第12話 猫のお土産センスは壊滅的

「色々取ってきたよ!」

「ぎゃー!捨てて!チャバネは捨ててきて!」


猫って何で自慢気に虫とか見せにくるの。泣いちゃうよ!

それはペッしなさい!お腹壊すから!


とかいうあれこれはさておき。

果物、虫、小動物…。あっくんは何が好きかな。

あと好物じゃなくても必要な栄養はどれかな。

ここテストに出ます!


生態調査で大切なことは、元々の食性を調べることと、

それに近い栄養がどれかを調べ、代替品で栄養が摂れるか調べること。

本人の好みも調べるけど、それだけで食事を決めてはいけない。

オヤツだけ食べてご飯食べない子とか普通にいるからね!

騙されないでデータを調べる忍耐力が試されます。


「きゃーかわいいー。それ丸呑みはいけるの?」

「好奇心旺盛だなー。その赤いのはピリッとしてうまいぞー。」

「ちょ、君たち早い!まだ成分照合魔法かけてないのに!」


「えー、本人が食べればOKでいいだろー。」

「成分照合魔法って何?」

「オヤツとご飯は違うから。必要な栄養があるかどうか確かめないと。僕はこう見えて分析系補助魔法すごいんだよ?研究職下働きですよ?」

「それ威張るところかなぁ。すごいはすごいけど」

「どうりでインテリもやしメガネ奴隷属性っぽいと思った」

「ゆきちゃん、僕のことよく見てくれてて嬉しいな!」

「キモっ!褒めてねえから!」


「で、砂漠ミミズに近いのは意外にも木の実だね。ガチミミズじゃなくて良かった…。コレと、ソレは、見つけたら採ってきてほしいな」

「分かった。蛇はどうする?さっき肌蛇丸呑みしてたよ。ミミズっぽい見た目のものが欲しいんじゃない?」

「肌蛇かぁ…。確かに柔らかいけど、あれは鱗が小さいだけだし、骨はあるからなぁ…。」

「ずっと奥まで行けば森ミミズいるから、それ獲ってくるよ」

「ああ、その方がいいと思う。お願いするよ。」


「残りはどうしよう。もう少し置いておく?」

「久々の食べ放題でテンション上がってる感じだぞ。可哀想に、ずっと閉じ込められてたんだな」

「うん、今日は食べ物と一緒にしてもう休ませてあげよう。そっとしておこうね」

「え?お風呂入るよね!水浴び必要でしょ?」

「あ、そうだな!お風呂しよう!気持ちイイぞー!」


「…ごめん、僕は受領報告書出してくるから、あとお願いね。」

「そう言って風呂入らないの、臭いでわかってるんだからな。」

「見逃すの今日だけですよ!さあ、あっくんはお風呂に入ろうねー。」


うん、レポートが優先だから。貴重な分析結果をまとめないと。

ああ忙しい。今日はお風呂に入る時間ないかもしれないな。仕方ない仕方ない。

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