第53話 最後の応援
もはや何も言わないハジメ。殴られる気満々である。その表情はすがすがしささえ感じる。
「ハジメさん。楽しそう」
「そうかしら」
マツは、何かを察しているようだ。右のこめかみに人差し指を当て、右目をすこし細めていた。
「……」
そんなマツを、何も言わずに見つめるフタバ。気づかれて、慌てて
「よし。最後も応援しましょう」
ナオキの言葉で、応援が始まった。
グローブとプロテクターをつけた二人の男が、
ノボルには、ハジメがニヤリと笑ったように見えた。
こいつ、まさか。まだ奥の手を隠しているのでは。と思ったようだ。
「がんばってー!」
「それしか言えないの?
ハジメは構えなかった。両腕をだらんとぶら下げ、大きく息を吐き出した。
「いくぞ! 覚悟!」
ノボルが
額と頬には汗がにじんでいた。先に手を出したらやられる。わかっていても、男には引けないときがある。
「ハジメ! 動け!」
「ハジメー!」
地味な服のフタバと、きっちりしていない服装のナオキが叫んだ。
ハジメの表情が変わる。
「うるさいな」
同時に、一瞬だけ
ノボルの
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます