第27話 合流
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『おおーい!大丈夫だったか?!』
『ぢいぢゃーん!!!』
『お二人とも大丈夫でしたか!?』
さっきの出来事から少しして椎奈も落ち着き利寿と合流しようとしたが利寿の姿が見えなかったので東屋の方に行き三人を待っていると汗だくで走ってきている利寿とギャン泣きの愛華、そして焦った様子の風花の姿があった
『どうしたお前ら』
『どうしたじゃないだろ!!二人呼びに行って現場に戻ったらいないし連絡入れてもなんも返信なくてちょーー焦ったんだぞ?!』
スマホを確認したら数十件の通知が来ていた
『すまん、椎奈のことを気にかけてて気づかなかった』
『…まぁ、確かにあんなことがあった後だししゃぁないか、で?どうなった?』
『あっちも誰に何をしたのか理解したのかことを大きくしないと約束させて帰らせた』
『なるほどな、まぁお前なら大惨事はないと思ってたがな』
『そりゃあどうも、……ところで、あれ何?』
『ぢいーぢゃーーーーん!ごべんね!わ、わわわ私がじっがりついて行ってればごんなごとにはー!!』
座っている椎奈の膝に顔を埋めてべそかきながら叫び散らかしている
『あ〜なんでもここに来てから飲み物を買いに行って椎奈さんとわかれたらしいんだわ、んで自分のせいで椎奈さんが変なのに絡まれたって思っているらしい』
『なるほどな』
『愛華さん私なら大丈夫ですから、顔をあげてください』
『でぼ!でぼ〜!!』
『変に絡んできたあの人が悪いのです。愛華さんは悪くありませんよそれに、仁くんに助けてもらいましたからですから顔をあげて?ほら、可愛い顔が台無しですよ?』
『…ぅん、ありがどうシイちゃん』
『ふふ、どういたしまして』
どうやら、ちゃんと解決できたようでよかった
『風花さんもありがとうございます。心配していただいて』
『いいのよ?焦りはしたけど戸条さんなら大丈夫だろうとも思っていましたから』
にっこりと微笑みながら話をしていく
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ようやく全員が落ち着きを取り戻し、昼食が開始される
『しっかしほんとよかったよ、何事もなくてさ』
『ほんとほんと!利寿から話聞いた時はマジでどうしようかと思ったよ〜』
『すみませんご迷惑を…』
『椎奈が謝るようなことじゃない、さっき自分で言ってたじゃないか。悪いのはあいつだ、だから気に病むな』
『そうだぞ?友達なんだから心配するのは当たり前だ!』
『そうそう!』
『ええ、そうですよ!』
『仁くん…みなさん、ありがとうございます。』
俺達の言葉に安心してくれたのか少しだけ腫れてしまった目で優しく微笑んでいる
『椎奈さんこれをどうぞ。そのままでは美人が台無しですわ』
そう言って弁当袋から保冷剤を出して椎奈に渡す風花
『さて、時間もあれだしだべちゃおうぜ!!』
『うん!』
『そんじゃ』
『『『『『いただきます。』』』』』
いろいろあったがようやく椎奈の美味しい昼食にありつけた、やっぱり椎奈の弁当は最高だ
『いいなー仁は』
椎奈の弁当に舌鼓を打っていたら不意に利寿が話しかけてくる
『何がだ?』
『椎奈さんの超絶うまい飯が食べれてさ』
『あぁ、毎日こうして美味しい物が食べられるのはいいんだが椎奈の負担になっていないか心配なんだがな』
ちらっと椎奈の方を見ればむくれてぷくぷくしていた
(何?この可愛い生き物)
『仁くん?私は好きでやっているです!負担ではないですし、今では毎日の楽しみなのです。ですから気にしないでください』
『そうか、ありがとうな椎奈』
『ふふ、いいのですよ』
『あのぉ〜もう時間なくなりますよ?』
風花に言われて現実に戻り少しだけ焦りながら弁当を食べた
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『みなさんは明日のテストどうですか?』
『俺は大丈夫』
『私も大丈夫だと思います。』
『さすが学年ツートップですね。』
残った時間で雑談をしていると風花から質問が来て答えていると明らかに気まずくなったやつが主に二名いた
『おいそこ、目を逸らすな』
『愛華さんもですよ?』
『お二人はまずいのですか?』
(おおぅ、随分とバッサリといくんだな)
『いや〜、赤点はまずないだろうけどせっかく教えてもらったのにいい点取れなかったらと思うとな〜』
『ね〜』
『なんだ、そんなこと気にしてたのか?』
二人の目を逸らす理由に少し呆れてしまう
『怒んないの?』
『そんなことで起こるか、ちゃんと全力でやってたら怒らないさ』
『『仁〜』』
俺の言葉を聞いて目尻に涙を溜めて感動している
『まぁーでもそれで調子乗ってヘタな点取ったらまじ覚悟しとけよ?』
『ひ、ひでぇーよ!さっきの感動を返せ!』
『そうだ!そうだ!』
ものすんごい手のひら返しだ
『じゃぁ次からは教えなくていいんだな?』
『ごめんなさい!!』
『……ふ、ふーん!私にはシイちゃんがついてるもんね!』
『何を言っているのです?私も教えたのに全力でやらない人には二度と教えませんよ?ですからしっかり取り組んでくださいね♪』
『は、はい!』
俺と椎奈からの圧力を受けて二人はブンブン首を振るのだった
『ふふふ、ほんとうに楽しい人たちですわ』
🔸
『じゃぁまた後でなー』
『あいあーいまったねー』
『では後で』
『了解だ』
『仁くん、また後でです。』
『ああ』
昼休みが終わり教室の前で別れ午後の自習の準備を済ませ利寿と話をする
ちなみに自習の時間は席は自由となるため大体はじの方へ行っていることが多い
『あいつどうすると思う?』
俺と利寿の話の議題は今日の椎奈に告白してきたあいつについてだった
『わからない。ただ、ああ言うやつはそのままおとなしくなるかさらに過激になるかのどちらかだろうな』
『軽く言ってるが過激になったりしたらどうするんだ?』
『全く問題ない』
『…その心は』
『これから俺が護衛につくから』
確かに過激になられたら困るが俺が対処すれば全く問題ない
『……いいのか?そんなことしたら学校中で騒ぎになるぞ?最近のことでも騒がれてるのに』
『そんなのは椎奈を守らない理由にはならない』
『おお、かっこいいな。決心がついたか?』
『…どうだろうな、椎奈が大切で大事にしたい守りたいって気持ちは常にある、でもまだ踏ん切りがつかない』
椎奈が過去に何かあり恐れいるように、俺も過去の出来事を引きずっている
(いい加減けりを付けなきゃとは思うんだがな…)
『…そっか、よっしとりあえず椎奈さんは大丈夫そうだし勉強しようぜ!全力でやるからよ!』
『ああ』
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