第30話 ひでさんとは
コンコン
『失礼します。お食事ができましたのでお持ちしました』
利寿と愛華、たまに風花にも教えながら勉強をしていたら昼食ができたようだ
『すげー!』
『すごい美味しそう!』
みんなの前に並べられた料理は派手さはないものの一つ一つが最高の技術によって作られているのがよくわかる
『ではごゆっくり』
『よっしゃ!早速食べようぜ』
『ああ』
『『『『『いただきます。』』』』』
まずはタマゴサンドから手をつける
(これは!)
『すごいです。』
『カフェでこんなクオリティーが出せるなんて凄すぎます。』
『さすがひでさんだぜ!でも、今日の気合いの入り用はすげーな!』
『…………』
全員がひでさんの料理を楽しみ美味しさを口にしている、若干一名無心で食べ続けているのもいるが
『にしてもさ』
『どした?』
『なんでこんなすげー料理を作れる榊家の人と親戚なんだ?もしかして利寿の家は榊家の分家みたいな感じなのか?』
『んー、説明がちょっと面倒なんだよえーっと、確かうちの母はひでさんの義兄なんだよ。まぁ養子ってやつだなんで母が榊家を出て父さんと結婚して今に至るわけだ』
確かにちょっと説明が面倒になる、今の話もだいぶ砕いて話してくれている
『なるほどな』
『榊本家へはいくのですか?』
『正月とかぐらいにしか行かないよ、結構すごい屋敷だぜ?』
『利寿も執事の仕事やってたりしてるのか?』
『たまにな?ひでさんにも勧められたり、本家の婆さんにもやってみないかって言われたから。たまに教えてもらったりしてるぜ?』
『…ふーん』
利寿の人のために行動したりする姿勢はそういうところから来るんだろう
『じゃあ将来は執事ですか?』
『いや、選択の一つってだけでまだよく決まってないんだよもちろん楽しくやってるんだけどな?』
『そうか、ならその選択肢を全部できるように勉強頑張ろうな?』
『ええ〜もっとゆっくりしようぜー?』
『もう食べ終わっただろ?』
談笑しながら食事を続けていればいつのまにか食べ終わっていた
『ぶー、まぁいいか!やるか!』
『そのいきだ。おい。愛華も始めるぞ!』
『わかってるよ!…でも、このアップルパイ食べていい!?』
目をキラキラさせながら涎を垂らしメニュー表を掴んでいる
(さっきから静かだと思ったら……)
『…………一通り終わったらな』
🔸
『よし、これぐらいできてれば大丈夫だろう』
『やったー!』
『しゃー!流石に疲れたぜー』
二人は、俺が二人が勉強している間に作っておいた簡単なテストをやらせてみたが
大丈夫だろうというラインの点数を二人ともしっかりと超えていたので全員が安堵する。
『おめでとうございます。二人とも』
『おめでとう。よかったは、これで明日も心配は要らなそうね』
『だな、仁のおかげだせ!ありがとよ、このお礼はいつか必ず!』
『期待しないで待ってるよ』
『おお!待っとけ!』
こうして俺たちの勉強会も終わりを迎えたので、片付けを済ませて会計に向かう
『ひでさん今日はありがとうございました。とっても捗ったし美味しかったです。』
『『『『ありがとうございました。』』』』
『いえいえ、またいらしてください』
カランカラン
『仁くん』
挨拶を済ませみんなが外に出たタイミングでひでさんに呼び止められた
『はい』
『利寿くんはなにも言いませんがまだ言っていないようですな、戸条
『わかっています。』
『…………余計なお節介のようでしたな、またの起こしをお待ちしています。』
カランカラン
『どした?ひでさんと何かあったか?』
『…いや、これからも利寿とよくしてくださいだってさ』
『へー!よくしてくれるんですか?』
ニヤニヤしながら聞いてくる
(話の逸らしかたミスったかな)
『はいはい』
(本当、情けないな俺は)
🔸
木曜、金曜と順調に試験を終わらせて最終日のホームルーム
『よし!みんなテストお疲れ様。出来がいいものも悪いものもいるだろうがテストが返却されたら、それが今の自分実力だと受け止めて今後の勉強にあてろ』
いつもとは違いかなり真面目な話から入っている
