第12話 繋がる 


※ 性描写や大人向けの台詞があるので、

苦手な方は次の章へ飛んでください。


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『バンザイして』




敷布団の上で向かい合って座り、

言われた通りにバンザイすると、

慶くんが私のTシャツをゆっくりと脱がした



明かりを落としてお互いが感じられる

薄暗さが恥ずかしいんじゃないかと

思ったけど、慶くんの優しい表情が見えて

逆に大丈夫なんだってリラックスできる



『ん、可愛い‥‥じゃあ次は俺のもして?』



クスッと笑う慶くんも同じように

バンザイしたので、ドキドキしながらも

膝たちをしてから両手で触れ、

私もそのTシャツをゆっくりと脱がした。



初めて見る慶くんの引き締まった上半身を

直視できないでいると、またさっきのように

手を繋いでから引き寄せられ

耳元に慶くんの心音を感じていく



もう片方の手を恥ずかしいけど引き寄せ

私の心臓に持ってくると、慶くんのトクトクと鳴る鼓動と重なり合った



『ここにおいで‥』



壁にもたれて胡座をかく慶くんに

跨るように座り抱き合うと、

素肌が触れてよりお互いの体温を

近くに感じられる




程よい筋肉と引き締まった綺麗な体は

服を着ている時はスマートに見えたのに

全く違った体格に見える




もたれかかって肩に頬をくっつけると、

鎖骨の骨のラインや首筋のラインが

男の人なのに触れたくなるくらい綺麗だ



「慶くんはいつ鍛えてるの?」



腕に触れると、慶くんも同じように

私の腕や背中に触れてきた



『時々ジムに行ってるくらいだよ。

 どうして?』



「硬いなって‥‥‥でも綺麗‥‥」



『ハハッ‥ありがとう。

 莉乃の肌の方が柔らかくて滑らかで

 白くて綺麗‥‥』



リラックスしてるからか、呼吸もしやすくて

裸に触れたり触れられたりしても

心地よくて気持ちがいいくらいだ。



そのままの状態で、クスクスと笑い合って

どうでもいい話をしたりしながら

肌の温もりに自然と慣れるまで

慶くんの呼吸を感じていた



『初めて会った時よりまだまだ細いけど

 健康的になったね。』



それは慶くんが色々食べさせるからだし‥

 

撫でる手が腕や背中をさすって嬉しそうに

笑っている。


寝つきも変わって食欲も沸いて、

生活スタイルがガラッと変わったのは

間違いなく彼の存在ありきだから。




『じゃあ次は服全部脱いじゃお‥』



その言い方が可愛くて、2人で抱き合ったまま

クスクスと笑うと私も慶くんも下着のみになり

そのまま寝転んでもう一度抱き合う



太ももや膝下の素肌に触れると

さっきよりもより体温の温かさを感じ、

慶くんの足が私に絡まっていく



『フフ‥気持ちいいね、スベスベだ。』



慶くんの足だってスベスベで気持ちいい‥

男の人の足なのにムダ毛なんてないかのような

なめらかな肌だ‥‥



セックスという行為の前に、

こんなにゆっくり肌を感じたことなんてない。



こんなにリラックスして安心する

工程を慶くんと初めてできてることが

何よりも嬉しかったし、2人きりで

2人の時間を楽しんでいるかのようだ



「なんか‥‥眠れそうなくらい

 肌があったかくて気持ちいい‥」



『まだ寝ないで‥‥

 じゃあ一緒にもっとあったかくなろうか?』



えっ?



仰向けに寝かされると、

真上から私を見下ろして

優しく笑う綺麗な顔が影を落とすと

ゆっくりと唇に触れ啄んでゆく



チュッっとリップ音を立てたあと

恥ずかしくて笑ったり、

カプッと下唇を甘噛みされると

同じようにしてみる。



「ンッ‥‥」




ゆっくり塞がれて覆われた唇の隙間から

温かくて甘い舌同志が混ざり合いら

気持ちがいい速度で口内で絡まり始めた



静かな空間に聞こえる唾液の絡む音も

くっついた肌から感じる体温や鼓動も

全部が気持ち良くて体から

力が抜けてしまう



『‥チュッ‥‥‥とろけたの?

