第6話貧なる王

土井津地区で未だ激戦が続いている中で貧乳派スモールバスト生徒せんし達から貧なる王と呼ばれる櫻子は自身の率いる貧乳スモールバストの軍勢と共に浦安みつりんの奥に攻め込んでいた

貧乳スモールバストと対極に位置する嗜好ぞくせいである巨乳派ラージバストの軍勢には遅れを取るわけにはいかないと生徒せんし達は皆張り切っている

浦安支部の生徒せんし達はその進撃を阻もうと多数の生徒せんしを出撃させて来た

その中の一体が櫻子の前に立ち塞がった、亀のような丸い甲羅を背中に背負い両手に亀甲型の手甲を構える

「我こそは黒き宝石の名を取る体操下着ブルマ趣味ぞくせいを持つ誇り高き生徒せんしトータスエロス、我が主の為にここを通すわけには行かぬ」

「良いじゃん、夢学生ならそう来なくちゃ」

嬉しそうに胸の谷間より愛剣[貧なる理想の剣アルカディア]を抜き放つ、本来貧乳には寄せる胸もなく故に胸に谷間等出来ない、しかし櫻子は限定的な奇跡を起こす事により貧なる胸スモールバストに本来は出来ない筈の胸の谷間を造る事により愛剣アルカディアを取り出すことを可能にしている

それこそ彼女が貧なる王と他の生徒せんし達に呼ばれる理由である

「アレが噂の、しかし我が戦術はこの背面の甲羅にて耐え抜いた先に勝利を掴む、正に後手の策よ」

だがそんな奇跡谷間を魅せつけられても臆する事なくトータスエロスは自慢の甲羅で突貫を試みる

迫る頑丈な甲羅に、されど恐れることなく貧なる王は堂々と待ち構え自慢の[貧なる理想の剣アルカディア]を大きく振るう

瞬間、巨大な剣閃が走るとトータスエロスの甲羅が音を立て砕けた

「ぐあああ、馬鹿な、私の外骨格を!」

直後トータスエロスは爆発四散した、貧なる王のその力に驚愕は有れど敵も皆恐れを知らぬ生徒せんし達、イレギュラーに堕ちてもその志は落ちぶれてはいない、臆する事なく櫻子に立ち向かって行く

ましてや此処は自分達の領域ホーム負けるわけには行かぬと二人の生徒せんしがあらんかぎりの攻撃を叩き込む

「我こそは人形ドールのリザドエロス、王の首を頂かん」

「私こそは髪飾りリボンの申し子フログエロス、いざ参る」

リザドエロスは背部の背鰭せびれを飛ばして牽制しながら手にした大刀で決死の攻撃を試みる、対してフログエロスはカエルの強脚を活かして飛翔して棍棒を振り下ろす

しかし絶対王者櫻子は自身の制服の胸を広げる事で迎撃する

途端、二人と櫻子王者の間に不可視の空間が広がり攻撃を空振りさせる

これこそは辿り着けぬ理想の胸アヴァロンである、貧乳は巨乳に辿り着けないと云う概念を攻撃が辿り着かない不可視の無限絶対領域で再現する絶対の防御手段、正に攻守共に隙がない王者の戦法である

次の瞬間には[貧なる理想の剣アルカディア]でフログエロスが斬り裂かれ爆散する

なんとか剣で攻撃を受け止めたリザドエロスであったがそこには圧倒的な戦闘力の差があった

「我が軍の生徒せんしに撤退はない!」

残存する部隊を鼓舞して突撃を敢行するもその部隊は瞬く間に蹴散らされリザドエロスも一刀の下に斬り捨てられるのであった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る