『来年にはそれぞれの進路によるだろうが受験までの時間がなくなる、今から意識しろとは言わないがそのことを頭の隅に置いて行動してくれ。あ、あと赤点があったやつ今回の林間学校の特別補習は鬼灯先生が持つことになった、残念だったな』
『『『『『『ええぇぇぇぇぇぇ!!!!』』』』』』
『そうかそうか!そんなに嬉しいか!鬼灯先生も張り切ってたぞ?じゃぁ終わり解散!』
先生の号令で解放されたように騒ぐやつ、さっきの話を聞いて暗い顔をしてトボトボ帰るものさまざまだった。かくゆう俺も解放されたような気分だった
『よぉ!今日はどうするんだ?』
帰りの支度をしていると顔をキラキラさせながら利寿が近づいてくる
『今日の予定はまだ聞いてない、そっちこそどうなんだ?』
『今日は特になにもないんだとりあえず集まってみるか?』
『そうするか』
スマホでメッセージを送り歩き出す
『それで?どうだった?勉強の甲斐はあったか?』
『おお!今までにない自信があるぜ?今からテストの返却が楽しみだぜ』
『そっか』
🔸
『あっ、仁くん』
『おお、椎奈ちょうどよかった早速合流できたな』
教室を出てすぐに椎奈たちさん人と合流できた、椎奈と愛華はハイタッチしながらよくわからない踊りを小躍りしている、風花は笑いながら何かを話しているようだ
『今日はみんな何か予定あるのか?』
この後の予定のすり合わせをしようと思っての質問なんだが椎奈がソワソワしている、かと思ったら何かを決心したように言い出す
『あの、仁くん、お願いがあるのですが』
『どうした?』
『今日、愛華さんと風花さんで女子会をしようかという話しになったのですが仁くんのお家でやってもいいですか?』
『俺の家で?』
『やっぱり…ダメ…ですよね』
しゅんとしながら縮こまってしまう
(ああ!そんな顔をされたら断れない!……まぁ、別にいいか)
『別に構わないよ。でも三人の家じゃダメなのか?』
女子会なら女子の家でやるべきなのでは
『それは私が説明しよう!』
利寿や風花との会話が終わったのか急にこっちの会話にはいっくる
『これからの女子会は相談事などもあるのでできれば人がいないほうがいいのです!私とシイちゃんの家はお母さんがいるし風ちゃん家も人がいるんだってだから一人暮らしの仁の家を貸して欲しいんだよ!』
確かに相談事をするなら誰もいないところでしたいだろう
『じゃぁ俺もいないほうがいいのか?』
『できればね?無理そうだったらいいよ?』
『いや、ちょうどやりたいこともあったから済ませておくよ荒らさなければ好きに使ってもらっていいよ』
『やったー!ありがとうね、仁!』
『仁くんありがとうございます!』
『ありがとうね、仁くん』
ちょうどやりたいこともあるのは本当のことだし、椎奈の帰りをどうするか迷っていたんだ、今回の話は少し助かった
『じゃあ仁!鍵貸して?』
『なんで?』
『はぁ?鍵がないと仁の家に入れないでしょ?それとも仁は家の鍵かけない人?危ないよ?ちゃんと鍵かけないと』
『いや、そうじゃなくて鍵なら椎奈が持ってるだろ?』
『『『え?』』』
ん?これは
『ええ?!仁の家の鍵シイちゃんが持ってるの!?これは尋問する内容が増えましたな〜』
『うふふふ!楽しみが増えました!さぁ!いきましょう』
『お、お…お手柔らかにお願いします〜〜〜!』
二人にズルズルと引きずられながら帰っている
『俺も聞いてみたいなー』
『うるさいぞ!』
『ははは、まぁーいいや、で?このあとどうする?やっときたいことって言ってたが』
『ああ、ちょっと付き合ってくれるか?』
『おうよ!早速いくぜ!!俺たちは二人で男子会だな!』
『男子会ってなんか語呂悪いな』
『いいんだよ!じゃあデートにしといてやるよ!いくぞ!?』
俺の方を組み楽しそうに歩き出す。嬉しいのは伝わってくるからいいんだがデートはやめて欲しい。あと、なぜか影の方で数人の女子が書き物をしながらキャーキャー言っているがあれはなんなんだろうか?
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