第11話迫る電子迷宮の罠、立ち向かう弓兵の狩人

ハルオの薔薇魔宮ボーイズラビリンスの陣が生徒せんし達の行く手を相も変わらず阻んでいた

しかし夢学本校とてこのままこの迷宮に恐れをなして二の足を踏み続けているわけにはいかない

「迷宮の入口は三つ、六体一組の小隊を三小隊作って計十八体でこの迷宮を強行突破する」

上層部はこの状況をなんとか打開するために強行策に打って出る事にした、その任務に選ばれた決死隊の中には弓道アーチャー疾風はやても存在した

皆何としてもこの現状を変えて事態を解決するべく自ら志願して集まった生徒せんし達である

第一班、疾風はやて率いる遠近両方において力を発揮するバランス部隊

第二班、昆虫の特性を宿しその複眼でどんな異変も逃さず対処する昆虫小隊

第三班、各々が重武器を装備した強力な突撃力を誇る生徒せんし達から成る重装歩兵部隊

それぞれが特色を持った精強な者達で構成された決死隊である

「よし、それでは強行突破作戦を開始する、皆武運を祈る」

「全隊突撃!」

上級生の号令を受けて生徒せんし達は雄叫びを上げながら電子迷宮ヴァーチャルラビリンスに突撃して行く、その先に恐るべき薔薇ボーイズラブの罠が待ち受けていることを覚悟して


「うーん?また拙者の迷宮ラビリンスに侵入した愚か者がいるようでオジャルナ、目にモノ見せてやるでオジャルヨ」


ハルオの電子迷宮ヴァーチャルラビリンスである双魚宮ピスケスに三班に別れて突入した生徒ハンター達は魔の薔薇ボーイズラブの洗礼を受けていた、中でも昆虫小隊はその広範囲を視認する複眼が仇となって全方位に展開される薔薇の幻影BLイマジネーションに悶え苦しんでいた

「ぬお、こっこれは・・・」

「全方位にマッチョなおっさんがああああぁ」

「目がっ眼があああぁぁぁ」

マッチョなおっさんのセクシーポーズと云う終末の光景が広範囲で複眼に飛び込み生徒せんし達が苦悶の雄叫びと共に爆散して行く

それに対して重装歩兵部隊は周りの幻影に惑わされないように唯正面だけを向いて突撃して行く

しかしそんな彼女達を黒い薔薇が襲う、魔技赤魔薔薇ロイヤルデモンローズ薔薇BLの幻影を花粉より形成するならば、この絶技貪蝕ノ黒薔薇ピラニアンローズは直接相手の体に食らいつき精神に薔薇BLを送り込んで内部から侵食して破壊するとても恐ろしい絶技である

「ぐあああぁ、何だこれはあぁ」

精神こころの中におっさん達の思い出があぁぁ」

「やめろおぉぉ、私の思い出を汚すなああぁぁ」

その黒薔薇ピラニアンローズを受けた生徒ハンター達は重装備でも防ぎ切れない薔薇BLの悪夢の中で朽ち果てて逝った

無論、疾風はやての部隊にも恐るべき超電子の罠ボーイズトラップが襲いかかるりまた一体、そしてまた一体の生徒せんしが倒れるが疾風はやては師である千歳に百合妄想ガールズラブを叩き込まれてあり脳内でおっさんを美少女に変換することで何とか耐え抜き歩を進めていた

そして他の夢学生徒イレギュラーハンターの屍を越え薔薇魔宮ボーイズラビリンスの陣を抜け今まで誰もたどり着けなかった双魚宮ピスケスにたどり着くことに成功した

「ホホウ、あの迷宮ラビリンスを抜けて来るとはオヌシ只者ではオジャラヌな、何者でゴザル?」

「はあっ、やっと踏破しましたよ反乱者イレギュラー、最早許せません」

肩で息をしながらも決意を宿した瞳で疾風はやては名乗りを挙げた

「私は弓兵アーチャー疾風はやて、散って逝った同胞ハンター達に変わって貴女をここで処分します」

「ホウホウ成る程、しかしオヌシも無傷ではあるまい、その体で拙者に本気で勝てるとでも?」

「勝てるではない、勝つのです、その為に多くの生徒ともの屍を越えて来たのです」

「ウーン若い、若さは時に無謀に繋がると云う事を拙者が教えてしんぜよう」

薔薇魔宮ボーイズラビリンスの陣は抜けたもののここからが本当の戦いである、この双魚宮ピスケスにて両雄が激突しようとしていた

しかしハルオも迷宮のみで幹部に登り詰めた生徒せんしではない、ここからが彼女の脅威の始まりだった

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