第8話 お弁当


🔸キーンコーンカーンコーン


『よっしゃちょうどよく終わったな今日のところ重要だから復習しっかりしないと大変だからな〜』


話しながら教室を出ていく京子先生相変わらず性格はあんなのだが授業はとってもわかりやすい、彼女と他の先生で担当教科のクラス平均がかなり変わる


『いやぁ〜やっぱり京子ちゃんの授業は楽しいしわかりやすいな!』


『まぁ確かにな、普段ももっとしっかりしてればもっといいんだけどな』


『そうか?俺は楽しいぜ』


二人して京子先生の話をしていると利寿がニヤニヤし始める


(嫌な顔だ)


『ところで色男そろそろ時間なのでは?』


確かにチャイムがなり少したったが


『それが、どこで食べるのか聞いてなくてな約束しちゃったし迎えに行こうかなと』


『なるほど王子様が迎えに来てくれるってわけだ』


『そんなんじゃない、そもそも王子様って柄じゃない村人Cって感じだろ』


そんなくだらない会話をしていたら入り口あたりが騒がしくなった


(嫌な予感)


『仁くん迎えに来ましたよ、行きましょう!』


案の定椎奈が俺を迎えに来たようだった朝のことを知らない奴はいないので好奇、嫉妬、あとちょっとの憎悪が入り混じった目で俺を見てくる


『ああ今行くよ、じゃぁ後でな』


『おう!あ!ちょっとまて!!』


見送ってくれると思ったら急に俺の腕を引く


『なんだ』


『お前今日の献立は』


『はぁ?いつも見てるだろこれだけど』


『そうか…とりあえず怒られてこい!』


意味のわからないことを言われた俺ははてな顔で教室を出る


『どこかに移動するのか?』


『はい!実はこの間いいところを見つけて以来そこで昼食をとっているんです。』


『そうか楽しみだ』


『はい楽しみにしててください!』


🔸

『ここです!』


校舎の裏手に周り少し茂みを抜けるとそこには東屋がありその周りは花が所狭しと咲いていた


『すごいな…どうやって見つけたんだ?』


『校舎内にいると人が寄ってきてしまいあまり居心地が良くなくて静かな場所を探していたら偶然見つけたんです。』


『そうか確かに静かで気持ちいい場所だな』


『そうなんです。さぁ、さっそく食べましょう!』


🔸

椅子に座り弁当を広げる、隣からとてつもない圧力を感じて見ると椎奈がハイライトが消えた暗い目で俺を見ている


『仁くんなんです?それ』


それとは俺の弁当を指しているようだ


『何って手軽にカロリーが取れるものと、10秒でエネルギーが取れるゼリー飲料にプロテインだが?』


『それは食事とは言いません!!それは補助商品なのですよ?…………まさか毎日お昼はそれなんて言いませんよね?』


『さすがに毎日ではない、ちゃんと味のバリエーションも考えている』

何を言っているんだ毎日同じ味だと飽きるだろう


『…………です。』


『椎奈どうした?』


 俯いたままぶつぶつと何かを喋っているそして急に顔を上げ俺をまっすぐ見る


『そんな食事では体を壊してしまいます!そんなのダメです。明日から私がお弁当をお作りします!』


椎奈から弁当を作ってもらうなんて絶対に男子たちのやっかみを受けてしまう、あまり人と関わりたくない俺としては注目されるのはあまりよろしくない


『あのだな椎奈さすがにそれはだな』


『何か言いました?』


『…椎奈さん目が笑ってないです』


『何か言いました?』


『……なんでもないです』


『よろしいです。明日は何が食べたいですか?好きな食べ物は?』


(食べたいのを言わずに任せるなんて言ったら困りそうだ)


