第9話 暇なの、うるさいの
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ガラガラガラ
『失礼します2年1組の戸条 仁です。京子先生に呼ばれてきました』
『おうきたな!入ってこい』
教務室なのに相変わらず元気なことだそれに書類を山積みにしているのに思いっきり手を振っている今にも崩れそうだ
『先生ちゃんと書類整理してください』
『大丈夫だこれはすぐ片付く』
そうなんだろうか、とても終わるとは思えない、明らかに今日中に終わらない量だ
『おう!今手伝いが来たからな!』
『それってまさか俺のことですか?他生徒の個人情報を勝手に扱っていいんですか?』
『おう!騒ぎを起こした罰だ、書類もただのアンケートで名前の記載のないものだから‥多分‥大丈夫だ!』
(途中に保険的な言葉が入った気がするのだが、何かあったら先生のせいにしよう)
『まず、アンケート整理の前に話だまさかお前が如月とあんなに仲良くなるとはな〜、もう付き合ってるのか?』
やっぱりそこに行き着くようだ、でも流石に生徒のことだしそのことには先生とはいえ言いたくないしこの先生のニヤついた顔がなんだか無性にイライラする
『わかったわかったもう聞かんからそんな顔するな。お前は本当にキレると怖いなぁ〜聞かんから手伝い頼む』
どうやら顔に出てしまっていたらしいこおいうところが心を読まれる所以なんだろうしかし聞かないからとは手伝う理由になるのだろうか
『頼む頼むお前が手伝ってくれればすぐに終わるんだ書類関係の仕事得意だろ?』
『わかりましたわかりましたから生徒に頭下げないでください』
『ありがと〜よしやるぞー!』
『はぁー』
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パチパチパチパチパチパチカチ
『ふぅ〜俺の分は終わりましたよ』
『…!? もうか!さすがだな!よし帰る前に少し話そう』
さっき聞かないと言っていたくせに何を話すのだろうか
『だからそんな顔するなって詳しいことは聞かないから……如月に関わっていくんだから周りから色々言われているだろ?大丈夫か?』
話は椎奈に関わって起こる事態についてのようだった本当にこの先生は普段からちゃんとしてくれればいい先生なのに…
『ええ、まだ特にこれといった問題はありません関わりがあるのが知れたのは今日からですから、これからはどうかわかりませんが誰かに何かしてくるようでしたら容赦しませんので』
『………そうか、ならいいだがちゃんと報告しろよ今日はこれで終わりだ、手伝いサンキューなまた手伝い頼むな!』
『いやですよ』
『助かるよ!』
『はぁ〜さようなら』
『おうじゃあな』
『失礼しました』
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『おい、ちょっと付き合えよ』
教務室を出て玄関に向かっていたら滝路が待ち伏せをしていたのか影から出てきて話しかけてきた無視しようかとも思ったが無視し続けるとなお面倒になりそうな気がしたので相手することにした
『なんだよずっと待ってたのか?暇人のようだなお前』
『失礼だな君、僕は君に忠告をしにきたのに』
『忠告?』
『ああ、どうやら君勘違いをしているようだからね如月さんが君に関わるのは一人ボッチでいる君が可哀想で気の迷いがあるからさ、全く如月さんも見る目がないなこんなやつに関わるなんて、まぁそこはいいや、ともかく変な勘違いをして僕と彼女の恋路の邪魔をしないか心配だしそんなことになれば君がさらに孤立してしまうという忠告をしようとね』
長ったらしいくだらないことを淡々と告げる嫌味なやつ、これがこいつの印象だった
『ほんっとにくだらないなお前』
『なに?』
俺の一言で一気に不機嫌といった顔に塗り替える
『まず俺は別に勘違いをしていない椎奈が友人といっているから友人として接しているんだ、それにお前は椎名と正式に付き合っているのか?違うならお前が勘違いをしている痛いやつだぞ?そして別に俺は孤立しようと構わない逆に精々する』
