中間テスト編7

 攻撃魔法と防御魔法のテストをしていた。

 攻撃魔法のテストが終わり昴とあかりが元の場所に戻った。


「二人はどうだったのかな?」

 あかりがあきらと恵美香の結果を心配する。


「あかりちゃん!」

 恵美香が走って戻ってきた。あかりに抱きつく。


「恵美香ちゃん!どうしたの!」

 あかりは受け止めてから聞く。


「全部上がったの!」

 恵美香が速度、威力、範囲、命中度全て前より良かったと話す。


「良かったね!」

 あかりはすごいと褒める。


「う、うん!」

 恵美香は良かったと喜ぶ。


「お帰り!」

 昴はあきらが帰ってきて声をかける。


「な、昴、お前の考えおかしいわ!」

 あきらが昴に言う。


「僕の?」

 昴は首を傾げる。


「なに?!昴の教え方が悪かったの?!」

 あかりはムスッとしてあきらに近寄る。

 恵美香もあきらをジッと見つめる。


「い、いや、そーじゃなくて!」

 あきらは首をブンブン振る。


「威力と命中度が以前より上がっていた、から異常って言いたいだけ!」

 あきらはあんな短時間で、劇的変わるのはおかしいと話す。

「俺昨日練習した時はここまでじゃなかった!」

 あきらは自主練したと話す。

 寮の地下には練習場がありフィールド空間もある。


「それは緊張感もあるでしょ!」

 あかりは何を今更と言う。


「そうだけどイメージでこうも違うとは!」

 あきらは原因はイメージトレーニングにあると話す。


「俺らは魔法を使うイメージだろ?……しかし昴は工程も考えてるって!」

 あきらはその工程もイメージして魔法を放ったと言う。


「よく聞いていたね」

 昴はあきらに驚く。


「いや、俺と昴の違いがあるのは、そこだと思ってさ!でも速度は少し遅かった!」

 あきらは日頃から考えていたと話、速度は遅くなったと話す。


「工程が入る分遅くなるのは当然だと思うよ」

 昴は自分もそうだと話す。


「魔法はイメージだからかな?」

 あかりが言い、恵美香は頷くのだった。


「次に防御魔法のテストに移ります。三年一組、可児君一番、出雲君二番……」

 攻撃魔法のテストが終わり防御魔法に移った。


「防御魔法のイメージはどんな感じなん?」

 あきらは昴に聞く。


「普通だよ!魔力で壁を作る感じ!」

 昴は一般的なことを話す。


「そこは同じなんだ!」

 あきらはなーんだ!と肩を落とす。


「違うと思うわよ!」

 あかりがあきらに言う。


「なに!」

 あきらはあかりを向く。


「私も最初は驚いたけど、昴の防御は何枚もあるの!」

 あかりは昔見た防壁を話す。


「え!」

 恵美香も驚く。防壁は普通は一枚で魔力量で厚さが決まると言われている。


「どういう理屈だよ!」

 あきらは昴に詰め寄り聞く。


「普通だよ!」

 昴は普通に防壁を張っていると言う。


「昴の普通は普通じゃないことは、よーく分かった!」

 あきらは首を振り答える。


「うーん……」

 昴は防御はどうイメージしてるっけ?と考える。

「ファランクスって知ってる?」

 昴があきら達に聞く。


「ギリシアのか?」

 あきらは確かと授業を思い出す。


「うんそのファランクス!何枚も盾を重ねる感じで防御も重ねてる感じ」

 昴は曖昧だが自身の感覚を表現した。


「玉ねぎみたいな?」

 恵美香は玉ねぎを連想する。


「あ、いいかもね!でも玉ねぎは柔らかいから、硬いとイメージしないといけないね!」

 昴は玉ねぎを思い浮かべ、軽く防壁を展開する。

「やっぱり薄いね!」

 防御が薄いく弱いと言う。


「テスト前に魔力使って大丈夫なんか?」

 あきらが防御を見て頷きながら言う。


「このくらいはね!」

 昴は小さい防壁だから、少ししか魔力使っていないと言う。


「よし!」

 あきらと恵美香は目を瞑りイメージし始めるのだった。あかりは以前昴のを見て練習していたのだった。

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