第2話
仕事中、市子はずっと微笑んでいる。
宮前先輩と何度も目が合うからだ。
社内恋愛は窮屈だが楽しい。
「なんでそんなに私を見るのぉ?」
小さく笑う市子。
帰りに宮前先輩の後を追う。
隣には後輩の沙希ちゃんの姿。
二人はタクシーに乗った。
私と宮前先輩の間に隠し事は厳禁。
もちろん後をつける市子。
二人はタクシーを降り、ラブホテルに入っていった。
「いいわよ。私への愛は本物だもの。たまには息抜きしても。」
市子は微笑んで自宅に帰った。
空のツナ缶が積み上がってる。
「綺麗にしなきゃ...」
ゴミ袋に空のツナ缶を入れ 、手で缶を強く押した。
「こうすれば、もっといっぱい入るんだよ……」
「頑張れば入るんだよ……」
「痛くても助けを求めてはいけないんだよ……」
ゴミ袋は血だらけになり、よりいっそう生臭さが増した。
私は可哀想な子じゃない……
さりげなく咲く小さな白い花なの。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます