第212節 首都決戦6 (共闘討伐編67)
「…成程。構いませんが、これから言うことをしっかりと肝に銘じておいてください。」
「分かった、部下達にも伝えておこう。」
「では、成立ということで。」
「ああ。では早速だが、さっき言っていたことを訳してくれ。」
「分かりました。『僕等のことを軍を出さざるを得ない程には脅威だと思ってくれているみたいだね。」と。」
「…そうか。では、始めよう。速やかに鎮圧、そしてこの都心で暴れている外人達を拘束、行動不能にせよ!」
隊長ぽい男の指示で部下達は四散し、外人達の鎮圧に向かった。
そして残った部下達は武器を取り出し、顔立ちの良い男に向けた。
「…その武器を向けて脅せば僕達が大人しくなるとでもおもっているのかな?」
「…如何にお前達が規格外と言っても近代武器には敵うまい。だから、さっさとこんなことはやめて投降したまえ。」
「…見通しが甘すぎるね。そんなモノ使ったとしても無駄だし、ただ邪魔なだけだから壊してしまおう。」
そう言うと顔立ちの良い男は再び雷雲から今度は雷を自分に向かって落としてその雷を槍状に変化させて自分の目の前に据えた。
「さて、君達の武器達は使える様になるかな?雷突き・投(グロムつき・ブロー)。」
そういうと、顔立ちの良い男は槍状に変化させた雷をその場にいる軍の隊員達に向けて思い切り投げた。
それは威力は持っていた近代武器は粉々になり、武器を通じて持っていた隊員達の体をも一瞬で消し去り、隊員達の後ろにあった建物を数十棟さえも連続で突き破り、都心の固いコンクリートの地面を大きな抉る程の凄まじい威力であり、今の攻撃一発で現場にいた軍の大半を消し飛ばしてしまった。
そしてこの日、首都海では小さな津波を観測し、攻撃範囲を中心として半径数十キロに渡って停電が発生し、攻撃の範囲を中心に数キロ排水管が破壊されたことによって断水となり、その他この攻撃によって様々なシステムトラブルが発生した。
「な、何という威力だ。武器やそれを持っていた隊員を一瞬の内に消し去るだけでなく、建物の大きな穴やコンクリートの地面を抉り、排水管等の都心のシステムを破壊する威力とは…バケモノめ…!」
「これだけでも理解したでしょ?国の武力を持ってしても僕の前では意味を成さないってことが。」
「…しかし、我々は警察が扱えないことからこの国を国民を護る為に存在している。よって、我々は何としても貴様を倒してみせる…!」
顔立ちの良い男の攻撃で影響が少なく、動ける隊員達は戦車に乗り込み、今度は男に向かって砲弾を放った。
「…そんなに躍起になって護る程の価値がこの国にあるのかい…?」
「…私達はそう思っているし、実際この国は世界的にも最高レベルの治安の良さを誇っているんだ。そんなこの国を脅かす者を許す訳には行かない!」
砲弾は次々と男に向かっていき、着弾、爆破して、全てを打ち尽くし、軍の面々は「これで倒れていてくれ」という淡い期待を込めて少しずつ晴れていく爆煙を見ていた…。
しかし、その淡い期待はあっさりと消え去った。
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