トラブル編1
中間テストの結果発表、
「おはよう!」「おはよう」「おはよ」
昴とあかりが玄関に結果が貼り出されるのを待っていると恵美香が声をかけてきた。
「どーだ?出たか?」
あきらが走ってやってきた。
「おはよう。まだ!」
昴があきらにセーフと話す。
「今回こそ三位ダッシュするぞ!」
あきらが意気込む。
「頑張れ!」
昴は励ます。
「ぐぬぬ!」
あきらは毎度、一位に言われたくないと歯軋りする。
「あっ!」
あかりと恵美香が貼り出されたと凝視する。
「一年次、一位七〇〇竹中昴、二位六九五美濃あかり、三位六五二結城恵美香、四位六四〇阿倍野あきら、
玄関に貼り出された。
「チッ!」
昴達の後ろから舌打ちが聞こえる。
「あー!四位かー!」
あきらが肩を落とす。
「……」
あかりは自身の点数に満足できず頬を膨らませる。
七教科で一教科百点の七百点満点で決まる。初等部は個人しか点数知らされず。中等部から合計点のみ公開になっている。
「不満?」
昴はあかりの表情を見て聞く。
「また負けた」
あかりは昴に負けたと不満を漏らす。
「あきらはなんとかなったな!」
昴は一夜漬けのあきらに話す。
「ふー、こんでお小遣い減らされなくて済むわ」
あきらは満足そうに話す。
「あきらも恵美香も今回は頑張ったね!」
昴は二人を褒める。アキラは毎度一夜漬けで、恵美香は平均点取っていた。恵美香はそれ以上だった。
「勉強会のおかげだね!」「だな!」
恵美香が笑顔で言う。
四人は教室に向かう。
「すごいな」「俺にもコツ教えてくれ!」「また満点かよ」
教室に入るとクラスメイトが昴達に声をかけてきた。
「……グスッ」
あかりが涙目になり鼻をすすり、一目散に席に座って机に伏せた。
「……」
教室が静寂する。
「キンコンカンコン」「はーい席に着いて!」
熊田先生が教室に入って来る。
「あかりちゃん……」
恵美香は、まだ机に伏せているあかりを心配する。
「まず初めに今回のテストの平均点は高く四百九十点でした。他の先生からお褒めの言葉がありました」
熊田先生は浮かれ気味に話す。
「今日はテストの返却があります!間違ったところは復習しましょう!」
熊田先生がニコッと笑い話す。あかりが机に伏せていたが触れずにいてくれた。
五教科の返却が終わった。あかりは機嫌は治っていた。
「あかりちゃんすごいね!」
恵美香はあかりの点数を褒める。あかりは全問正解で満点取っていた。
「う、うん。で、でも」
あかりは五教科は満点でも、魔法の二教科で十点低いと喜べずにいた。
「ちょっと待てよ!?」
あきらは疑問を持ち昴達に言う。
「どうした?」
昴が首を傾げ聞く。
「あー。五教科返ってきただろ?全部の点合わせると、魔法の二教科の残りの点数が分かるだろ!あかりちゃんは満点だから、魔法でどっちかが十点足らないか、合わせて足らないかだろ?」
あきらは、今まで魔法の二教科は満点取っていたあかりが落とすとはと話す。
「……」
昴と恵美香はあかりの顔をじっと見る。
「攻撃はタイムが三秒四四でレールガンを使って、防御は強度三十だった」
あかりは成績を思い出す。
「普通なら満点じゃないんか?」
あきらは今までの結果から推測するとと話す。
「昴君は確か…」
恵美香は昴の魔法の成績はと思い出す。
「攻撃はレールガンを使っ三秒ちょい」「防御の硬度は三十五って言ってましたよね?」
昴がタイムを濁して話す。恵美香は昨日の話を思い出し話す。
「う、うん……」
昴は煮え切らない返事をする。
「なんだよ!」
あきらは、なんかあるんな?と聞く。
「……」
昴は外方を向く。
「あっ!」「あー」
あきらとあかりは、タイムか強度の数字が違うんだと気づく。
「えっ!なに、なに!」
恵美香だけ置き去りであきらとあかりの顔を交互に見る。
「えーっとね、」「失礼する!」
あかりが恵美香に話そうとする時、入り口で声がするのだった。
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