『俺は卵焼きが好きだな、っとその前に食費だけは絶対に受け取ってもらう』


『いえ私が勝手にすることですから受け取れませ『椎奈』』


多少強引にでも会話を遮り名前を呼ぶ、椎名のことだから全て払うと言ったらさす

がに反対するだろうさすがに椎奈には勝てない


『これは俺の気持ちの問題でもあるが作ってくれるのならお金の問題はしっかりしないといけない、よく言うだろ?金の切れ目は縁の切れ目だってだからしっかりと受け取ってほしい』


『‥わかりましたでは一週間の最後の日、金曜日に一気に受け取るのはどうでしょうか』


『ああ、ちゃんと受け取ってくれるのならそれでいいよ』


『わかりました!明日楽しみにしていてくださいね!料理は結構好きで得意なんです♪』


『ああ楽しみにしておくよ』


🔸

昼食を食べ終わり〔と言っても俺はすぐに食べ終わったが〕あの日帰った後のことを話しているのだが椎奈がなんだかソワソワしている


『あの!仁くん!』


『どうした?』


『あの…ですねこれから昼食だったりで会うことが多くなると思うのですがもし予定などが入った時不便ですのでその、あの、れ!連絡先を教えてください…』


最後の方は何を言っているのか小さすぎて聞こえなかったのだが内容的に連絡先を聞いているのだろう


『連絡先か?構わないよしかしいいのか?』


『大丈夫です。仁くんなら変なことしないでしょ?』


『当たり前だ、じゃあこれ』


お互いにスマホを出し連絡先を交換する。椎奈は俺の連絡画面を見てとても嬉しそうにしている


『そんなに嬉しいのか?』


『はい!私お友達の連絡先を交換するの初めてなんです!』


『そうか…ん?俺が最初』


『はい、仁くんが最初です』


『それは本当に俺でいいのか?』


『はい!仁くんがいいんです』


『そうか』


椎奈であればいろんな人から連絡先を聞かれるだろうになぜ俺が最初?という疑問があったが聞かないでおこう


『そろそろ戻ろうか時間だ』


『もうですか、お友達といるのは時間が早く感じてしまいます。』


名残惜しそうに東屋を離れる


『明日も一緒に食べてくれるんだろ?』


『はい!もちろんです!ふふ、お弁当期待していてくださいね?』


『ああ、楽しみにしているよ』


『はい!』


『じゃぁここで』


『ああ、またな』


ガラガラ


椎名と別れ教室の中に入ると視線が集中したと思ったら男子たちが全員一気に詰め寄ってくる


『おいなんだよあれは?!?!!』


『なんでお前が如月さんと仲良くしてんだよ!!!』


『おかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしい』


『どうやって如月さんと仲良くなったんだ!!教えてください!!』


(くだらねぇ〜)


『知らん』


詰め寄ってくる男どもを全てをガン無視して責任座る、痺れを切らしたのか一人の男子が肩を掴んでくる


『おい!無視するんじゃ』


ガラガラ


『何やってるとっくに時間だぞ!早く座れ!』


ちょぅどいいタイミングで先生が来てくれた、集まっていた男子が散っていく


『チッ…調子に乗るなよどうせお情けで相手してもらってるだけだろ』


最後に知らない男子に悪態をつかれやっと静かになった


🔸

『どうする今日は、道場ないんだろ?どっかいくか?』


『いや京子先生に呼ばれているからなそっちに行ってくる』


『あ〜、そうだったな待ってようか?』


『いやいいよどのくらいかかるかわからないし』


『そっか』


『そうだあの時最後に話しかけてきた奴わかるか?』


最近よく見る呆れたようなマジかという顔


『まぁ如月さんのことも知らないようだったしな、あいつは滝路学たきじ がくTAKIJIグループの御曹司で如月さんを狙ってるって噂の男だよだから絡んできたんだろ、てか同じクラスのやつぐらい覚えろよ』


『興味ない』


『はぁーまぁいいさじゃ俺は帰るぞ今度は付き合えよ!』


『ああわかってるよ』


(めんんどそうなやつに絡まれたな何事もないといいな) 

フラグのようなことを考え教室を出て教務室に向かうのだった。




更新遅れてすいませんでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る