第39話 張り紙
土曜日。
いつものように、
「いらっしゃい」
ハジメはにこにこしている。
「え? こわっ。何か怖いわね」
「何がです? いい笑顔じゃないですか」
ロングヘアのマツとツインテールの
「君ってやつは」
ナオキにいたっては、もはや何を考えているのか、はたから見ると理解不能である。
「まあ、とりあえず入ってくれ」
ハジメは、不自然な笑顔のまま、
「何かいいことがあったんですね、ハジメさん」
「ああ。これを見てくれ」
冷房が効いた部屋でハジメが取り出したのは、
「これって、あの謎の――」
「こ、これは。
ナオキの言葉をさえぎって、マツがハジメに問いただした。
「ぼくは、いつも本気だ」
笑顔の奥から、かすかに
「
「ハジメさん。見学に行くんですか?」
いつもよりトーンの高い声。
「参加するんだよ。お前も来い」
「な、なにィ!」
ナオキが大げさに驚いた。けっして、ハジメはナオキに対して来いとは言っていない。
「わかりました! 行きます!」
「アタシも同行するわ。
「それで。ちょっと
「
口をとがらせて固まったハジメ。しばしの沈黙のあと、口が開かれた。
「ナオキさん。お願いします」
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