第209節 首都決戦3 (共闘討伐編64)

 こうして本気の戦いが始まった。

場所は変わり外では…。

 脱線事故とビルの爆破が連続して発生したことでパニックになっていた。

 が、幸い交通網は機能していたので近くの駅の職員と近くの交番や警察署からきた警官が協力して人を捌くことでどうにか暴動等は起きずに済んでいた。

 そして都庁周辺では厳戒態勢を敷いている中で堂々と数人の外人達が止めに入る警官達を軽々と誇り掃除の様に薙ぎ払いながら都庁へと向かう中…龍牙、火花、凍士、物一、そして虫利が都庁の入口で外人達に立ち塞がった。

「どけ!今からここは俺達のモンだ!」

 「…はあ、何をふざけたことを。それに、俺達はお前らの様な奴等から守る為にいる!」

「そうか。なら、さっさと潰してやる。」

「こんな街中でそんなことさせるわけがないだろ!」と、いうような迫力で外人達を取り押さえようと警官達はしたが、先程の警官達と同様に簡単に薙ぎ払われてしまった。

 そしてその薙ぎ払われた警官達は白目を剥いて、意識を失っている。

 龍牙は警官達を薙ぎ払い、意識を断ち切った外人達に問いかけた。

「薙ぎ払うのになぜ意識を奪う必要は無いだろう…?」

「…必要なことなんだよ。何処の国だろうと警察ってのは、権力の象徴、つまり、その今伸びている下っ端警官共のトラウマを記憶に植え付けるのではなく心に植え付けるには…な。」

「はあ。つまり、お前らが今警察官の方達を薙ぎ払い、意識を奪ったのは権力よりも力があると誇示したかったからだろ?」

「…そうだ、理解が早くて助かる。」

「権力よりも力があるってんなら警察自体を潰してからにするんだな。」

「その必要は無い。」

「それは何故かしら?」

今度は火花が外人達に問いかけた。

「簡単なことだ、俺の仲間がこの辺りにいる警官を一掃するからだ。」

「成程。しかし、できるかな…?」

「どういうことだ?」

「私達は今までの戦いからこの国を手中にしようとしていることは分かっているわ。」

「…そうか。それでどうやって防ぐって言うんだ?」

「簡単なことだから、心配ならやってみなさいよ。」

「言われるまでもねぇ。」と、外人達のリーダーと思われる男が小型の無線機を胸ポケットから取り出すと、「やれ!」と、無線機を使って指示をした。

 すると、外人のリーダーと思われる男は二ヤ…と、うすら笑いを浮かべたがそれは直ぐに消えた。

「何故一つも報告が来ない…!」

「当然だ。お前が指示しようとしていた者達がいるところには僕等の仲間がいて、お前の仲間を僕等の部下達が取り押さえたからね。」

「そうか、なら簡単だ。ここで俺達がお前等を片付ければ良いだけだからな。」

「…うまく行くかな?」

「今のうちにそうやって調子に乗っていろ。」

外人達と龍牙達は集中力を高め、戦闘形態になった。

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