第3話
床に寝そべり爪を噛む市子。
ぼーっとベランダの外を眺めている。
手には包帯。白いワンピースにが太腿まで捲れ上がっている。
白を基調とした部屋に市子の身体は滲んでいた。
ベランダに鳩がやって来た。
「行き場を失くしたの? あなたは嫌われ者だもんね」
鳩はしばらく居座った。
「でも私はあなたが羨ましいわ。私も飛びたいの」
その瞬間、鳩は飛びたって行った。
「大丈夫。 あなたは平和の象徴だから。そう思ってくれる人も居るから……」
「私は……」
市子は起き上がりスマホを手に取った。
マッチングアプリに登録した。
「ちゃんとセックスできるようにならなきゃ……練習しなきゃ……相手は誰でもいいから」
一翌日一
「ありがとう! 」
「そうです。感謝しましょう」
全員白い服装。
「ありがとう」と連呼する集団。
市子はその中に居た。
市子は嫉妬心で親から貰った大事な身体に傷をつけてしまった事を反省した。
嫉妬という感情は醜いもの。嫉妬心をバネに努力をしなさいと先生に諭された。
帰り道、市子の心は澄んでいた。
マンションを囲むように咲いている白い花。イヌホオズキを眺めた。
「可愛い」
市子は花を引きちぎった。
「私の部屋に飾ってあげる……」
微笑む市子……
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