第200節 照対獣3 (共闘討伐編55)
それによって、夢の中では凄まじい爆音と共に巨大な爆煙が上り、現実世界で寝ている照の体は先程より大きく震えた。
夢の中では獣が照の放った2つの龍とぶつかり、爆煙と共に獣は煙の中から体勢を崩して落下し、勢いよく武舞台に叩きつけられ、それと同時に武舞台の細かなパーツが舞い上がった。
そして、現実世界では寝ている照の体の震えが止まり、夢の中では爆煙が晴れはじめ…照の姿が見え始めた。
爆煙が完全に晴れると大勢は崩していないものの、身体中に傷だらけの照が姿を見せ、その時には獣もかなりのダメージを負ってはいたものの気力を振り絞って、武舞台に立っており、傷だらけの照の姿を見ていた。
照は獣の攻撃を喰らってはいないが、獣の攻撃と自身が放った2つの龍の衝突で発生した衝撃か衝撃刃として照の体に伝わっていたので全身が傷だらけになっていたのだ。
それを見た獣は気力を振り絞り、体を震わせながら「どうやら、お前に一矢報いることはできたみたいだな…。」と発し、その直後、獣は意識を失い、その場でバタリと前から武舞台に倒れた。
・
「俺は一体…。」
「君はどこまで覚えてるの?」
「そうだな…。確か、照が全身傷だらけだったことまでは覚えているのだが…。」
「…傷?そんなもの、とっくに自然治癒されてる。ほら。」と、獣の目の前に近づいてから分かるようにくるっと体を一回りして見せた。
「…綺麗さっぱり全身傷だらけだった身体が元通りになっている…。そんなに俺は気を失っていたのか…?」
「…そうだよ。現実世界の時間でどれくらいかは知らないけれど、ここでの時間的には15分くらいかな。」
「そんなに気を失っていたのか…。」
「そういうことだ。これで、諦めもついただろう…?」
「ああ…。」
「お前の参加を認める。」
「…⁈おい、リタ。今、アイツ何て言ったのか教えてくれ…!」
「今回の戦いへの君の参加を認めると彼は言ったんだよ…。」
「そうか…、俺の耳がおかしくなったわけじゃあないんだな…。良かった…。」
「さて、落ち着いたところで話に入ろうか。」
「そういや…、どうしていきなり俺の参加を認めたんだ?闘う前は頑なに参加させようとしなかっただろ…。」
「俺はお前の実力ではなく、性格からお前の参加に反対していた。それは理解しているな?」
「…ああ。」
「その反応とも言えるその性格を抑えられる様になったとさっきの闘いの中で俺が判断した。だから俺は考えを変え、お前の戦いへの参加を認めることにしたんだ。」
「成程、そういうことだったのか…。」
「そうだ、理解したか?」
「ああ。ありがとう。」
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