第21話 再会
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朝から前までよりはるかに騒がしくそして楽しい朝を過ごし教室でいつものように小説の続きを開く、相変わらず利寿は大勢に囲まれて大変そうだけども
バン!!!
『おーい席つけ〜』
ドアが壊れんばかりの強さで先生が入ってくる
(なんであんな機嫌が悪いんだ?)
見た感じ明らかに先生の機嫌が悪いし、顔色が悪い
『せんせー具合悪そうですけどなんかあったんですかー!』
さすが利寿何も気にせず聞きにかかる、いや機嫌が悪いではなく具合が悪いと聞いているから気にはしているのか
『ふっ、聞くか?私の話を…日曜日に大学時代の友達と飲みに行ったんだよ一緒に独身を貫くかも〜なんて笑い合っていたはずなのにそいつ、結婚するんだってさ』
話していくうちにどんどんと顔色が深い闇に染まっていく
『でな?驚いたのも束の間妊娠もしてたんだって、はぁーあたしとあいつ何が違うんだろうな〜』
不便だ……
『はあ〜〜〜、すまんかったな朝から暗くして、今日の一限は私だがテストの範囲がもう終わってるため自習とする』
やっと闇から帰ってきた先生が今日の授業内容を伝えていくが自習は助かる他の生徒も喜んでいるようだがどうか騒がないで欲しい
『ああ、自習をする前に今度の林間学校クラスで行くやつはこのあと決めておけよ、ただしテストで赤点のやつは林間学校中も勉強時間があるから早く決めて勉強しろよー、質問は受け付けてるからそれじゃ始めろ』
林間学校の話が出た瞬間からクラスが色めき立つ
『なぁ利寿俺たちと組もうぜ』
『私と組もうよー』
『あ!私も入れて』
『俺よりも俺も!』
本当に利寿は大人気だだが利寿は俺たちと組むと言ってたがどうやって断るのだろう
『わりぃもう決まってるんだなぁー仁!』
名前を呼ばれた俺の方に一斉に視線が集まってしまう
(俺を巻き込むんじゃね〜〜!)
『な、なんであいつと?!』
『えぇ〜あんなのより俺と組もうぜ?』
『てか、あんなんより俺らの方が楽しいって〜』
(関わりがないとわいえ本当失礼な奴らだ、まぁこれからも付き合う気にはならんからいいが)
『おい!誰だ?今仁の悪口言ったやつ』
気にせず我関せずを通してしいたのに利寿が起こり出してしまった
『い、いやぁー』
『誰だ?俺の友達バカにしたやつそんな奴とは二度と付き合わん!』
カツカツと俺の方えやってくるがさっきまで怒っていた顔は爽やかな笑顔になっていた
『よ!もう俺ら決まってるから勉強教えてくれ』
『それはいいが……大丈夫なのか?』
周りはまだ呆気にとられているのかシーンとしているため小声で話し始めるそれに合わせて利寿も屈んで小声で話し始める
『いいんだよ元から今言った奴人の悪口ばっかりで好きじゃなかったんだ』
『意外だなお前に嫌いな人間がいるなんて』
『お前は俺をなんだと思ってるんだよ俺にも人の好き嫌いはあるさ』
好き嫌いの理由がさすが利寿だった、しかし俺のために利寿に迷惑がかかってしまえのはよろしくないのでは
『お前がいいならいいが…俺は構わないんだぞ?どうせあいつらとはほとんど関わらないんだ、別にどう言われても』
『仁よぉ〜お前のことをバカにされて怒る奴もいるってこといい加減気づけそろそろ俺も怒っちゃうぞ?』
『っ!』
『俺だけじゃない愛華だって、京子先生だってもちろんのこと椎奈さんだって怒るんだそれをしっかりと自覚しろよ?じゃないと特に椎奈さんから説教されてしまうぞ?』
『……それは困るな、椎奈怒ると俺は勝てないからな』
利寿に言われて胸が熱くなる、本当に利寿とはいい出会いができた
『あっはは!もう尻に敷かれてるのか!さっすが椎奈さんだなもう仁を手懐けてるのか』
『…お前な〜』
俺の感動を返して欲しい
『おい!今椎奈さんの名前が出たがまさかお前の班に入るなんて言わないよな!』
俺と利寿の会話に急にでかい声で割り込んでくる
『誰だ?お前』
『なっ!!この間話しただろうが!』
『……仁、滝路だ、た・き・じこの間絡まれたんだろ?』
思い出したほとんど気にもしない奴だったし最近忙しかったのもあって記憶から飛んでいた
『ああ、お前がで?なんだ』
『さっき言っただろう、椎奈さんがお前の班に入るのかと聞いてるんだ!』
『ああ〜それはー』
『ああ、そうだがそれがどうした?』
面倒になって本当のことを言ってしまったがいいだろう
『いいのか?言っちゃって』
『いいだろう、どうせ当日にバレるんだ後でバレるか今バレるかだ、一応後で椎奈には謝っておくよ』
『そうか』
『俺を無視して話すんじゃない!』
(すっかり忘れてた)
『ふん!まぁいい、利寿くんがいるのならもう一人は愛華くんだろうなら五人班の最後に僕が入ってあげよう、感謝したまえ』
ドヤ顔でよくわからないことお言い始める
『悪いが最後の一人は椎奈が連れてくるからもう決まってる、残念だったな』
『そういうわけだ』
『なんだと!クッソ、後悔するなよ!椎奈さんには僕がふさわしんだ!』
くだらない啖呵を切って自分の席に帰っていく
『なんだったんだ?』
『さぁ?』
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キーンコーンカーンコーン
『っしゃ昼だ!行こうぜ仁!』
『ああ、今行くからちょっと待ってくれ……椎奈たちはもう一人を迎えに行くらしいから先に行っててくれだって』
椎奈から連絡があった
『そっかじゃぁい行くか!飲みもん買ってっていいか?』
『いいぞ』
『にしても本当に仁はハイスペックだよな〜』
いきなりよくわからないことを言われてしまう
『…奢らんぞ』
『違う違う』
『なら何だ?』
『いやな?さっき勉強教えてもらった時に思ったんだが仁って人付き合いは苦手だが』
『悪かったな』
褒めていたと思ったら急にパンチが飛んできた
『そうじゃなくて、勉強もできて教えるのも上手いし運動も苦手なものはあるが動けるし合気やってるから体も引き締まってる』
『何が言いたい?』
『つまりお前は磨けば輝くはずなんだよ、服はこの間いいの着てたから大丈夫そうだがその髪そろそろ切れよ』
俺の頭を指さして指摘してくる、俺の頭は前髪が目にかかるくらい長く少しだけ癖っ毛の入った真っ黒の髪
『もう少し髪型を変えればもっと印象変わるぞ?』
『考えておくよ』
『考えるだけじゃダメなんだぞ?』
『はいはい、でもあんま興味ないんだよいいところも知らないし』
俺の髪は自分で切るか千円で切ってくれるところで軽く空くぐらいしかしないから本当最近のトレンドなんかは全くわからない
『なら今度おすすめ連れてくからさ!行こうぜ!』
『今度な…』
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利寿の飲み物を買いいつもの東屋にやってくる
『しっかしここ本当落ち着くよなー』
『わかる』
椎奈たちを待っている間利寿とテストだったりの話をして時間を潰していた
ブブブブブ
(師匠?)
珍しいことに急に師匠から電話がかかってくる
[はい、珍しいですね師匠がこんな時間に電話なんて]
[いやぁーすまん今大丈夫か?]
[ちょうど昼なので大丈夫ですよ、それで何のようです?]
なんだが本当に珍しく焦っている様子だ
[お前今日道場来れるか?]
[大丈夫ですよけど、なんでですか?]
師匠からこんなふうに呼び出されるのは初めてだ
[実はな?今日の夜に他流試合をすることになっていたんだが一人怪我して来れなくなってな〜お前に代わって欲しいんだよ]
[合気道って試合しないんじゃ?今までもしたことないですけど?]
[知り合いから打診があってな個人的な付き合いがある奴なんだがまぁいいかと思ってな、で?どうだ]
[いいですけど…それって年齢層ってどうなってるんですか?]
[相手側はほぼ三十代くらいか?]
なんでもないように答えてくる
[ふざけてんですか?俺高校生ですよ?]
[何言ってんだ、ウチでその大人を投げまくってる秀才がよ]
[……分かりましたよ、何時に行けばいいですか?]
[助かるよ!六時半までにきてくれればかまわん頼んだぞー]
言いたいことを言って満足したのかブッチしてくる
『誰だった?』
『師匠』
『なんだって?』
『今日他のとことの試合があるらしんだが一人足りなくなったから代わりに出てくれってさ』
『ふぅーん、大丈夫なのか?勉強』
揶揄っているのかニヤニヤしながら話してくる
『…安心しろよ明日ノー勉でもお前には勝てるから』
『はっはっは、ひっでー』
『おっまたセー!楽しそうですな!二人とも』
椎奈たちがやってきたようで愛華が早速うるさい
『お待たせしました仁くん』
『いや、大丈夫だよそちらが知り合いか?』
椎奈の隣には一人の女の子がいた椎奈に負けず劣らず綺麗な子だ、肩あたりまで伸びた薄い金色のような髪色で目は切れ長鼻は高い、もしかしたらハーフなのかもしれない
『あ、はいこちら…』
『戸条 仁さん?』
椎奈が紹介しようと横を向いたらその女の子が何故か俺の名前を呼ぶ、なんで知っているのだろう
『おお!鬼城 風花さんじゃんまさか鬼城さんがくるとはな』
『ねぇー私も迎えに行った時びっくりしたよー』
『鬼城 風花? ………鬼城 風花!?』
『思い出していただけましたか?お久しぶりですね戸条さん』
会うと思わなかった人に会って固まる俺と、俺と鬼城さんを交互に見渡す椎奈これから起こることに楽しそうにしている利寿と愛華、そしてにっこりと微笑んでいる鬼城さん場面は混沌に包まれていた
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