第210節 首都決戦4 (共闘討伐編65)

外人達と龍牙達は集中力を高め、戦闘形態になった。

 戦闘形態への変身の余波によって龍牙達の直ぐ後ろにある都庁は勿論、近くの道路や建物に亀裂が入った。

「意外と丈夫だな。本気でないと言えど、戦闘形態になった俺のパワーで崩れないとは…。」

「…当たり前だ。この国は災害大国で特に地震が多い、だから建物そのものは当然として力を逃すシステムもあるからな。」

「…そうか。なら、直接ぶっ壊すだけだ。」と、いうと龍の模様の入った鎧を身に纏った男が飛び上がり都庁の外壁に攻撃をしようとしたが、間一髪のところを龍牙が防いだ。

「随分落ち着きがないな。何を焦っている?」

「俺達は焦ってないない。ただ、この建物を壊して俺達の強さを分かりやすく伝えようとしただけだからな。」

「それはそれは…、随分と無駄な事をするのね。」

「何だと?」

「…正直、貴方達では私達に勝つことは不可能よ。」

「…っ、戯言を。」

「…今の私の発言がそう聞こえたのなら、貴方達は私達を無意識のうちに見下してたってことよ。そして、貴方達の戦闘形態でのパワーは到底私達に及ばないわ。」

「…そう…。なら、試してあげるわ!」と、火花と同様にドレスを纏った女がそう発言すると力強く地面を蹴り、火花との距離を詰めるとそのままの勢いで火花の左横腹めがけて、パンチを繰り出した。

 が、火花はそれを余裕をもって回避し、距離を詰めて、パンチを繰り出して来た女に右足の蹴りを女の左頬にカウンターで直撃し、女は左頬に蹴りの跡がしっかりとつき、そして僅かにではあるが、出血していた。

「…言葉のわりには大したことないわね。貴女の能力が何なのかは知らないけど、その程度の実力で私達に噛み付いてくるなんて…阿保らしすぎて虚無よ、何の感情も湧かない。」

「…っ、とことん舐めてるわね。私達がアンタらに負ける要因なんてないわ。」

「そういう発言は、これをどうにかしてからすることね。」

 火花がそういうと火花の頭上にいつのまにか出来ていた直径5メートル程の薄紅の玉をいくつもの直径30センチ程の小さな玉に分け、それをナイフの様な形に変化させて、火花はそれを手を振り下ろすことで勢い良く、外人達に向けて飛ばした。

 外人達は火花の攻撃を避けようとしたが避けきれず一人を除き、外人達に火花の攻撃が当たり、外人達の身体や顔は切り傷だらけでさらにその傷を中心として軽い火傷を負った。

 そして、その攻撃が当たらなかった一人の容姿はあまり筋骨隆々という感じではなく、少し細く、弱そうだが、顔立ちは良い男だった。

「…やっぱり、アンタはそう簡単にダメージなんて負わないわよね…。」

「自分達のこと、良く分かってるね…。だったらさ、分かってるんでしょ?君達じゃあ、僕の相手をするには実力不足だってこ・と。」

「「「「‼︎」」」」

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