第4話 Side LU - 531 - 4 - においかがないで! -
Side LU - 531 - 4 - においかがないで! -
「そういえばお嬢様、お昼からのご予定は外出となっておりますが・・・」
「うん、ちょっと図書館までね、借りてた資料を返して、また面白そうなもの借りるつもり」
「ではお風呂に入って行かれた方がよろしいかと、すぐに準備いたします」
「え、何で?、僕そんなに臭いかな?」
僕は思わず自分の腋や腕の匂いを嗅いじゃった、やだ、自分では気がついてないけど実は臭かったらどうしよう・・・。
「いえ、自分で嗅がなくてもお嬢様はいい香りです、そうでは無いのですが、先ほどお漏らしを・・・」
「あー、それなら・・・「ホット・ロッキン!」、ほら渇いたからもう大丈夫・・・、って何でそんな残念な子を見るような目をするのさ!」
「失礼します・・・」
「わっ、・・・ちょっとタニタさん?・・・」
すうぅぅー、はぁー
いきなりタニタさんが僕に抱きついてきて、最初に首筋・・・次に胸に顔を埋めて深呼吸・・・、それから・・・
・・・すー、はー、すー、はー、すうぅぅー、はぁー
「わぁー、ちょっ・・・ちょっと待って!、やだぁ!、いやぁーっ!」
ソファに座ってる僕の股間の匂い嗅がないで!、タニタさんの肩を掴んで引き剥がそうとしたけど・・・僕って非力だから力じゃ敵わない・・・。
「この汗臭さと香ばしさ、・・・お嬢様、この服は・・・4日間洗わずに同じものを着用されていたと推測しますが」
「びっくりしたぁ、・・・いきなり何するのさタニタさん、・・・う・・・うん、確かにそうだけど、・・・なんで分かったの?、・・・いやちょっと怖いから詳しい事は聞きたく無いけど・・・」
「着替えてください!、仮にも貴族のご令嬢が4日間着続けた、・・・しかもお漏らしして乾かした服のまま下着も着けないで外出しようとなさらないでくださいませ!」
「えー、いくら僕でも人がいっぱい居る駅を歩いたり魔導列車に乗ったりするから上にイッモジャッジィくらいは履いていくよ・・・」
「頭は宜しいのにとても残念なお嬢様、お願いですから私の言うとおりにしてくださいませ、さもないと、残り2人のお兄様方や旦那様に下着の件を・・・」
「わぁー、言っちゃダメ!、入る!、お風呂入るから!」
ちゃぷ・・・
「ふぅ、お風呂は毎日入ってるのに・・・服は、あまり洗ってなかったなぁ・・・替えは4着持ってるけど、・・・なんか面倒だったし」
そんな事を呟いていると、扉が開いてタニタさんが入って来ました(もちろん服を着てるよ!)、これはいつも通り、僕の背中を流してくれるの。
「お嬢様、最近さらに女性っぽくなられましたね」
お湯をかけて背中を流してくれてるタニタさんがそんな事を言いました。
「不思議なんだよねー、元は男なんだから骨格は男性だし、・・・でも最近身体が丸みを帯びてきたんだよねー、・・・胸は・・・当然小さいけど、・・・なんか全体的に女の子っぽい感じになって来たし・・・」
「定期的に打たれている注射やお薬のせいでは?」
「あー、そうかも・・・、でも本当にお父様やお義母様、・・・僕の身体を本物の女の子みたいにしようとしてるのかな?、・・・詳しい事は成人・・・15歳になってから全部話すって言われてるの、・・・でも何か嫌だな・・・考え方や、気持ち的には僕って・・・男の子に近いの、・・・でも大事に育ててくれた家の為に、みんなの希望通り女の子に見えるように頑張って振る舞ってはいるんだけど、・・・でも女性として、男の人と恋愛や結婚なんて絶対無理!、考えただけで気持ち悪くて鳥肌が・・・」
「そうですか、でもお嬢様は下手な女の子より女の子に見えますが」
「それは僕が努力してるから、僕にとても優しくしてくれるお父様やお義母様、お兄様達を喜ばせたいから、お勉強もマナー教育もすっごく頑張ったの・・・、でも心の中では反抗したい気持ちもあって・・・、だから自分の呼び方は「私」じゃなくて「僕」だし、スカートは家族が見てないところではできるだけ履きたくないの」
「それは分かりますが・・・、着ている服を何日も洗わないっていう事とは話が別になります、これからは毎日着替えてくださいませ」
「うーん、・・・努力します?」
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