第211節 首都決戦5 (共闘討伐編66)

「「「「‼︎」」」」

「確かに、私達は一人では到底貴方に勝つことは出来ないでしょう。しかし、協力すれば貴方に勝つことは出来なくともしぶとく抗うことくらいは出来ます。」

「そうか…。なら、試してみよう。」と、男が言うと、突然周囲の雲が集まり黒雲となり、龍牙達に向かって落ちてきた。

 が、それを間一髪で龍牙達は回避した。

と、言っても周りの建物が停電になる等の影響は出たが…。

「…成程。確かにさっきの攻撃を避けることができる君達にこんな者達では勝つのは難しいだろうね…。」

「(コイツ、涼しい顔をして天候を操作して僕達に向かって雷を落としてくるとは…情報以上にヤバい奴みたいだな…。)」

「そりゃ、どうも。だが、分からないな。君程の実力があればこんな言い方は適当ではないだろうが…、この程度の相方達であれば、どういうものかは知らないが、そんな協力関係は解消して自分が率いる組織だけでこの国を奪おうと行動すれば良い。何故そうしない…?」

「理由は無いよ。強いて言うなら、この間戦った紅い鎧を纏った青年と一対一で戦いたくなったから…かな。」

「…そうか。その状況を作り易くする為に協力関係になったと…?」

「強いて言うからね。」

「そうか…。なら、僕等は全力で抗う!」

と、龍牙はそう言うと、右腕にエネルギーを溜め始めた。

エネルギーが溜まると龍牙は右腕を横に思い切り振り切り近くにいた者を敵味方問わず、吹き飛ばし、散り散りにした。

「良し。これで、お前と一対一で戦うことができる。」

「まさか…この僕に君一人でどうにかなると思っているのかい?」

「それは無理だろう…。だが、お前を相手に抗い、お前の体力を削ることはできる!」

「へえ〜結構な自信があるみたいだね。良し、その心意気に免じて僕も少し能力を使って戦ってあげるよ。」

 そういうと男は静かに淡々とエネルギーを濃く高め始めた。

 そして同様に龍牙も今まで以上に濃く、エネルギーを高め始めた。

 2人の高めたエネルギーは周りの建物や地面空気をも大きく震わせた。

 そして2人のエネルギーが高まりきると、2人の身体からは大きな煙状のエネルギーが舞い上がった。

 ここで国が事態の鎮圧の為に暴れている外人達の拘束に派遣して来た軍が到着した。

「…ま、いっか。こうして軍を動かざるを得ないくらいには、僕等を脅威だと思ってくれているみたいだね。」

「…おい、あの男は何を言っているんだ。誰か通訳してくれ。おい、そこの君。さっきあの男と何やらはなしていただろう、すまないが通訳してくれないか?」

  龍牙は声の聞こえた方に顔を向けてから自分の顔に指を向けた。

 そして問いかけてきた隊長ぽい如何にもな容姿をした男が頷いたのを確認して龍牙はその隊長ぽい男に向かって移動し、龍牙が隊長ぽい男の下に着いてからもう一度隊長ぽい男は問いかけてきた。

「君、すまないがあの男の通訳をしてくれないか?このままでは要望を聞くことすら出来んのでな。」

「…成程。構いませんが、これから言うことをしっかりと肝に銘じておいて下さい。」

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