第7話巨乳王道

貧なる王櫻子が敵部隊との戦闘を開始したのと同時刻、巨乳派閥ラージバストも進軍を開始していた

多数派趣味ノーマルと言われる趣味嗜好ぞくせいの中でも際立って大多数おおぜい生徒せんし達が崇め奉る性癖ぞくせいこそが巨乳趣味ラージバストである

正に王道と呼ばれるその嗜好ぞくせいの頂天に君臨する生徒せんしこそが貧なる王と対を成す巨なる王と呼ばれる向日葵である

金色こんじきの鎧は胸の部分が大きく開いておりその巨乳の谷間を魅せつけるかのような見事な出来栄えである

その圧倒的偉容に気圧されて敵生徒イレギュラー達が後ずさる、これ程までに堂々と谷間を魅せつけられると流石の生徒せんしと云えどもまともに打ち込む事は躊躇われた

そんな下民達イレギュラーを嘲笑うこともなく、向日葵が手をかざした

次の刹那、突然に武器を構えていた生徒せんしの一体が爆散した、何事かと眼をやれば生徒せんしがいた場所に黄金の槍が突き刺さっていた

そして空中に胸の谷間が無数に召喚されると、そこから次々に黄金に輝く武装が矢の雨の如く相対する生徒せんし達に降り注ぐ


誰かが云った、巨乳は人類の全てであると、その言葉を拡大解釈する事によって人類の過去、現在、そして未来の全ての武器、科学、異能等の全てをその巨乳むね一つに集約し管理する、正に巨乳性癖ラージバストこそ正道にして王道、多数派性癖ノーマルの中でも最も多くの生徒せんしを魅了して止まない強力無比な趣味ぞくせいである

ここに至って反乱軍イレギュラー夢見ヶ丘生徒イレギュラーハンターの底力と脅威を思い知ることになる


反撃の狼煙は上がった、今まで苦戦を強いられていた各戦線で夢学生徒ハンター達が戦線を押し返しつつあった、ましてや最も強大な戦力がある筈のこの浦安の密林が予想以上の力で蹂躙されようとしている

この浦安を預かる司令官として決して看過できない事態である

しかしこの浦安の司令官であるコテツはそんな報告は些事であると余裕を見せていた

そう、彼女こそがハルオの弟でこの浦安支部で反乱を起こし占拠した張本人である

遊びゲーム趣味ぞくせいを持つ強力な生徒せんしである、その遊びゲームに対する並々ならぬ熱意から彼女生徒せんし達の間でも極めて生真面目ストイック生徒せんしと思われている

実際はその場のノリと楽しそうな事に目がないだけの超不真面目な他の学校では明らかに問題児な生徒なのだが・・・

この学校では自分の趣味や性癖に対して熱心な者こそが真面目ストイックであるとされている

小学生であるが故の考え無しなところが勇猛果敢に見えたり小さな子供特有の無邪気さや素直さが勤勉で誠実にこの学校では映っているらしい、小さな子供であるが故の無邪気さはある種の残酷さや無慈悲さも含む危険な感情でもあるのだが

しかしこの状況は彼女の望むことではない

「そうか~負けてるのか~それはよくないなぁ」

やって来たアリ型の生徒せんしの報告を受けて手に持っていた玩具オモチャを放り投げ近くの生徒せんし達に命令を下す

此処に居並ぶ者達は選りすぐりの精鋭達である、出撃の命を受けて待ち望んでいた時が来たと喜びの声を上げる

精鋭には精鋭を以て当たる、本校の激戦に負けず劣らずこの浦安の密林でも新たに苛烈な戦闘が行われようとしていた

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