第197節 断固 (共闘討伐編52)
「分かった、話してくれ。」
「ハッキリ言うと、俺は獣の化物っていう二つ名が嫌いだ。」
「だから俺には戦わせたくないってことか?」 「そうだ。それに最初にお前と変わった時、敵とはいえ人をそのまま殺そうとしていたよな?」
「ああ、そうだが…。」
「良いか(圧)、俺はお前を頻繁に表に出して殺人鬼や通り魔のように思われるのは平穏をもとめ、そしてそれを維持したい俺としてはできる限りお前を表に出したくない。分かったか(圧)」
「…でもよ…。」
「それにだ。お前が成長したといえど、それで勝てるわけではないし、今回の戦いにおいてはお前の性格は致命的な弱点になると考えているし、実際そうなるはずだからな。」
「それでも俺は戦いたい!」
「お前…さっき俺が言ったお前の性格を抑えるか隠すかしない限りは断固として俺はお前に身体を渡すことはないからな。」
「…だったら、俺と戦ってくれよ。」
「…話、聞いてたか?」
「ああ、聞いてたぞ。」
「だったら何故お前と俺が戦うって話になるんだよ!」
「つまりお前は俺を信用していないってことをさっき言ったんだろ。」
「そうだ。」
「だから、この世界だからこそ直接戦ってお前に信用される為にも戦ってくれ。」
「…あのな…。俺はお前の実力を信用していないんじゃなくて、お前の性格を信用していないもさっき言ったんだ!分かるか?」
「…だから俺と戦って欲しいんだよ!」
「…ん?どういうことだ?話が繋がらないんだが…?」
「ちょっと良いかな…。」
「リタ。今、お前は関係ないだろ。今は俺とコイツの話をしているんだ。お前は話の中で出て来ていないだろ?」
「…そうだけど。このままじゃ、話が進まないでしょ。だから、僕が彼の考えを代弁しようと思ってね。」
「…〜分かった、そうしてくれ。俺にはコイツの言っていることが理解できない。だから、俺にも分かる言葉で代弁してくれ。」
と、照は獣に向かって指を指しながら言った。
「もちろん、分かっているよ。」
「それじゃ、頼む。」
「うん。簡単に言うとさっき君が言った性格の問題を含めて戦えば君も納得してくれる。と、言いたいんだと思うよ。」
「成程、そういうことか。だったら最初からそう言えよ。ったく、分かりにくい言い方しやがって…。」
「じゃあ…。」
「それでもダメだ。今回の戦いは今までの助ける為の戦いではなく守る為の戦いであり、俺の問題でもあるからお前が出る必要がないってことだ。」
「それなら俺も戦う意味はあるだろ?同じく人間なんだからよ。」
「分かった、仕方ない。戦ってやろう。」
「サンキュー、ありがとう。」
「だからと言って戦うだけで考えを帰るかどうかはまた別問題だからな。」
「分かった。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます