第10話 みんなでお昼
🔸
『で?
なんで如月さんと一緒なんだい?この色男!』
『そうだそうだ説明しろ色男〜』
学校の時間まで少し余裕があったため説明をもめられ人通りの少ない静かな公園に来て話をすることになったが、早速茶化されていた
『利寿は知ってるだろ、俺の昼飯を知った椎奈が俺に弁当を作ってくれることになってそれを受け取るついでに一緒に登校することになったんだ』
『やっぱりな〜さすがわ俺』
自画自賛を始める利寿、その横ではプルプルと震えている愛華の姿が
『な・ん・で・!私には教えてくれないのかな〜私だけ仲間はずれ?ひどいよ二人とも!私おこだよ!ぷんぷん!!』
プリプリと起こり出す、利寿はニコニコと自分の彼女を見ているこの様子ならご機嫌取りはしなくてよさそうだ
『一緒に登校することになったのは今日だからな』
『でも如月さんとそんなに仲良くなるなんてずるい!私も仲良くしたい!』
『それは椎奈に聞け、どうだ?椎奈……椎奈?』
ふと椎名の方を向くとピシッと固まっていて話を聞いているのかわからない状態だった
『椎奈大丈夫か?』
『だ、大丈夫れす!』
大丈夫ではなさそうだ
『はいはーい!自己紹介!私はこっちの戸条仁の親友の風間利寿の彼女の柊愛華です!よろしくね♪』
『は、はいお願い…します』
『ご紹介にあがった戸条仁の,,大,,親友の風間利寿で。仁がお世話話になってます』
『おいお前は俺の母か』
『はい、お世話してます?』
『椎奈まで』
(まぁ話しやすくなってよかったな)
🔸
『なるほどね〜確かに仁の昼食は酷かったからな〜』
『なっ!俺が何度も注意したんだが一向に変わらなかったのに椎奈さんのゆうことは聞くんだな?仁ちゃん』
『……』
二人揃って俺の今までの昼飯について言及されてしまいぐぅのねもでない
『大丈夫です。これからは私がお作りしますから』
『ああ、ありがとう椎奈』
〔聞きました?奥さん毎日ですって〕
〔まぁそれってまるで‥みたいですね〜〕
『こそこそしゃべてどうした?お前ら』
『なんでもないよん♪』
『そうそう』
『いや絶対に今変なこと喋ってたろ』
こいつらのこそこそ話は悪口ではないのはわかっているが余計なことを言っていそうで気がきではないのだ
『そんなことより、椎奈さん今日のお昼私たちも一緒してもいい?』
『えっと、あの』
『ああ、別に絶対ってわけじゃないから嫌ならやってはっきり言ってね』
椎奈は困ってはいるようだが嬉しそうに、しかしおれの方をチラチラと見てくる
『いいですか?仁くん』
『椎奈がいいのならいいよ』
『はい!ご一緒しましょう』
『わーい!やった!今日はがんばれそうだよ〜』
『いつも頑張れよ』
『何〜?聴こえなーい』
『はぁー』
🔸
昼休み、今日は俺と利寿で二人を迎えにいくことになったので椎奈たちの教室に来ていた、てか引っ張られてきたという方が正確だが
ガラガラ
『おーい愛華迎えにきたぞー!』
『はーい行こ?シイちゃん』
『はい』
二人同じ席で話していたようで見つけるのは簡単だった、周りが気を遣っているのか近づけないびびりなのか二人の周りはずいぶんすいていた
『じゃあレッツラゴー!』
『行きましょ?仁くん』
『ああ』
🔸
『わぁ〜すごいねここ、この学校にこんなところがあったなんて〜』
『だな!きもちいいな〜』
二人も気に入ったようで椎奈もほっとしているようだ
『じゃあ食べよう!』
愛華の一言でみんな一斉に弁当の蓋を開ける
『すごい』
椎奈が作ってくれた弁当は二重になっていて下はご飯、上はおかずが入っていて中身はタコさんウィンナーにポテトサラダ、ひじきの煮物、プチトマトにハンバーグ、そしてリエストしていた卵焼きが入っている豪華な内容だった
『こんなにたくさんの種類大変じゃなかったか?』
これだけの種類のおかずを見ると流石の料理下手でも大変さが少しはわかる
『いえ昨日の残り物や簡単なものばかりですから大丈夫ですよ』
『…ありがとう、早速いただくよ』
『はい!召し上がれ』
早速リクエストした卵焼きからいただく、俺好みの出汁と甘味が絶妙の加減で調和している、簡単に言えば俺の舌にドンピシャな味だった
『美味しい‥』
