第193節 密かに…3 (共闘討伐編48)

「分かった。すまない、続けてくれ。」

ルーペンは頷いてから 「改めて…。」と話を再開した。

「前置きが長くなってしまったけど、ここからが僕等が調べて分かったことなんだ。」

 北玄は静かに頷いた。

「僕の指示で僕の部下達が気配を消して動ける範囲で情報を集めた結果、青年達は青年が作った組織とそれと相対していた組織の支部の正確な場所は分からなかったけど、互いに穴を補い合う様になっていることは分かった…。と、僕等が把握している情報はこれくらいだけど知らなかった情報はあったかな?」

「…ああ、今、アンタが話した情報は俺達も知っていることだ。んで、その追加として俺達の調べたことを話す。」

「規模は不明だが、2つの組織を合わせて人数は大体数万人はいるらしい。細かい人数は調べようとしたが分からなかった。だが、協力者を含めれば数十万人になると調べたらところ分かった。そして、今現在その2つの組織は共同関係にあるとのことだ。」

「そうか、これで合点がいったよ。」

「…ああ、それに俺のところにきた報告だと2つの組織で最も強い者は同じくらいの強さらしい。」

「…難しいな。あの紅いの鎧の青年と同じくらいの強さの者がいるとなると其々で倒して…というのは厳しいだろうね…。」

「…なら、いっそ俺たちが其々支援している奴等に協力を取り付けて短期決戦で一気に倒してしまえばいいんじゃねぇか。」

「…僕は反対だな。これ以上数が増えればこの国のメディアも流石に報道するだろうから。それは愚策だと思うよ。それに短期決戦で…ということなら、いっそ彼等が東京で戦わざるを得ない状況にした方が良いと思うよ。」

「そうか…。一応聞くが、アンタはアイツらと戦ったのか…?」

「いや、僕は戦ってないよ。」

「そうか…。」

「けど、僕が戦っていたとしても勝てたかどうかは怪しい。」

「…そうか、分かった。俺達もアンタの提案に乗っかろう。」

「ありがとう。これで正式に僕等の同盟、本格始動だね。」

「ああ、宜しく。」

こうして…照達の知らないところで自分達を倒す為の同盟が本格的に始動した。

         ・

敵方2つの組織が照達と同様に同盟を結び、本格始動してから数日。

 今は照と彩羅が通っている高校の地下を使って照が選んだ数人が対戦形式の修行を行っている。

 しかし当然ではあるが、この地下は学園長等一部の人間しか知らない場所だが、能力を使った闘いは計算に入っていないので能力無しの純粋な身体能力のみの修行となっている。

 そして、照は選んだメンバーの闘いを見て感慨深い気持ちに浸っていた。

(個人差はあるが、皆んな大分動きの無駄を省くことができるようになっているな…、実に感慨深い…。)

「…で。何故お前がここにいるんだ、龍牙。」

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