同居編3

同居編三

 ゆいかに引かれ、昴、あかりはショッピングモールに来ていた。


「ゆいかちゃん、ちょっと!」

 昴はいい加減ストップと歩きを止める。


「なに?」

 ゆいかは歩きを止め昴に聞く。


「あきらに確認取らなくていいの?」

 昴はあきらに泊めてもらえないか聞かなくていいのかと話す。


「え、私の部屋に泊まればよくない?」

 ゆいかはさらっと答える。


「えっ!でも、校長が、」「それは学園が知ったら止めなくてはいけないけど、知らなければ止まらないよね?」

 昴が校長はダメってと言うが、ゆいかは知らなければ問題ないと話す。


「第一みんなやってるよ?」

 ゆいかは何組かのカップルがやっていると話す。


「ねーねー、私とは嫌なの?」

 ゆいかは昴にくっついてくる。


「お、ね、え、ちゃ、ん!いい加減にしなさい!」

 とうとうあかりがゆいかに怒った。


「なに?ならあかりが昴君を泊めるの?昴君このままだと野宿だよ?」

 ゆいかはあかりを挑発する。


「なら私の部屋に泊まればいいじゃない!」

 あかりはゆいかの挑発に乗って鼻息荒くして答える。そしてゆいかと昴を引き剥がす。


「ならそうしよう!まず布団と着替えだね!」

 ゆいかはポンと手を打ち歩いて行く。


「……ゆいかちゃん!」

 昴はあかりを元に戻す為に動いたと思うのだった。少し緊張するけど楽しみでもあった。


「待ちなさいよ!」

 あかりがゆいかを追いかける。


「布団どれにする?」「この色がいいんじゃない?」「えー、この色の方がいいって!」「昴はどっちがいい?」「どれでもいいよ!」

 ゆいか、あかりが布団の色に悩んでいて、あかりが昴に私がゆいかどっちがいいと聞いた。


「どっち!選んで!」

 二人が同時に聞いてきた。いや選べと圧をかけてきた。


「ふふふ」

 昴は二人ともいつも通りになって笑顔が溢れる。


「ね!」

 二人から催促される。


「うーん。あかりの方かな?」

 昴は青色の布団を選んだ。


「やった!」「ちぇー」

 あかりが喜び、ゆいかは不満気に言う。


「なら次!」

 ゆいかは次と服売り場に向かった。


 ゆいかとあかりがお互い、私服のコーディネートをし、パジャマも選んで聞いてくる。

 服はあかりので、パジャマはゆいかのを選んだ。


「二体一か、まーまーかな?」

 ゆいかはボソッと言う。


「ありがとね、お姉ちゃん」

 あかりは元気付けてくれてありがとうと、ボソッとお礼を言う。


「なんのこと?」

 ゆいかは惚けるのだった。


 布団などをあかりの部屋に運んだ。

「そんじゃーね!」「ちょっと待って!」

 ゆいかがクスクス笑いながら部屋から出て行こうとしあかりに止められた。


「何よ?」

 ゆいかがクスクスしながら聞く。


「ご飯一緒に行こ!」

 あかりはご飯も付き合ってと言う。


「あかり払いならいいよ!」

 仕方ないなーとゆいかが提案する。あかりが頷いた為三人でご飯を食べに行く事になった。


「ねー!二人は付き合ってるの?」

 食堂でゆいかがぶっ込んできた。


「ぶー」「ゴホゴホ!」

 昴とあかりが明らかに動揺する。


「な、なによ、急に!」

 あかりは涙目でゆいかにつっこむ。


「まだですよ」「そーそーまだだよ!」

 昴も答え、あかりも同意する。


「へー!」

 ゆいかはニコニコし返事する。


「あ、」「し、」

 昴とあかりは頬を赤くする。二人とも口を滑らしたと思うのだった。


 その後無言で食事が終わり部屋戻る。ゆいかはニコニコしながらも、そそくさと帰ったか行った。

「昴君、いい加減分かるよね?頑張ってね!」

 ゆいかが帰り際に昴に言い背中を叩いていった。


「……」「……」

 昴とあかり二人とも無言でお互い向き合って座る。


「…あのね!」「あかり、僕から言わせて」

 あかりが口を開くと昴が口を開き少し待ってと言う。

 あかりがコクンと頷く。


「あかり、僕は君のこと好きだよ。誰にも渡したくない」

 昴は顔を真っ赤にしてハッキリと言う。


「私も昴のこと好きです。ずっと好きです」

 あかりも顔を真っ赤にしてハッキリと言う。


「……」「……」

 昴とあかりは無言で見つめ合う。


「ピロピロピロ」

 あかりの携帯が鳴る。二人はビクッとする。


「……なに?」

 あかりは携帯を見てゆいかと分かり、機嫌悪く電話に出る。


「お邪魔だったかな?」「そうと分かってて電話してるよね?」

 ゆいかは少しは悪いと思い聞く。ゆいかは確信犯だろと答える。


「ごめんて!恋のキューピットだったでしょ?許して!」

 ゆいかは一番の功労者だったから多めに見てと言う。


「で、何?」

 あかりは少し許して改めて聞く。


「するなら、ちゃんとしてからにしやあよ!と言おうと思って!」

 ゆいかはちゃんと節度を持ってねと話す。


「お、お姉ちゃん!!」

 ゆいかは顔を真っ赤にして言うのだった。

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