第2話 日常にささやかな変化、物語で言うなれば承。
「不思議な人だっなぁ…優しかったし可愛かったし…ってそんな低俗なこと考えるな失礼だろッ!!あぁぁぁぁっ!!」
あの後からかわれながらも少し談笑して、明日も学校有るから、ということで別れ家に帰った僕は爽やかな心地で眠りについた。そして起きた。
嬉しハズカシな昨夜の出来事。
よくよく考えればものすんごいことが起きてたことだ。
可愛い好みのタイプの女の子に悩みを理解して寄り添って貰い抱きしめられて慰められてあっあっ顔が熱いうぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!
「ああああああああ!!ってもう時間だ!?どんだけ回想してたの僕!そういうとこだぞ!!(己を省みて自虐する感じ)」
急いで着替え、家を出る。
親は共働きだから基本的に朝会うことはない。
ジャムを塗った食パンを咥えて学校へと走る。
なんだかラブコメのプロローグみたい…ワタシってばヒロイン!?なんて益体もないことを考えながら角を曲がr!?!?!?
ずってーーーーーーーん。
思いっきりコケた。痛い…誰かに見られてないよな良かった…っと体面を気にしつつ立ち上がろうと手をつき顔を上げると。
「おはよー、ヒロイン願望垂れ流して走ってコケた朝の気分は如何かな?にししっ!」
―昨日のあの子が僕を見下ろしていた。
唖然と顔を上げたままの僕の顔面へと、空へ舞い上がっていたパンが重力をその身に受けてジャムの塗られた面を下にして
(嗚呼、そっち側が地面に向かって落ちるの、ホントだったんだ……)。
べちょッ。
直撃した。
「……その、なんていうか、ごしゅうしょうさま?(言葉を選ぶ感じ)」
…また彼女に情けないところを見られ慰められてしまった。恥ずかしすぎて顔から火が吹き出しそうだッ!!!
顔からどろっと垂れてるのはジャムだけどッ!!!!!!!!
―(なんとか起き上がり顔を拭いて学校に向かう)―
「ほんっと君は変に気張らず生きるべきだよ。なかなか愉快な暮らししてるじゃん、
(僕の心:顔から火吹きそうな恥の多い人生だけどねっ君のせいで!!)
そうそう、あははははは!…顔からジャム吹いたりとかね!くくくっ(草をたくさん生やすような感じw)」
…朝から彼女はテンションが高いようだ。
って何しれっと一緒に登校しようとして
「いや、私も一緒の学校だよ?なんならクラス一緒だよ?」
るんだと思ったが、ならおかしくないかって同クラ!?居たっけ!?
「ひど!横の席だけど!君がいつも授業中こっそり本読みながら笑ってるの知ってるんだからね!!!」
……さて、家に帰るか。そろそろ顔が黒焦げになりそうだ、火を吹きすぎて。なんてぐるぐる頭がクラクラしていると、
ガ ! ンッ
ツ !! !
いいいぃってぇぇぇぇぇ!!!!いつの間にか学校に着いていて、校門の柱に突っ込んでしまった。
周りから失笑が聞こえる。泣きそう。
「あっははは、やっぱ君面白いよ。もっと早く話しかければよかった。っておでこ真っ赤じゃん!大丈夫?」
あたふたしながら彼女が僕を急いで保健室に連れて行ってくれる。
いつもは学校に来るまでの時間はゴルゴダの丘を十字架背負って登る
おでこの痛みが爽やかに思えるくらいには、良い朝と言えなくもないこともないよ痛いよッ!!
―(氷を貰ってデコ冷やしながら教室へ)―
「じゃ、こっからは話さない方が良いよね。放課後暇かな?だったら一緒に遊びに行こっ!」
そう言い残して彼女は廊下を駆け、先に教室に入っていった。
変に僕が意識するのを察してくれたのかもしれない。
そっか、彼女は僕の隣にずっと居たのか。
気付かなかったな。
今まで僕のことを
―そして授業が終わり、あっという間に放課後になる。
そして僕は下駄箱で待っていてくれた彼女に連れられて出かけた。
自分の分不相応さにもまだ気付けない、愚かな僕は。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます