第195節 被害深刻化 (共闘討伐編50)

「成程な。それで、その外人グループの目的は判明しているのか…?」

「それは不明だが、今までの行動から推測することは出来る。」

 龍牙は「これを見てくれ。」と、言って、関東の拡大地図に外人グループが意図的に起こしたと思われる事故現場を赤ペンで示したモノを机を広げた。

「これは…?」

「これは今まで僕の下に報告された外人グループが誘発させたと事故現場を赤で印をつけた関東の拡大した地図だ。」

「これは…。」

「そう…。少し分かりにくいけど、印をつけたところは全て県境やアクセスの良い場所で行われている。つまり…。」

「外敵共はそとからの救援を阻害し、この東京を孤立させてこの首都、東京で戦わざるを得ない状況を作ろうとしている…。」

「…そ、それがこの地図から汲み取ることのできる外敵共の現在推測できる目的だよ。」

「だろうな。それに、報道から考えるにこっちと同様にあっちも手を組んだんだろう…。」

「…‼︎それは本当かっ⁈」

「どうしたんだ?そんなに慌てて。」

「…取り敢えず直ぐにテレビを点けてくれ。」

「…?分かった。」

照は慌てた様子の龍牙の言葉を聞いて直ぐにテレビを点けた。

《緊急速報です。都庁を爆破するという差出人不明の爆破予告が都庁と警視庁本部に届きました。》

 と、いう内容が流れていた。

「チッ、面倒だな。ここは幸い都内にあるし、俺、彩羅、ホープの家も都内にあるから余程の状況にならない限り負けることはないだろう。が、援軍の期待が出来ないのは痛いな。」

「確かに、戦力的には上回っていたとしても援軍や物資を送る経路が潰されるのは痛いね。」

「だが最悪、俺と不本意だが、福が前線に出れば何とかなる。…はずだ。」

「…君にしては歯切れが悪いね。」

「そりゃそうだろ。今までは強い敵と言っても国内のしかもある程度報告でどれくらいの強さなのかを聞いていたから言い切れたが、今回は外からの敵、しかも俺が戦った奴はどうにでもなるだろうが、敵の首領の強さの天井が分からないからな、おいそれとデカい口は叩けないんだよ。」

「そうか。じゃあ、気合いを入れてあたらないといけないね。」

「ああ、そういうことだ。それで、これで用件は終わりか?」

「ああ、ありがとう。態々本部に来てくれて」

「んじゃ。俺はこれで帰らせてもらうが、非常時には連絡してくれ。」

「分かった。」

こうして照は本部での用を終え、本部を出た。

 そして電車に乗っていると最寄りの駅手前で乗っている電車が線路から外れ脱線事故に遭ってしまった。

 幸い駅が見え始め、速度が落ち始めている中での事故であった為、重症者は出たが、死者はいなかった。

(…ったく、面倒だな。俺はさっさと帰りたいのに…。)

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