 目までトロンとしてる‥‥』



ぼんやりとした視界に、同じように

色気を増した慶くんがうつり、

恥ずかしくも頷くと、

さっきよりももっと深く塞がれて

大きく舌を転がされら度に

口内がシロップよりも

甘すぎなほどに犯されていく



服を着てするキスと

素肌が触れながらのキスの違いなんて

ないって思ってたのに全然違う‥



苦しいけど気持ちいい‥‥

慶くんとするキスは大好きだけど、

こんなキス‥‥初めてだ‥‥



ピリッと体中に電気が走り始める頃には、

下半身に違和感も感じ初め、

いつの間にか外されていた胸元の下着の中に

優しい掌がそっと触れていく



「ンッ‥‥‥‥」



『綺麗な形‥‥莉乃も触っていいよ。』



お互い向かい合い寝転びながら

お互いの首筋や胸に触れると、私だけじゃなく

慶くんも気持ちよさそうに顔を歪める



次第にその指先が

ゆっくりと優しく私の頂きに触れたり、

小さくて申し訳ないほどの胸を包むと

甘い痺れと共に体が仰反った



「アッ‥‥ンンッ」



温かい唇が胸を包んで舌でそこを

転がし吸い付く頃には、

声を抑えきれず大きく体が跳ねる



どうしよう‥‥私の声変じゃないかな‥



慶くんの腕や背中をさすりながら私の胸に

顔を埋めている小さな頭の

綺麗な黒髪に両手を絡めていく



気持ち良すぎておかしくなりそう‥‥




こんなにも気持ち良く乱れていく自分が

いたなんて、私は知らないまま生きてきたからどう映ってるのか少し不安になる



決められた手順でパパッと

終わらせていたような恋愛の

行為の中にもそれなりに

気持ちよさはちゃんとあった



でも、触れてくとこが熱くてたまらないし

、心臓がこんなにも壊れそうなくらい

ドクドクと動く快感なんて知らない‥



「けぃ‥‥く!ンッ‥‥」



『気持ちいい?』



「ん、‥‥わたし‥‥変なの?」



気持ち良すぎたのか

目から涙が溢れ、そこに慶くんの唇が

落とされ涙をペロっと舐めていく



『変どころか可愛いよ‥‥

 ここ舐めるの嫌だった?』



「ううん、気持ち‥いよ‥」



慶くんの頬を包んで自分の方へ

引き寄せたあと頬や唇にキスをすると、

もう一度甘くてどうしようもない唾液が

塞がれた唇から流れ込みとろけてゆく






キスをしながら同じように慶くんの胸に触れ

首筋や鎖骨から頂きに触れると、慶くんの

甘くて漏れる吐息に私の鼓動も激しくなる



そんな頃には

私の下着も恥ずかしいほど湿ってゆき、

慶くんのものも大きく固くなっていた



『はぁ‥‥気持ち良すぎ‥

 次は一緒にここ触ってみる?』



お互いに下着を脱がしあい全部外すと

もう一度そのまま抱き合い

大好きな香りを感じながらその胸に

顔を埋める



『可愛い‥‥もうこんなにも濡れてる』



「ンッ‥‥慶く‥も」



触るのが恥ずかしかったけど、そこに触れると

慶くんの吐息が気持ちよさそうで嬉しくて、

時折聞こえる甘い声に私と同じなんだって

思えるだけで愛しかったのだ



同じスピードで裸になり、

同じようにお話しして触れながら、

表情を見ては愛しさを感じ、

キスをしてはとろける。



なんて甘美な世界なのだろう‥




『中も触らせて‥』



お互い吐息が甘く激しくなり、

ゆっくりだけど気持ち良さが増し、

キスをしながらさらに甘い痺れを感じていく



「アッ‥‥ンンッ‥‥」



慶くんの長い指が私の中心を探ると、

自然に吐息と共に声が漏れてゆき、

動きに合わせて水音と快感がおそい

ビクッと体が何度も震える



「ンンッ!!‥‥ア‥ダメ‥けぃ‥‥く」



『フフ‥‥ここ?気持ちいいね。

 大丈夫だから一回いってごらん』



私の体の中を探るように丁寧に動き

激しく体が震えると気持ちの良さでまた

涙が溢れ、慶くんの唇がそれを見逃さず

吸い取っていく



『もう少し触れさせて‥』



「えっ?‥‥ンッ!‥‥ヤァ‥ンンッ」



私の秘部に顔を埋めると、

舌先が触れ、ゆっくとりとそこを吸い上げたり

舐められ、快感が押し寄せ体が何度も震える




『莉乃ここ?‥‥すごいな‥

 気持ちいいんだね。』



吸い付く音と共に指が内側に入ると、

頭が真っ白になりそうなほど体がうねり、

目の前がチカチカし息をするのも

忘れてしまいそうな快感が押し寄せる



「ンンッ‥‥ヤダ‥私も‥‥したい」



『ん、いいよ‥』



慶くんと手を絡めて繋いだまま、

さっきよりも大きくなっていたそれに

そっと触れてからそっと口に含んだ。



