第196節 面倒臭い (共闘討伐編51)

(ったく、面倒だな。俺はさっさと帰りたいのに…。)

「…!」

(これは…。チッ、あの害虫共の手下か…。…数は…、隠れているいるのを含めて…30か。この前の戦いで俺の強さを理解している筈なのにこの人数とは…随分舐めているな…だが、こんな大勢の前で戦うわけにはいかない…どうするか…。)

 等と照が思案している間にも外は警察や救急車が来たりと騒がしくなっているに気付かずに思案をしていた。

 そんな照の耳に女性の「大丈夫ですか?」と心配する声が聞こえて来た。

 照はその声を聞きハッとなって顔を上げた。

すると、目の前にはとても心配そうな顔で照を見ている女性がいた。

 「大丈夫ですか…?」

「…はい。」と照は返事をして速やかに電車から出た。

 すると、女性は安心したのか肩の荷が降りたように明るくなり照に話しかけて来た。

「…凄いですね、かなりの事故だったのに殆ど怪我がないなんて…。」

「はは、小さい頃から身体は丈夫で大怪我をしにくい体質なんですよ…。(と、いうことにしておこう…。本当のことを言っても信用されないだろうからな…。)」

「…そうですか…。御両親に感謝しないといけませんね。」

「はい。それで…俺も病院に行かなくてはいけないのでしょうか?」

「…少しお待ちください。」

「お待たせしました、病院へ行く必要はないとのことです。」

「そうですか…。(良かった〜、病院に行くなんて面倒なこと嫌だったからな。)」

その後、警察に事故の時の状況説明をしてから照は帰路に着いた。

 その夜、夢の中にて。

「…一応聞くが、何故俺を呼んだんだ?」

「何故って…それは簡単なことだ。俺はこの間の戦いの中で成長することが出来た。それもその成長した力をより丁寧に扱うことにも成功した。だから俺はお前を相手に何処まで闘えるかを確かめたいんだ。」

「成程、お前の用件は分かった。」

「…そんじゃあ、早速…。」

「断る!」

「何でだよ!」

「簡単なことだ。リタは兎も角、俺とお前は同じ体をメインで扱う。それは分かるな?」

「…?」

「分からないって…顔に出ているぞ。」

「そ、そんなことはない!だが…」

「だが何だ、さっさと言え。いくらここが夢の中時間を自在にできるといってもあくまでもその進みを調整するだけで時間が進むのは変わらないんだから。」

「ああ。さっきお前は俺とお前が同じ体をメインで扱うと言ったよな?」

「ああ、そう言ったぞ。」

「なら何故俺が体を扱って戦ったのが2回だけなんだ!」

「…分かった、話す。が、完全に自分本位だからな。そして、それは俺にとって重要なことだということをな…。」

「分かった、だから話してくれ。」

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