第192節 密かに…2 (共闘討伐編47)

照は能力は使わず、純粋な身体能力のみで体力測定にあたった。

 それでもそれなりに良い結果になった。

(…まあこれで、学校で疑われたり、面倒に巻き込まれるというのも少なくなるだろう…。)

因みに彩羅は女子の方でかなり上の方だったらしく他の女生徒からの人気が更に上がったらしい。

(…凄いなあいつは…、普通、あの容姿で運動も勉強もできるとなれば嫉妬なんかから虐められているだろうに…。これもアイツのカリスマってヤツなんだろうか…。)

 その後、宿に戻り夜にはキャンプファイヤーといういかにもなイベントがあったが、特に何かがあるということはなかった。

 キャンプファイヤー終了後、照達の班の部屋では鏡華と彩羅の班の女子メンバーが恋バナがしたいと盛り上がっていたが、実際に盛り上がることはなかった。

 そして、恋バナをしたかった2人は何かつまらなそうにしていたが、仕方ないことだ。

 そうして楽しい学年行事は、終わり照と彩羅のことも取り敢えず隠し通して照達は其々の家に帰った。

 照達は学年行事から帰って来てからは何のアクシデント等もなく平和で修了式も無事に終わり、夏休みに入った。

 ・

そして再び場所は変わり、同日、とある船内。

 ここではもう一度、北玄とルーペン両名のトップ会談が始まろうとしていた。

「さて…、僕達をここに呼んだと言うことはそちらの方針は決まったんだね?」

「ああ、アンタらと力を合わせることで纏まった。そして、この会談は俺が全権を任されている。」

「そう…、分かった。なら、今からはどうやってあの青年達を倒してこの国を手にするかをならないとね…。」

「ああ、そうだな。その為には先ず、互いに持っている情報の擦り合わせをしなくては…。」

「うん、そうだね。じゃあ、提案をしたこちらの持っている情報から話すよ。」

「分かった、言ってくれ。」

「最初に言っておくけど、僕等は君等より持っている情報は少ない。これは理解しておいてくれるかい?」

「分かった、それじゃ話してくれ。」

「うん。僕等は北からこの国を侵略しようていたんだが、どこから漏れたのかは当初分からなかったが、後に僕も北で見かけた紅いの鎧を纏っていた青年の部下の部隊が僕の下っ端の1人を尋問して引き出したことを知ったんだ。」

「…成程。」

「そしてその後、僕が指示を出すまでもなく、僕の部下がその尋問をした部下の部隊を捕まえようとしたが、ある男以外には逃げられてしまったが、結果的に青年達に戦力的に大きく影響を与えることに成功した。」

「おい。今のところ情報じゃなく、唯々お前らの取った行動を話しているだけじゃねえか。」

「そう、急かずにまずは最後まで聞いてくれないか…。」

「分かった。すまない、続けてくれ。」

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