第5話僻地攻略作戦

夢学撃退の指揮官に新しく着任したエリナはまずは浦安土井津地区に夢学の生徒ハンター達が集まっているとの報告を聞き、自身の信頼出来る部下に出撃の指令を下した

本来は大幹部の長谷川の傘下の生徒せんしなのだか浦安防衛の為に援軍として彼女の元に送られて来たのである

その生徒の名はともえ、通称モエと皆からは呼ばれている髭男子ダンディズム性癖ぞくせい女子高生スクールガール趣味ぞくせい複合趣味ふくごうぞくせい自然体ありのままでその身に宿す希有けう生徒せんしである

「モエです、どうぞよろしく」

「噂は予々かねがね、エリナですどうぞよろしく」

二人は握手を交わし笑い合った、階級は大幹部であるエリナの方が単なる一般部隊の隊長のモエより高いのだがエリナは基本的に誰とも対等な態度でつきあう、一方のモエもエリナの意を汲んでお互い対等に握手を交わし合う

「貴女の部隊には浦安の僻地土井津地区に出撃して頂きます」

「了解です、それでは行って来ます」

決戦の心意気を胸に夢見ヶ丘生徒が待ち受ける土井津地区に彼女の母艦は出撃した


一方その頃夢見ヶ丘も浦安攻略の足掛かりとして土井津地区に部隊を出撃させてあった

「報告します、土井津地区に反乱軍イレギュラーの戦艦が着陸したとの報せが届きました」

部下の報せを聞きながら戦乙女ヴァルキュリアはつるりと光る無毛頭スキンヘッドを撫でながらまだ見ぬ強敵に心でツインテールを結ぶ

「オッケー多分向こうの迎撃があるだろうからみんな注意してね」

部下達の覇気に満ちた返事を聞きながらも油断することなく迎撃の体勢を取る


両軍はそれぞれの場所に拠点を置きすぐさま部隊を出撃させる、浦安の僻地を巡る戦端が遂に開かれた

モエの下にやって来たのは二メートル以上はある巨漢の女子生徒、胸にはバイソンを象った外骨格装甲を備え、両肩には短くも太く雄々しいバイソンの角が生えている

彼女はこの部隊の斬り込み隊長を自負するモエの弟子であるバイソンエロスだ

「この場所を夢学に渡すわけにはいきません、わかっていますね?」

「ハ、お任せください!」

右手に獲物である大斧を握りしめ、地響きを起てながら意気揚々と出撃した


「うーん、あれが先鋒かな?」

自慢のスキンヘッドを撫でながら無毛の戦乙女ヴァルキュリアはやって来た巨漢の敵生徒イレギュラーを眺める

(だとしてもかなり弱い?)

彼女程の夢学生ハンターにもなれば一目で相手の力量変態度を見抜くぐらいは出来る、そんな彼女に言わせて見れば相手はかなり弱い部類に入る

これは戦乙女彼女が強すぎるということもあるがそれを差し引いても相手は先の密林で戦った相手のり子と比べると遥かに劣るのだ

「楽な戦いになりそうだね~」

肩を回しながら胸の谷間から愛杖である剃刀杖ブリューナクを取り出し構える

夢見ヶ丘生徒イレギュラーハンター、我が主の為、そして我が掲げる胸部下着ブラジャー性癖ぞくせいの為にそのスパークを頂戴するぞ!」

勇んで大斧を振りかぶりその頭部スキンヘッド目掛けて振り下ろす、しかし剃刀杖ブリューナクに簡単に受け止められ返す攻撃で軽く吹き飛ばされてしまった

「ぬう、まさかこれ程とは・・・」

「キミとは戦っても楽しくなさそうだ、そろそろ終わりにしよう」

そういうと剃刀杖ブリューナクに鋭利な剃刀かがやきが集まって行く

これこそ、のり子との戦いで見せた周りの樹木を一瞬の内に切断した彼女の奥義無毛フラガラックである

「ぐあああ、この、力はああぁ」

無毛フラガラックを受けて跡形もなく爆発四散するバイソンエロス、その爆発の中から彼女の特殊武器チップが飛び出す

それを拾い上げ部下に放り投げる、生徒は倒されると自身の趣味ぞくせいの力がチップと化して残る

「まずは出鼻は挫いたってところかな?」

夢学生徒に墓はない、死ねば爆散して死体も残らず消え失せて後には性癖や趣味が結晶化したチップだけが残る

戦場いくさばで倒れれば死骸も残さず爆散して潔く世界に帰り仲間達の武勇を見守るのみだ

この場所での戦闘は未だ始まったばかり、一部隊が来ている以上この程度で済む筈がない、これは苛烈な戦いの狼煙に過ぎない事を此処にいる誰もが知っていた

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