決闘編3

 昴、あかり、あきら、恵美香、ゆいかは場所を変えた。

「お、ね、え、ちゃ、ん!」

 昴の部屋に入るとあかりがゆいかを改めて睨む。


「だ、だってー!」

 ゆいかは剥れる。


「何度目なの!どうせお母さんに電話しようとしてたでしょー!」

 あかりはゆいかを追い詰める。


「……」

 ゆいかは図星をつかれ無言になる。


「お姉ちゃんばっかりズルい!」

 あかりは同じお小遣いなのに増やしてもらってズルいと言う。


「まーまお姉さんはご飯代がなくて連絡するんだよ」

 昴は見かねて間に入る。


「私も同じだもん」「ゆいかちゃんだってば!」

 あかりとゆいかは頬を膨らませ訴える。


「なー、」

 あきらが聞こうとする。

「あー、あきらと恵美香は初めてだよね!これが美濃ゆいかだよ」

 昴がゆいかはこういう人間だよと教える。


「そんな事教えないでー」

 ゆいかは勘弁してと言う。


「自業自得ですよ」

 昴は呆れて話す。


「呆れないでー!私が悪かったって!」

 ゆいかは昴の肩を掴み揺らす。


「職員室行かなくて良かったんですか?」

 あきらはこっちに来てよかったのか聞く。


「うーん、今日は大丈夫かな?!」

 ゆいかは昴を見る。


「まーご飯くらいはいいですよ!」

 昴が食べてって言いと話す。


 昴達は皆んなでご飯を作った。

「今更だけど、俺達もいいのか?」

 あきらは食べてっていいのか聞く。


「せっかくだから食べてって」

 昴はあきらも恵美香も一緒に食べようと声をかける。


「そーそー」「お、ね、え」「何でもありません!」

 ゆいかが食べてきと言い、あかりがジロッと睨むと、ゆいかが姿勢を正し答えた。


 ご飯が食べ終わると

「そう言えばなんで呼ばれてたの?!」

 ゆいかが思い出したと聞いてくる。


「明日決闘するみたいですよ」

 昴は他人事みたく言う。


「誰が?」

 ゆいかが誰?と皆んなを見る。

 あかり、あきら、恵美香が昴を見つめる。


「えっ!昴君が?!」

 ゆいかが意外と話す。


「まー成り行きで」

 昴は仕方なくと答える。


「誰と?」

 誰だろうとゆいかが首を傾げる。


「誰だと思います?」

 昴は苦笑いで聞く。


「うーん。私の知ってる人だよね?」「知ってますね」

 ゆいかが聞き、昴が頷き答える。


「決闘って事は昴君を負かしたいって事でしょ?うーん。可児先輩の弟とか?!」

 ゆいかは考えそう言えばテストの時昴を睨んでいた生徒を言う。


「弟って事は智樹ですか!」

 あきらが驚き聞く。


「うんテストの時昴君を見ていたから、そうかな?と思って!違った?」

 ゆいかは皆んなに聞く。


「その兄の方です!」

 昴は首を振り正解はと話す。


「可児先輩の方!うーん」

 ゆいかは意味深に唸る。


「なに、お姉ちゃん!」

 あかりがゆいかに聞く。


「えーっと、その、あかりからもお母さんにお小遣いお願いして」

 ゆいかはあかりもお小遣いを増やしてもらえるようにお願いしてと頼む。


「……わかったから何!」

 あかりは相談するから早く話してと言う。


「やったー!こんでお小遣い増える!」

 ゆいかは常にお小遣いの交渉をしていてあまり通じない。あかりは滅多に言わないから、月のお小遣いが上がる事がある。


「ね!」「はい。可児先輩は弟に甘いという噂だよ。弟君が昴君を睨んでたからそこら辺かな?あと可児家は魔法師団と繋がりがあると噂もあるわよ!」

 あかりの催促にゆいかが知っている情報を話す。


「えー、って事は、魔法師の家系で父が魔法師団にいるから、昴か可児先輩のどちらが学園最強なんか決めたいって感じか?」

 あきらが熊田先生からの最強を決めたい事を話す。


「それだと智樹君もじゃないかな?」

 恵美香が可児先輩は三年主席だから四位の智樹の方だと話す。


「なるほどな!だから兄弟なんか!」

 昴は智樹は兄に甘えたと、可児先輩は弟に甘く可児先輩が代わりに仕掛けたと思った。


「……」

 あかりは別のことを思ったが黙っていた。


「気をつけてね!」

 ゆいかが真面目な顔で昴に警告する。


「……分かりました」

 昴も真剣に答えるのだった。

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