を出て行った。


「……私お花摘みに!」「私も!」

 あかりがあきらにトイレと言い教室を出て行き、恵美香も便乗した。


「お、おい!」

 あきらまで行くとおかしいと思われた為、あきらは諦めて教室に残った。

 ここぞとクラスメイトがあれこれ聞いてきたのは言うまでもないのだった。

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