最終話:夜を徹して・・・。
僕は僕の部屋の中にイルマちゃんをエスコートしてソファに座らせた。
イルマは少し休憩すると片言の日本語で言った。
「私と一緒・・・あなたお風呂入りましょ?」
可愛い片言でそんなこと言われたら、そりゃ断る訳がない。
イルマとふたり風呂に入った・・・イルマは僕の体を隅から隅まで綺麗に
洗ってくれた。
大事なところまで、尻の穴まで・・・僕が嫌がるとイルマはクスクス笑った。
で、僕だけ先に風呂から出た。
だけど、なにもすることがない・・・風呂からイルマが出てくるのを待ってるだけ。
しばらくするとイルマが体にバスタオルを巻いて風呂から出てきた。
で、ソファに座ってる僕に人差指を曲げて「カモン」って手招きをした。
そこから、男と女のすることはひとつ。
イルマは僕より先にベッドに潜り込んだ。
だから僕のシーツの下からごそごそ潜り込んだ。
上からじゃなくて下から攻めてみた。
で、上に向かって上昇する。
まあ、これから先のことは想像にお任せします。
ひととおりの甘くて隠微な時間が終わったら僕はイルマは帰って行くもんだと
ばかり思っていた。
そしたら今夜はこの部屋に泊まって行くってイルマが言った。
その理由は、イルマが言うには、この国は夜になると9時以降は外に出ちゃ
いけないんだそうだ。
いわゆる戒厳令がしかれるんだって。
夜中にうろうろしてて警察に見つかったら逮捕されるらしい。
だからおとなしくしてなきゃいけない。
そんな訳で、イルマは帰らない。
ってことはどういうことかって言うと・・・イルマはたぶん一晩中僕を寝かせない
つもりらしい。
結句、星は空に帰って行き、やがて太陽が顔を出した。
体力の限界・・・よく持ったよな、僕。
イルマは、すごい女だ・・・男を喜ばせるテクニックを熟知してるんだろう。
たぶん、未成年なのに・・・。
って、僕ってこれって淫行じゃん・・・いいのかな?
でも、情けないことに僕はイルマを忘れられなくなった。
イルマの手管に・・・こんな子が彼女だったら僕はイルマを毎日求める
んだろうな。
僕は僕の分とイルマのモーニングサービスを頼んだ。
ふたりで仲良く朝食を食べたあと、イルマが言った。
「チップ」
って・・・。
ああ、そうかチップか・・・僕を気持ちよくさせてくれたイルマに少し多めに
チップを渡した。
イルマはにっこり笑って僕にハグしてクチビルにキスした。
「それじゃね〜・・・おニイさんバイバイ・・・アイシテル」
そう言ってイルマは部屋を出て行った。
僕はイルマに敬意を表した・・・彼女が女神様に見えて恐れ多い気がした・・・。
女神だって思ってるのにおまえは寝たのかって言われそうですけど〜。
でもイルマもそうだけど女性はすばらしい。
たぶん世の中の男の大半は女性と言う存在に癒されて生きているんだろう。
僕は改めてイルマにも女性にも畏敬の念を抱いた。
たった一夜だけの関係だったけど僕はイルマに恋していた。
明日になればイルマは僕のことなど忘れてるだろう・・・彼女にとって僕は
一時を通り過ぎただけの男。
で、ツアー最終日、ガイドに連れらて僕たちは帰路に着いた。
帰りもやっぱりプロペラ機だった。
で、僕のとなりに座った、おじさんに言われた。
「おニイさん・・・日本に帰ったら病院へ行っておいたほうがいいよ」
って・・・。
なんでですかっておじさんに聞いたら、そしたら
「病気を移されてるかもしれないから」
って言われた。
もちろんおじさんの冗談だけどね。
イルマに限って・・・僕は苦笑いした。
おじさんはもう歳だから、セックスなんかしようと思ってもできないから
ダメだよって女の子に言ったら、女の子はマッサージをしてくれたんだそうだ。
それはそれなりに、ちゃんとご奉仕してくれたんだ。
至れり尽くせりだよな・・・それは僕だって同じか?
で、日本に帰ってきて時計屋の息子さんに旅行のお礼を言いに行って、旅行
先での出来事を一部始終を話したら・・・。
え?そんな旅行じゃないはずだけどなって言われた。
旅行先はグアムだけど・・・僕も何度かグアムには行ったけど、ツアーのスケジュールにそんなのないはずだけどって言われた。
「チケットちゃんと確認しなかったの?」
「それ、グアムツアーだよ」
「グアムのタモンビーチで海水浴やイパオビーチでアクティビティを楽しんだり、
絶景の恋人岬や買い物に人気のチャモロビレッジと2泊3日の楽しい格安ツアー
だからね、それ・・・」
「君が言ったようなそんな夢みたいなことはある訳ないの・・・夢でも見た?
藤原くん・・・」
「あのさ、早く彼女作ったほうがいいよ、きっと欲求不満なんだよ」
たしかに欲求は溜まっていたのは否定できないけど、その不満はイルマが全部
抜いてくれたから今は賢者状態。
それにしても僕は何を体験したんだろう。
それは白昼夢?・・・妄想って現実になったりするのかな?
だけどイルマとの素敵な一夜は今も僕の中で止まったままでいて、僕は彼女を
未だに愛している。
だから時々会いたくてしかたがなくなる、もう二度と逢えない僕を夢の世界に
いざなったあどけないあの女神に・・・そして切ない。
おしまい。
白昼夢の女神。 猫野 尻尾 @amanotenshi
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