同居編4

同居編四

 昴とあかりは告白し、付き合うことになった。

 夜は仕切りをしてお互い布団で寝た。二人とも寝れるはずもなく、朝を迎えた。


「おはよう」「おは、よう」

 昴が挨拶しあかりも頬を赤らめて挨拶する。


 二人は洗面台を半分ずつ使い歯磨きする。

「……」「……」

 二人ともぎこちないながらも、朝ご飯を食べて過ごした。


「ピンポン」「……はい」「やっはろー!」

 呼び鈴がなりあかりが出ると、ゆいかが挨拶してきた。

 あかりがゆいかを部屋に入れる。


「やっはろー!よー寝れた?……あれ?」

 ゆいかが部屋の中に入り昴に声をかける。周りをキョロキョロして、あかりのベッドの下に昴の布団があり、仕切りがあって疑問に思う。


「なんですか?」「なによ?」

 昴とあかりはゆいかの反応に首を傾げる。


「えーっと、あんた達付き合うんだよね?」

 ゆいかが疑問系で聞いてくる。


「はい」

 昴は返事してあかりは頷く。


「で、これ?」

 なのに仕切りがあるってと指を指す。


「だって……」

 あかりは頬を真っ赤にする。


「ハー!昴君ごめんね、こんな妹で!もっと攻めていいんだよ?押し倒しちゃってもいいんだよ?我慢できるの?」

 ゆいかは昴を心配する。


「……」

 昴も顔を真っ赤にする。


「なるほどなるほど!」

 ゆいかはうんうんと頷いた。


「もう、お姉ちゃん!ほっといてよ!私たちのペースがあるんだから!」

 あかりはゆいかの背中を押す。


「はいはい。でもあかり、このままだと取られるかもしれないからね!昴君人気だからね!」

 ゆいかは脅しをかける。


「知ってるもん」

 あかりはボソッと答える。


「ならいいけど!」

 あかりの声を聞き取り、ゆいかは呆れる。

 ゆいかも何人かが昴の事を気になっていることを知っていた。


「……」

 昴はあかりの方が人気でやばいんだよなと思うのだった。

 

 昴、あかり、ゆいかは職員室にやって来た。

「悪いね連日」

 熊田先生が昴達に謝る。


「いえ」

 昴は首を振り仕方ないと答える。


「……結論から言うと可児智樹は謹慎になった。いつまでは断言できない。竹中の部屋はこの後言って貰っていい、燃えて無くなった物や、使えなくなった物はこの用紙に書いてくれ」

 熊田先生が火災保険の紙をくれる。


「学園で買える物はこちらで揃えるつもりだが、買ってきて貰わないといけない物もある。それは……」

 熊田先生があかりとゆいかを見る。


「任して!」「分かりました」

 ゆいかとあかりが返事する。


「えーっと、それと……」

 熊田先生が言いたげに口ずさむ。


「どうしました?」

 昴が熊田先生に聞く。


「あのな…… 」

 チラッとゆいかを見る。


「もしかして部屋の事ですか?」

 ゆいかは察して言う。


「すまん。ファミリークラスの部屋の空きがまだ見つかっていない!」

 熊田先生が頭を下げる。


「えーっと、ダブルとかシングルではダメなんですか?」

 昴は別にファミリーにこだわらなくてもと話す。


「それが出来ないんだクラスの変更は引っ越し扱いになって併用が出来ない」

 熊田先生が火災保険での移動時は変更が効かないと話す。


「ならどうするの?昴部屋が無い事になるよね?」

 あかりが心配する。


「ならあかりとゆいかがダブルに移動して、空いた部屋を仮の部屋にしたらいいんじゃないの?クリーニング入る前だから問題ないでしょ」

 熊田先生の後ろから声がした。


 そこには学園長が居た。

「学園長!」「お母さん!」

 昴、熊田先生が学園長と驚き、あかりとゆいかが母と驚くのだった。

 

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