上手くなんてできないけど、私も触れたい、

一緒に気持ち良くなりたい、

そう思ったから‥‥



さっきは恥ずかしいくらい声が出たけどわ

私だけじゃなくて慶くんも同じだから

2人一緒なら大丈夫って思えた



慶くんのものに触れる場所、触れ方で

私と同じように吐息が甘くなったり

体がビクッと反応してくれている



もっと繋がりたい‥‥



『フゥ‥‥そろそろ‥繋がろうか‥』



抱き締められたので、

しがみつき耳元でいいよって囁くと、

もう一度深いキスが落とされ、全身に

甘い痺れがまわり体からまたフワッと

力が抜ける中、慶くんと一緒に

ゴムを反り立ったそこへつけた



キスする度にどんどん甘さも増して

繋がりたいという気持ちも増していく。



ほんとに同じペースでゆっくり気持ち良く

話をしてるかのような時間だったから

視覚や嗅覚、触覚全てが慶くんで満たされ、

繋がりたいって自分から思えたんだと思う




『莉乃』


「なに‥慶くん」



『‥‥好きだよ。』



後ろから包むように横抱きされると、

そこを開くようにゆっくりと慶くんのものを

体が受け入れ甘い痺れが走りビクッと

体が大きく震えてしまう





浅いところをゆっくり出入りしながら

私の上がる息や反応を見てから

暫くは動かずに、お腹に回した手が

ゆっくりと下腹部を撫でたり、

胸を包んだり、頂きに触れたりしながら

繋がった熱い部分の気持ち良さに

浸って呼吸をしていく




『‥はぁ‥‥気持ち‥い‥莉乃は?』



「んッ‥‥気持ちいいっ」



『ン‥‥』





気持ち良すぎて息も上がるし、

お互いの肌が汗ばみ少し湿ってるけど、

そこがピタッと吸い付くのがいいなんて

思えるくらい体が重なり合う




繋がっている場所が少し動けば

電流が流れ波が押し寄せていく



圧迫感や存在感は勿論あるけど、

慶くんと幸せって感じる行為をゆっくり

楽しみながら出来て嬉しいって思えた



「‥‥ハッ‥‥ンンッ」



ゆっくりな律動や深い律動も

私の反応を見ながら大事に抱いてもらえ

私も気持ちよさそうな慶くんをできるだけ

感じたかった



仰向けに寝かされたあともう一度繋がると

汗ばんだ慶くんのおでこに触れて頬を撫でた



「慶く‥‥のそんな顔初めて見た‥」



薄暗い中で見上げる色気漂う表情だけで、

恥ずかしいけど欲情して体がぶるっと

震えそうになる



『そんなの‥こっちもそう思ってる。

 ‥‥莉乃の気持ちよさそうな甘い顔

 可愛い‥‥』



キスを交わし、私の耳元や首筋に舌を這わせ

顔を埋める慶くんが深くまで押し入ると、

その逞しい背中に両手を回してしがみついた



「アアッ!!ンッ!ンッ!」



少しだけ早く深く出入りする感覚に、

どんどん息も上がり、慶くんの

気持ちよさそうな吐息と私の呼吸が交わると

奥までゆっくり大きく突かれ

上がりお互いの体が大きく跳ねた







『ハァ‥‥ここ‥あったかい‥‥』


「うん‥‥ハァ‥」



好きな人とする初めてのセックスが

こんなにも今までとは違うんだ‥‥



その後もしばらく繋がったまま話したり、

キスをしたりしながら触れ合い、

2人が笑顔で抱き合える幸せな気持ちを

こうして一緒に迎えられたから、

勇気を出して今日離れたくないって

伝えて良かったと心から思えた



ただただ勢いや激しさに任せたセックスを

する方が多かったし、そういうものだと

認識してたし割り切ってたけど、

こんなにゆっくりでも脳までとろけ、

体験したことのないような気持ちよさを

感じさせてくれた



『体ツラい?』



シャワーを浴びてから、

心地いい疲労感でお布団に寝転ぶと、

水分をとった慶くんがその隣に

同じように寝転んでくれた



さっきまでの恥ずかしさがないわけじゃない。



当たり前だけどさっき全部見られたし、

私も見て沢山その綺麗な体を触ったのだから。



「大丈夫だよ‥‥

 嬉しかったから。」



『ん、俺も莉乃とできて嬉しいよ。

 受け入れてくれてありがとう。』



下腹部を大きな掌で改めて撫でてくれると

逆に恥ずかしくて真っ赤になってしまう



『可愛い‥‥』



行為の最中何度も耳元で可愛いと

囁いてくれたから、容姿に全く自信もないし

今でもこの人に不釣り合いだとは思うけど、

全部の行為から愛されてるって伝わったから、

似合うとか似合わないは置いといて、

寄り添ってそばにいたい、ただそう思った





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