第2話

仕事中、市子はずっと微笑んでいる。


宮前先輩と何度も目が合うからだ。


社内恋愛は窮屈だが楽しい。


「なんでそんなに私を見るのぉ?」

小さく笑う市子。



帰りに宮前先輩の後を追う。

隣には後輩の沙希ちゃんの姿。


二人はタクシーに乗った。



私と宮前先輩の間に隠し事は厳禁。


もちろん後をつける市子。




二人はタクシーを降り、ラブホテルに入っていった。




「いいわよ。私への愛は本物だもの。たまには息抜きしても。」


市子は微笑んで自宅に帰った。





空のツナ缶が積み上がってる。


「綺麗にしなきゃ...」


ゴミ袋に空のツナ缶を入れ 、手で缶を強く押した。


「こうすれば、もっといっぱい入るんだよ……」


「頑張れば入るんだよ……」


「痛くても助けを求めてはいけないんだよ……」



ゴミ袋は血だらけになり、よりいっそう生臭さが増した。



私は可哀想な子じゃない……



さりげなく咲く小さな白い花なの。


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