第47話 水分補給をしましょう

 第二試合開始だいにしあいかいし

 横峯よこみねナベサダ対梅沢たいうめざわアツシ。

 とうぜん、二人ともグローブとプロテクターをつけている。色は赤と青。わかりやすいようにするための配慮だ。

 マイクを持った人に紹介される二人。名前が会場にひびきわたる。

「あら。宝田たからだハジメはまだみたいね」

「し……ハジメさん、まだですか」

「まあまあ。青井あおいユイさん。いまのうちに水分補給すいぶんほきゅうをしましょう」

 ナオキは、死神しにがみちゃんにやさしい。

「そうですね」

「アタシも、水を飲んでおくわ」

「熱中症対策には、点滴のように少量を何度も摂取することが有効なんですよ」

 知識を披露するナオキ。

「そうなんですね」

「ふーん。物知りじゃない」

 そのあいだに試合が終わることはなかった。戦いがハイレベルだからだ。

 長時間、熱戦が繰り広げられている。

 ジャブからのストレートを繰り出すナベサダ。

 隙を見逃さない。アツシ。クロスカウンターのような形でこぶしをねじ込んだ。

 勝者、梅沢うめざわアツシ。


「ガッカリですよ」

「もうちょっと。もうちょっとだけ、待ちましょう。ね」

 ナオキは、死神しにがみちゃんのご機嫌取りに必死だ。

「そうねえ」

 マツは、何かを言いたそうにしていた。


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