第204節 顔合わせ2-3 (共闘討伐編59)

「どういうことですか?」

「ちょっとは自分で考えなさい。貴方、来年には中学生になるのだから…。」

「す、すみません…。」

「…それじゃあ、聞くわよ。敵方からすれば最大の難敵、貴方ならどうやって攻略する?」

「そりゃあ、戦力を集中させて叩きますよ。」

「そう。そして、今、貴方が言った戦法を敵方が考えない筈がない、でしょう?」

「ああ、その通りだ。(同じく。)」

「じゃあ、その照が出てこなかったら?」

「気を抜く…?」

「そう、油断する。正確には油断する者が出てくる。が、正しいわね。」

「成程、分かりました…。」

「ええ、私達が照を出さなければ敵方さんは油断する。少なくとも警戒レベルは下がる筈よ。でも、私や貴方そして、龍牙と凍士くんは変わらず警戒されるはずよ。」

「…何故ですか?」

「私達もこの間の旧本部での戦いや北海道での戦い、それらのデータを持っているの。だから…。」

「ちょっと待ってください。データ?何故そんなのをいつ敵方が持っていると分かったんですか?」

「そう言えば言っていなかってわね。私が本部での戦いの後、九州支部とテレビ電話したのだけど…、その後改めて私はドローンで撮っていた映像を確認したの。すると、私達が飛ばした物とは別の飛翔体が撮っていた映像に小さくではあるものの、映っいたの。」

「成程。だから敵方もそう言ったデータを持っていると…。」

「ええ。他の戦いの映像も送られて来た物を確認すると同様に同じような飛翔体が映っているのを確認したわ。従って、以前戦っているさっき名前を上げた者は照程ではないでしょうけれど、警戒されると言っているの。」

「成程、ようやく理解しました。つまり火花さん、そして望獣さんが言いたかったのは敵方の油断を誘発し、雑魚を一気に片付け、そして士気が回復して来たところで幹部連中を片付けることで敵方を焦らせて、思考力が低下したところを敵方のトップを叩く。と、いうことでしょうか…?」

「…ええ。まあ、そうね。」

「ああ、そうだな。だが、今話したことは憶測であり、俺達の希望的観測でしかないことは理解しておけよ。」

「…はい、勿論。そして、戦いの中で僕等が成長することで師匠に頼らないようにするということですよね。」

「そう言うことだ。こういうところはアイツに似てきているな。」

「本当ですか?嬉しいです!」

「ああ。さて、纏めるとだ。俺達は照を出さずに基本戦い、敵方の油断を誘発させて、雑魚をさっさと片付け、敵方の士気が回復してきたところで幹部連中を一網打尽にし、思考力が下がったところで敵方のトップを片付ける。理解したか?」

 会議室にいる全員が首を縦に振り、理解したことを示した。

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