自然と口から言葉が出てしまった
『よかったです…誰かに手料理を食べてもらうのは家族以外ではほとんどないので緊張しました』
『本当に美味しいよ、ありがとう』
『こちらこそです。どんどん食べてくださいね♪』
俺の食べる姿をニコニコ嬉しそうに眺めながら自分の弁当も食べていく
『仁いいなぁ〜シイちゃん私にも一口ちょうだい私のもあげるからー』
『いいですよ半分こしましょう』
『やったあー!』
『仁ちゃん俺にもちと口』
『悪いがヤダ』
『えぇ〜ひでーよぉー』
さすがにコンビニ弁当と椎名のご飯では釣り合いが取れていない
『仁くん、また作りますから』
『………作った本人が言うならただし卵焼き以外な』
『オーケーオーケーじゃあハンバーグくれ』
『さっすがシイちゃんのご飯すでに仁の胃袋を掴んでるね!』
『そのシイちゃんってなんだ?』
教室に迎えに行った時から気になっていたのだ
『休み時間にシイちゃんと話してて如月さんとか椎奈さんってちょっとよそよそしいからでも呼び捨てにするって感じじゃないからだからシイちゃん』
『椎奈はいいのか?』
『ええ、大丈夫ですよ』
本当に大丈夫のようで嬉しそうだ
『そっか』
『しっかし学校のイベントの前にシイちゃんと仲良くなるなんてビッグイベントがあるなんてね〜』
『学校のイベント?』
『仁〜あれだよあれ』
本当にわからない近々何かあるのだろうか
『仁くん、テストですよ』
『ああもう直ぐだったな、なんだ愛華そんなにテストが楽しみだったのか』
『ギャァー思い出させないでよ忘れてたのにー』
急に騒ぎ出し頭を抱える
『愛華さんは勉強苦手なんですか?』
『いやぁーまぁーそれなりに?』
『こいつはほぼ赤点組だぞ』
『そそそそ、そんなことないよーねー利寿』
『愛華、諦めって肝心だよな!』
『利寿ひど〜いーそう言う利寿だって赤点ギリギリじゃんか〜』
『俺は赤点を取ったことないし〜』
赤点をとっていなくともギリギリなのに胸を張っている利寿、全然威張れることではないのだが
『如月さんはどんな感じ?』
『シイちゃんはとっても頭がいいんだよね』
『とってもかは分かりませんが努力はしていますよ』
『前回の順位は何位だったの?』
『前回は二位でした』
『すごい!』
愛華は本当にすごいものを見ているようなキラキラしたような目を向けているのだが当の本人は微妙そうな顔をしている
『どったの?』
『…実はどんなに頑張って満点近い点数を取ってもいまだに一位になれていないんです』
『へぇーシイちゃんでも一位取れないなんてどんな人が一位なんだろうね?』
うちの学校は点数表と順位の紙が配られるだけでこれといった順位発表などはない、それよりこの話題は良くない
『一位ならそこにいるじゃん』
そういって利寿が俺を指差す
『え!?仁一位だったの?うっそだー』
『そうなのですか?仁くん』
『落ち着け落ち着いてくれ二人とも、近い近い近い』
『ご、ごめんなさい。あぅぅ、またやってしまいました』
『い、いや、気にしないでくれ』
『ありがとうございます。で、本当に一位なのですか?』
(まあ利寿がいってしまったし、隠すことでもないか)
『ああ前回は一位だったよ』
『前回だけじゃないだろ?二人ともこいつこの学校のテストで体育と家庭科以外一位しか取っただことないんだぜ?』
『仁くんそんなにすごかったとですね!』
『仁の裏切り者〜私や利寿と一緒で赤点ギリギリ組だと思ってたのにー』
『不名誉なメンバーに組み込むんじゃない』
『そうだ!二人とも私たちに勉強を教えてください!』
どうしたものか、教えるのはやぶさかではないのだが椎奈はどうなのだろうか
『私は構いませんよ?むしろ仁くんの勉強方法を教えて欲しいです』
椎奈がいいのであればいいのだろう
『わかった、じゃあいつにする?』
『今週の土日』
『俺はいける』
『俺も』
『私も大丈夫です』
『よっしゃ、じゃあ週末仁の家に集合ね!』
『おい!俺の家かよ』
『文句ある?』
『はぁ、まぁいいさ』
今回のテスト勉強は忙しくなりそうだ
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