中間テスト編2

 ゆいかと小鳥がクラスにやって来て、勉強教えてとゆいかが言うのだった。

 

「いやーだってさ中間テストちょいとやばいんよ!」

 ゆいかはもしかしたら赤点取るかもと言う。


「だから何で昴に言うの!」

 あかりは少しお怒りに言う。


「だって昴くん私たちの学年勉強してるでしょ?!」

 ゆいかは昴に下から目線で拝んでくる。


「言いましたっけ?」

 昴は話したっけ?と聞く。


「昴君からは聞いてないよ!この前女子会で自慢げに聞いただけ」

 ゆいかはあかりの方を見て話す。


「……ちょっとお姉ちゃん!」

 余計なこと言わないでとあかりがゆいかの口を塞ぎにいく。


「まー別にいいですけど範囲はどこなんですか?」

 昴は別に隠していないからいいけどと、試験範囲を聞く。


「やったー!ここからここ!」

 ゆいかは昴に範囲を見せる。


「わ、私はここからここ、です」

 小鳥も申し訳なさそうに見せる。


「……」

 あかりは無言で睨むことしか出来なかった。

 初の小型の魔物討伐の後、寮で女子会が開かれていた。その際、ゆいかは妹のあかりに色々と聞き取りしたのだった。


「ゆいかちゃん、今日は部活は?」

 昴はゆいかに聞く。


「中間だから無いよ!」

 ゆいかは昴に答える。


「そうなんですね!」

 昴はへーと顔をする。昴は色々体験入部はしたものの入部はしなかった。あかりが聞いたら「本読んでた方が楽しい」と昴は答えた。


「どこでやる?私の部屋?」

 ゆいかはどこでやろうか?と聞く。


「ちょっ、お姉ちゃん!」

 あかりはゆいかにつっこんだ。


「うーん僕の部屋にしましょうか?小鳥先輩もですし、あきらもやる?」

 昴はあきらにも声をかける。


「お、おう!」

 あきらもラッキーと顔が笑顔になる。


「わ、私もいいかな?」

 恵美香も昴に聞く。


「うん。なら僕の部屋でやろうか!十六時半からでいい?」

 昴は時間を見て聞く。今は十六時だった。


「うん」「おう」

 全員返事をし教室を後にする。


「ピンポン」

 昴の部屋のチャイムが鳴る。


「はーい。開けますね!」「ピッ」

 昴はゆいかと小鳥が来たのをインターホンのモニターで確認し開閉許可のボタンを押した。


「ウッヒョー!広いねー!」

 ゆいかは広っとびっくりする。

 昴の部屋は一人暮らしとしては広過ぎる部屋に住んでいた。


 寮にもランクがあってファミリークラス、ダブルクラス、シングルクラスがある。ファミリークラスは平屋程の広さ、ダブルクラスは二人暮らし程の広さ、シングルクラスは一人暮らし程の広さになっている。


「ファミリークラスなんで」

 昴はなんでもないかのように答える。


「いいなー!」

 ゆいかは羨ましそうに言う。


「ちょっとお姉ちゃん!」

 あかりは不謹慎だと睨む。


「あっ、ごめんなさい」

 ゆいかも察し謝る。


「別にいいよ気にしてないから!」

 昴は首を振り苦笑いする。昴の両親は学園に働いているがあまり帰って来ない。


 あかりもゆいかもシングルクラスに住んでいる。ダブルクラスがいいと家族が言うが、二人が嫌がったと聞いている。


「さて勉強しようか?」

 昴は始めようと言う。


 リビングのテーブルに各教科書を開いて勉強が始まった。時々分からない問題は昴に聞き皆、いやあきら以外はスムーズに進んだ。


「ふーー!」

 勉強が粗方終わりひと段落する。


「ご飯どうする?」

 あかりが昴に聞く。


 学園の寮では食堂があり、学生証で支払いなどをして食べることができる。他にもスーパーや薬局などが近くにあり全て学生証で支払いできる。

 もちろん学費と共に親に請求が行くためバカみたいに使えない。


「何か頼む?」

 ゆいかが出前とる?と聞く。


「何か作りますよ皆んなは休んでて!」

 昴はそう言いキッチンに向かう。


「えっ!昴君料理できるの?」

 小鳥がゆいかに聞く。


「出来るよ!しかも美味しい!」

 ゆいかは自慢げに答える。


「す、すごい!」

 恵美香は改めて昴がすごいと思った。勉強、魔法、さらには料理、完璧であった。

「あかりちゃん頑張って」

 恵美香は小声で応援するのだった。

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