決闘編1

 昴と恵美香が教室に戻ってきた。

「あれ?あかりは?」

 昴があかりがいないのに気づく。


「あきら君もいませんね!」

 恵美香はあきらはどこ行ったと言う。


「美濃さんは可児くんと出て行ったよ?」

 クラスメイトがあかりが二人で出て行ったと教えてくれる。


「……」「おい!」「昴君?」

 昴が教室から飛び出して行く。教えてくれたクラスメイトと恵美香が声をかけるが止まらなかった。


「うわー」「キャ」

 昴が教室から飛び出すとあかりが目の前に居た。二人は打つかりそうになるが、抱き合い二周回った。


「あ、あかりどこに行っていたの?」

 昴はあかりの顔を覗き込み聞く。


「……えーっと、ちょっと可児さんと話に、ね、」

 あかりは目を逸らし伝える。


「か、可児、智樹か!」

 昴は理解したかのようにあかりの来た方に走ろうとする。


「ま、待って!」

 あかりは昴の腕を掴んだ。


「あかり離して!」

 昴はあかりに手を離すように言う。


「大丈夫だから、待って!」

 心配いらないからとあかりは言う。


「昴!」

 そこにあきらがやって帰ってきた。


「あ、き、ら!」

 昴はあきらに何があったか圧をかける。


「えー、うー、」

 あきらはあからさまに動揺する。


「なー、あきら、何があった?!」「あきら君何もないよね?!」

 昴とあかりがあきらに圧をかけあう。


「ヒッ!」

 あきらは二人からの責めに悲鳴を漏らす。


「はいはい、授業するわよ!」

 熊田先生もやって来て少し遅いけど授業始めると言う。昼休憩は終わっていて、すでに授業が始まっていた。


「…………」

 昴、あかり、あきらは教室に入り、智樹以外のクラスメイトも席に着く。


「可児君は体調悪くなり保健室に行っているわ。それじゃー始めるわよ!」

 熊田先生が智樹がいない理由を話し授業を始める。

 授業は魔法学であった。午前は通常の授業で午後は基本魔法関連の授業である。


 放課後、

「竹中君は残ってね!」

 熊田先生が授業の終わりに昴を呼び止めた。


 放課後になると部活に行く生徒と帰宅の生徒がいる。

「熊先生、呼ばれて来たのですが?」

昴は職員室に入り熊田先生に声をかける。


「あー悪いね!?」

 熊田先生が振り返り昴に声をかける。そこにはあかりとあきらと恵美香も居た。


「君たちも来たのか!」

 熊田先生はどうしようかな?と悩む。


「用件はなんですか?」

 昴は三人ならいいと話を振る。


「あー、実はな!三年の可児いずなから決闘の申請がある!」

 熊田先生は決闘用紙を昴に渡す。


「決闘!?」

 あかり、あきら、恵美香が驚く。


「実はな、可児の担任が、実力に不満があるなら決闘で見極めればいいと言ってしまってな!」

 熊田先生が申し訳なさそうに言う。


 あの後可児先輩の担任が呼び出された。可児の担任は昴の実力をある程度理解していたが、納得いかない様子の可児に決闘を提案した。

 決闘はお互いのプライドをかけて戦うことで勝者の要望が通ったりする。学園の許可があれば出来るが、もちろんリスクもある。


「相手は何を賭けたんですか?」

 昴は決闘を理解していて賭けを聞く。


「あ、えーっと!」

 熊田先生は決闘の賭けを言おうか迷う。


「もしかして、」

 あかりは智樹関連と思い熊田先生にコソッと聞く。


「一つはそう見たいだ。あの兄弟は弟に凄く甘いみたいで、度々報告があった」

 熊田先生は口をこぼす。


「ハー、もう一つは?」

 あかりは一つはそうと聞き、ため息がでる。一つという事はもう一つあると聞く。


「学園最強を決めたい見たいだ」

 熊田先生は懐かしそうに言う。


「熊田先生も昔やったんですね!」

 昴は呆れて首を横に振る。


「だ誰もが憧れるだろ!」

 熊田先生が頬を赤くして言う。


「ハー、その為に決闘がありますもんね!」

 昴はため息して言う。


「学校の伝統と言ってくれ!」

 熊田先生が頭を抱えて言うのだった。

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