『なっ!』
『それと…どんなものであろうと俺の友人を馬鹿にすることは許さん、じゃあなもう関わるな』
言いたいことを言いその場を立ち去る
『後悔するぞ!僕はTAKIJIの時期会長なんだ、お前如き…………』
後ろの方でなにやら叫んでいるようだがイヤホンをはめてしまい全く聞こえなかったし興味もなかったのですそのまま帰宅することにした
(今日は本当に色々あったな)
玄関を出て校門に差し掛かったところに和彦が待っていた
『どうした?何か俺に用事あったか?』
『いや!たまには一緒に帰ろうかと思ってな』
『いとしの彼女はいいのか?』
『今日愛華は塾だってよそれに玄関前に滝路がいただろ?絡まれなかったかと思ってな』
俺と帰りたいのは建前で滝路に俺が危害を加えられていないか心配してのことだったようだ、本当にこいつはいいやつだ
『ああ、なんか意味不明なこと言われたから言いたいことだけ言ってあとは無視して出てきたんだ』
『そっか、でも気をつけろよあいつは粘着質ってことでも有名だからな』
『ああ、わかったよじゃあまた明日な』
『おうじゃあな!』
利寿からの助言を頭の片隅に置き帰路についた
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チュンチュンチュチュチュン
『うぅんまだ…こんな時間か』
朝いつもより早く起きてしまいまだ五時半を少し過ぎたぐらいだった
(色んな人に言われてるから自炊するか)
そを思い至り顔を洗い台所に向い冷蔵庫を漁る、中には卵とベーコンぐらいしかない他は冷凍食品、戸棚を見ればインスタントの味噌汁があったあとパンが一食分
(目玉焼きでも作るか)
フライパンを引っ張り出して焼いていく、久しぶりにコンロに触ったから使い方が一瞬わからなかった
(結構久しぶりに料理をしたが結構いい感じだ‥と、思いたい)
ピロン
『ん?こんな朝早くから誰だ?椎奈?』
[朝早くからすいません]
[お弁当のことなんですが何か食べられないものやこれはいやというものはありますか?]
どうやら俺のアレルギーなどを気にしているらしい
[大丈夫だ、特にアレルギーもないし好き嫌いもない]
[わかりましたではそのように。]
[あと今日はお弁当も渡したいので一緒に登校しましょう]
この申し出は少し悩む、断れば椎奈が傷つくしかと言って一緒に行けば周りがまたさらにうるさくなる
(まぁ変に絡んでくるやつの声なんて無視すればいいか)
[わかったよじゃ通りにあるコンビニでいいか?]
[はい!七時十五分ごろに着くようにします]
[了解だじゃあその時間に]
会話を終了させてこれからの予定を考えいたら料理中なのを思い出した
『うっわやっちまった〜』
目玉焼きとベーコンは半分ぐらい焦げてしまっていた
🔸
『お待たせしました』
『いや待ってないさ』
どこかで聞いたようなデートの始まりのような会話を椎名としてそのことに気づいてしまい顔が熱くなってしまう、椎奈を見れば彼女も気づいたようで真っ赤な顔になっていた
『……いくか』
『は、はい、あ!その前にこれ今日のお弁当です。』
『ああありがとう本当に嬉しいよ今日の楽しみが増えた』
『それならよかったです。じゃぁ今度こそ行きましょう』
『ああそうだな』
二人して学校に向かい歩き出す。そこで後ろから知った気配がどんどん近づいてくる
『おっは、うぅおお!』
『和寿今日は気づいたぞ?』
『ああそうだな、それでなんで如月さんと一緒に?』
『ちょっとな』
『まぁ大方弁当を受け取るためだろ?』
本当にこいつはすごいななんでそんなことまでわかるのだろう
『おっはーよぉぉぉ!』
(またうるさいのが増えた)
『これはどおいうことだちゃんと説明したまえ!』
(はぁーどうしよう)
後ろで俺たちの顔を行ったり来たりしている椎奈を見て現実逃避してしまったのだった
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