中間テスト編4

 サイレンがなり、先生達と応援要請に賛同した学生が屋上に集まっている。


「これより迎撃にはいる。残念だがこちらに向かっていると連絡が入ってしまった。各地から応援が来るまで持ち堪えてくれ」

 校長が話す。


「さて、やりますか」

 昴は諦めモードで準備に入る。


「ね、どっちが多く倒せるか勝負しない?負けた方は何でも一つ言うこと聞くで」

 あかりが勝負を提案する。


「……いいよ」

 昴は少し考え了承する。


「一年!遊びじゃないんだぞ!」

 三年の可児先輩が注意してくる。


「……ね、これ百体じゃないよね!」

 あかりが目視で魔物を見て答える。


「そうみたいだね、」

 報道が嘘の情報を流していたと昴は思うのだった。


「お、おい千はおるぞ!お俺は降りる!」

 高校生と見える生徒が後退していく。

「わ、私も!」「おれ…」「僕…」

 後を追うように次々と後退する。


「お、おい待て!」

 先生達が止めに入るが遅かった。


「熊先生、一発大きいのいいですか?」

 昴が熊田先生に魔法を放っていいか確認を取る。


「ちょっと待ってください」

 熊田先生は理解し校長に確認を取りに走った。


「校長先生、少しいいですか?」

 熊田先生が校長に確認をとり戻ってきた。


「最初の一撃許可が出ました」

 熊田先生が開戦の一番を放っていいと言う。熊田先生は昴の実力をある程度理解していて校長を説得した。


「あ、ずるい!」

 あかりが昴に詰め寄る。


「勝負なんでしょ!?」

 昴があかりにニコッとする。


「さて、」

 昴は魔物の方を向き目を瞑る。

 爆発系行こうかな!昴は水素爆破をイメージする。


 手前の魔物ではなく、奥の方の魔物の上空に、水魔法で水素を作り、風魔法で密閉圧縮し濃度を上げる。


「いつでも行けます」

 昴が目を開けて熊田先生に許可を求める。


「一応聞くけど、何をする気かな?」

 熊田先生は普通のレールガンとかじゃないことを理解し、昴に確認を取る。


「僕の全力ですよ!」

 昴はニカっと笑い答える。


「全員防御体制!」

 熊田先生が大声を上げる。


「ハッ!」

 生徒、先生がすぐさま防御体制に入り魔法で防壁を作る。熊田先生の権限が高いみたいだ。


「エクスプロージョン!」

 翔は展開していた魔法に小さな火種の魔法を放つ。接触の瞬間に風の魔法を解除する。


「ドゴーーン!」

 大きな水素爆破が起こり突風が昴達を襲った。


「うーん。もう少しリアルにやりたいなー」

 昴は化学の力では無く、エクスプロージョンって言うだけで爆破を起こしたいと話す。


「……」

 熊田先生並びに他の生徒、先生は口が開いていた。


「く、熊先生、残っている魔物!」

 あかりがそれよりと熊田先生に声をかける。


「そ、そうね。各自、残りの魔物の殲滅!」

 熊田先生が指示を出す。


「お、おう!」「よし!」「はい!」

 各自魔法を放ち魔物の殲滅に入る。


 他の地区からの応援が到着する頃には殲滅が大方終わっていた。

「残りは隊員に任して生徒は後退します!」

 校長先生が応援にやって来た魔法師団の隊に引き継ぐ。


 校長室に昴が呼び出されていた。あかりも同席していた。

「さて、竹中君、あの魔法は何か説明してくれる?」

 熊田先生が怖い顔で聞いて来た。


「あれはですね、…水素爆破を魔法で応用したんです!」

 昴は水魔法、風魔法、火魔法を使って順番に起こした現象と説明する。


「……理論上出来なくはないとされる話だよね?」

 熊田先生は魔法の書に書かれているのを思い出し話す。


「はい。出来ました!」

 昴は自信あり気に答える。


「校長、」

 熊田先生は校長に意見を求める。


「あれのタイムラグは?」

 校長は興味津々に聞いて来た。


「規模にもよりますけど今回のは一分程でした」

 昴は今回の詠唱時間を話す。目を瞑りイメージしながら行ったと話す。


「詠唱はイメージだからな!でも言葉にしていないのか?」

 校長は驚いたと話す。


「…だって恥ずかしいじゃないですか!」

 昴は厨二病みたいで嫌やと言う。

 魔法の才能が無い少年少女が、擬似的空想上で行っていることと昴は知っていた。


「なるほど。君の意見は分かった。くれぐれも人には打っては行けないからな!」

 校長は真剣な顔になり言う。


「もちろんです」

 昴も真剣に答える。


「教室に戻っていいぞ!」

 熊田先生が退出を促し昴とあかりは退出したのだった。

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